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イギリス人のお友達の家に行く遊び(プレイデート)や、お泊り会(スリープオーバー)はこんな感じです。

お父さんです。

このブログは地元の公立中高で学び、地方大学を卒業した庶民派お父さんがひょんなことから子供二人の都内私立小学校受験を経て、またまたひょんなことで子供たちがイギリスのボーディングスクールに合格するまでの道のりを綴っています。

今回の記事について                                      
今回の記事は、お勉強ではなく遊びのお話について書きます。
小学生は遊び盛りの時期です。友達ができたらお互いの家に行って遊びたいのは自然な事ですが、自分で歩いて行けないのがイギリスのルール。どうやって友達の家に遊びに行ったり(プレイデート)、お泊りをしているのか書いていきたいと思います。皆さんの参考になれば嬉しいです。


学校生活に慣れてきて友達ができてくると、当然ながら学校が終わった後に「友達と遊びたい!」という話になります。こういうのは子供の自然な行動なので、英語が話せようと話せまいと子供たちは関係なくコミュニケーションを取って、「○○の家に行く!」と言い出します。この事自体は親としてはある意味嬉しいというかホッとするのですが、では実際にどうやってお友達の家に行くのかについては、日本と全然違います。
日本の場合は、そのまま親は関係なく子供達だけで歩いて学校帰りに家に寄ったり、公園で遊ぶというのが一般的だと思いますが、イギリスの場合は法律的に結構厳しいです。例えば、

①11歳になるまでは、子供1人だけで外出をしてはいけない
②親もしくは指定された保護者が外出の送り迎えに責任を持つこと

というのがルールです。基本的な考え方として子供(特に12歳以下)のうちは親の保護のもとにあるべきという事と、当然ながら治安上の理由がその主な背景です。日本は、治安が良くて小学校1年生でも電車やバスに乗って通学する事があると思うと本当に奇跡のような安全な国だと思います。したがってイギリスでは、郊外でもロンドン市内でも小さな子供が一人で歩いている姿は見た事がありませんし、仮に歩いてるのを見かけると「迷子か?」と思わず不審に思ってしまうと思います。という事でイギリスの場合の子供達の友達同士の遊びの流れは以下です。

まず遊びの事を何と呼ぶかですが、「Play date(プレイデート)」と呼ばれています。その名の通りですが、親の許可を得て友達同士で遊ぶことです。学校の授業の後に遊ぶことや休日に遊ぶことも含まれます。
一方で「Sleep Over(スリープオーバー)」と呼ばれるお泊り会も、結構あります。こちらは金曜日や土曜日の週末にかけて行われる感じで、普段プレイデートしている友達とより親しくなってくると行われるイメージです。ただ、親としては先方の親と連絡を取り合って色々な事(どこで遊ぶのか、そもそも誰と遊ぶのか)を確認し合っておかないと心配なので、親としてはまず相手と連絡先を交換してとりあえず知り合いになる所からがスタートです。また我が家はロンドン郊外に住んでいましたので、移動手段は基本的には車という事になります。その上で決め事は以下です。

A: どっちの家で遊ぶのか
B: 誰が子供達を家に連れていくのか
C: 帰りは誰がどうやって家まで連れて帰るのか
 (お友達を家まで送り届けるのか、自宅に迎えに来てもらうのか) 

などの色々なロジスティクス関係の面倒なことが発生します。日本の子供たちは子供だけで学校に行くので、勝手に子供達だけでどちらかの家に行ったり、公園に行って遊んだ後に勝手にそれぞれの家に帰ってくる感じだと思いますが、イギリスで子供同士が遊ぶというのは、慣れるまで親にとってはそれなりに気を遣う仕事です。

という事でプレイデートをするときは具体的にどんな感じかというと、

①前日夜くらいに友達の親から連絡が来る。もしくはこちらから連絡する
具体的には、友達のお母さん(or 父)から「ハロー、うちの○○(友達の名前)が、△△(うちの息子の名前)と明日プレイデートしたいと言ってるけど都合どう?ウチでどう?」とメッセージが来て、英語が得意でない妻はいちいち最初の頃はパニックになってました。「お父さーん、これ何て意味なの?」という感じです。

②子供の都合確認と具体的な子供の送り迎えの返信をする。
妻が「OK。じゃあ学校で△△(息子)をピックアップしてもらえる?」

③先方から返信と最終確認のメールのやり取り
友達のお母さん(or 父)「オッケー。じゃあ明日ね」みたいな感じ。

それで、学校の授業終わりに我が家の息子は、友達の家の親の車でそのまま遊びに行く感じです。大体夕方4時くらいから2‐3時間いるので、晩御飯(だいたいピザ) をごちそうになって帰ってくるパターンが多かったです。帰宅時はお世話になった家に迎えに行くのが一般的だと思います。迎えに行った際に「今日はありがとう、また遊ぼうねー」みたいな会話を子供たちはして、親は親で世間話(私 or 妻の拙い英語で)を少し玄関先でして、お礼を言って帰るというイメージです。慣れてくると何てことは無いのですが、最初の2‐3回は私も妻も初めての事だったので結構緊張したのを覚えています。


更にこれに輪をかけて面白いのがスリープオーバーと呼ばれるお泊り会です。Sleep Over(スリープオーバー)になると、やはりテンションが上がるようです。我が家の子供たちがイギリスにいたのは8歳から12歳くらいまでの間ですが、友達と遊びたい盛り&遊ぶのが楽しくなってくる時期なので、特に10歳になって以降は、月に2‐3回はお友達とスリープオーバーをやっていた感じです。水曜日や木曜日あたりから「誰々の家に遊びに言って良い?」という会話が始まり、それぞれのお友達の親とやり取りをしたら、お友達の家に行ったり、逆にウチに来たりと騒々しくも楽しい週末でした。

例えば我が家にイギリス人のお友達が来る場合は、夕方くらいにバックパックにお泊り道具(歯ブラシ、パジャマ、着替えなど)を入れて、満面の笑みで家にやって来ます。あとは友達同士でゲームをするためにプレステを持ってきたり、更には夜更かしをするためにリビングルームに毛布を持ち込んで、色々と勝手に部屋を自分たちの居心地の良いように簡易的に改造して(改造と言ってもソファ位置をズラすとかその程度です)、いつでも寝られる体制を整えてテレビゲームを遅くまでするという感じで、子供にとっては少しの冒険っぽい感じのようです。

我が家の場合、テレビゲームができる時間は一日1時間半までと決めていたのですが、それを遊びに来た息子の友達にも伝えると、イギリス人の子供はちゃんと正面切って交渉してくるんです。例えば「××(私の名前)、ルールは分かったよ。でも今日は特別なスリープオーバーの日でしょ。明日のゲーム時間を1時間削るから、今日は1時間多くテレビゲームをやっても良い?」とかそういう感じです。普通ならば、ただ駄々をこねるのが子供のやり方だったりすると思うのですが、ちゃんとルールを一旦理解した上で、交渉を理路整然としてくるのがイギリスの子供たちでした。これも普段から自分の考えを相手にちゃんと伝えるトレーニングをしているからかなどと自分で勝手に理解をして変に感心したりしてました。

スリープオーバー時のリビング。全部で3人います。良く分からない事になってますが楽しそう。

夕食は、ほぼ大体の場合はデリバリーのピザ(定番はドミノピザ)を頼むのですが、ある時私と妻で思い立って、日本料理を出してみたことがありました。唐揚げ、カレーライス、おにぎり、あとは手巻き寿司とか。意外だったのですが、一番人気はいつでも圧倒的に唐揚げでした。あとカレーライスも大体みんな食べる感じです。おにぎりは半分くらい。手巻き寿司になると、好き嫌いが極端に分かれます。食べる子は結構おいしいと言って食べますが、食べない子は全く一ミリも食べないです。生の魚を食べたことが無いとやはり抵抗感があるのかもしれないですね。いずれにせよディナーの定番は「ドミノピザ」です。我が家の息子はとても仲の良いイギリス人の友達がいて、その子とは最低でも50回くらい(お互いの家を25回ずつ)はスリープオーバーをしていたと思います。

という事でまとめると
-Play Date(プレイデート)は放課後の遊び。送り迎えは親。
-Sleep Over(スリープオーバー)はお泊り会。大変だけど非日常で楽しい。

です。今回も長々と書いてしまいました。いつも記事を読んでいただきありがとうございます。皆さんの参考になれば嬉しいです。


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