浮世絵の作り方④完ー摺りー北斎ー神奈川沖浪裏

試し摺りをして校正が済んだら、本摺りにかかります。
一般的に色は細かい所から広い所、薄い色から濃い色の順に摺っていきます。


一色目 輪郭線 使用絵具 本藍

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二色目 黄色 使用絵具 石黄(舟の黄色部分は少し薄めています。)(追記:この絵の具は画材店から石黃と言われ、購入したものでしたが、実際は藤黃だと後になってわかりました。)

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三色目 薄い青 使用絵具 ベロ藍

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四色目 濃い青 使用絵具 ベロ藍

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五色目 薄墨ぼかし 使用絵具 墨

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六色目 濃い墨ぼかし 使用絵具 墨

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完成です。

紙は越前生漉奉書という紙で、現代一般的に浮世絵の復刻に使われているものです。
江戸時代の紙とはかなり違います。
土台となる紙が違うと、どうやっても浮世絵本来の味わいは出ません。
とてももどかしい部分です。

紙は摺る前に湿らせて、完成するまで一定の湿度を保ちます。これは絵具の水分による紙の伸縮を防いで色の位置を合わせるためと、絵具のくっつき(染み込み)を良くするためです。摺り終わったら干して乾かします。

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店頭にて販売しております。

2017.9.24

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