So Beautiful M/V
前の記事でも触れた曲けど、この楽曲の頭から終わりまで好きです。
ストリングス、口笛(彼はよく口笛をサンプリングしています)、
歌声、トランペット、ピアノ、Jazzだね~。
トランペットが入ってくる所が踊りだしたくなるくらい絶妙なタイミングで
すごく耳心地ちがいい。
私はお酒は飲みませんが、ワインを飲みながら歌って踊りたいです。
この曲の歌詞/訳はこちら↓
ミュージックビデオのストーリー
IAN:僕がまた変わってしまう前に、まだ覚えていて思い出せるように、言葉で満たそう。
深い水の中にいる場面から切り替わり、雷鳴とともに雨が降っている部屋の中で溺れながら這い上がったように起き上がるIAN。
耳鳴りがして自分がMITOに変化しようとする様子を感じながら叫びだします。そしてストリングスが聞こえてくる。
口笛が入る所ではモノクロになり完全にMITOになってパニックも落ち着き、
その状況を楽しんでいるかのようです。
マッチを擦る描写。すると道の上で気がつき起き上がるIAN。
またマッチを擦ると、今度はいくつものドアが並ぶ廊下にいます。
そのドアの一つには恋人の影がありました。
暗い森の中で何かから逃げるように走っているシーンはエンディングには
はじめの道を歩いて帰るシーンになります。
エンディング後に続きがあり、拳銃を部屋の水たまりから拾い、
"No Buleberries"の曲が遠くから聞こえてくるのでした。
ストーリーの解釈
この曲は失恋を歌っています。
冒頭の声はイアンですが、最後の方にはMITOの声に変わります。
イアンからMITOに代わるさまがドラマティックで、見る人に強烈な印象を与えます。
彼に代わったあとマッチを擦ると、イアンの意識はどこか道の上で気がつきました。周りには木が生い茂る他は何も無い道。この一本道は記憶から記憶への途中なのかも。
恋愛中の感情や関係がうまくいかない様子が、フラッシュバックしてイアンを苦しめます。
マッチを擦るとイアンからMITOにスイッチする表現は、モノクロになるのと同様、他のミュージックビデオでも使われていて、見る人にもわかりやすい表現でしょう。
恋人にフラれたのを水の中に落とされた事で表現していて、突き落とされた水の中に落ちていくイアン。こんなに好きなのに、息もできない。
溺れそうだ。
恋人との関係が終わってしまう苦しみをMITOが引き受けてくれたけど、MITOはあまりにも狂気に満ちて恐ろしいのです。
最後は前に進もうと、元の自分の体に戻る為に道を辿って帰っていきます。
雷鳴が遠のいていく。それは、MITOが体から離れて意識を取り戻すという事。
現実に戻ったイアンは、MITOや他の脅威から自分自身を守るための
拳銃を拾い上げ、デビルズダイナーへ向かうのでした。
この曲はイアンが初めて自分を表現した作品なので、
失恋の歌でもありますが、同時に彼の障害がどのように彼に見えているか、感じているかを表現しています。
歌詞の意味とか感じ方は受け手次第で、もちろん作品を作った本人の解説が正解ですが、この曲は世界観とか流れがすごく好きで、だからこそこれを作った人はどんな人なんだろうという興味につながりました。
MITOの魅せる狂気、ずぶ濡れの中でニターっと笑う何とも言えない表情が音楽と合わさり、映像としても芸術としても心を鷲づかみされます。