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ごくたま日記

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ごくたまに書く日記です。
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#子どもに教えられたこと

春の香り

「沈丁花の花の香りが春の訪れを告げています」 僕の小学校では、そのフレーズではじまる卒業生のスピーチが決まり文句でした。 ***** 小学校には、いくつかの登校門があったのですが、そのうち西門の脇が沈丁花の生け垣になっていました。 そこでは毎年、この季節になるとたくさんの沈丁花の花が咲いていました。 はっきりとした深い緑の固い葉っぱに、白くて小さな花が寄り添って咲くんです。 ランドセルを背負いながら、西門に近づくと、石けんのような甘くて爽やかな香りに全身が包まれた

寒空と感覚

いつもの公園に行き、いつものように子どもと遊び、いつものように僕だけが途中でへばりました。 冬の陽が当たる公園のベンチで、1人だけの休憩をしました。 ***** 座りながら、両手をポケットに入れ、肩をすぼめて、ぼーっと前を見ていると、なんだか公園がひっそりとしているように感じました。 決して、人がいないわけではありません。 ***** 奥に見える遊具のゾーンでは、すべり台やブランコで遊ぶ親子連れが見えます。ベビーカーや子供用の小さい自転車もいくつか置いてある。

2020年のはじまりに 僕らが書き残した言葉

「泰然自若」 意味は「ゆったりと落ち着いて、平常と変わらないさま」 この言葉は、2020年の僕のスローガンになりました。 なぜかというと、2020年1月2日の「書き初め」で、この言葉を書いたからです。 泰然自若(たいぜん じじゃく)・・・・・・ ゆったりと落ち着いて、平常と変わらないさま。「泰然」は、落ち着いていて物事に動じないさま。「自若」は、大事に直面しても落着きを失わないさま。落ち着いているさまを表す二語を重ね、どのような事態に出会ってもその落ち着きを失わない様

秋陽

家の近くの公園の広場に、ひときわ大きな1本の木があります。 もう、すっかり秋めいて、その木の葉っぱも色づいていました。 風が吹くと、まるで桜の花びらが舞うように、色づいた葉っぱたちは、秋風に乗って散っていきました。 ***** 公園で遊んでいると、その大きな木の梢に、キラキラと光るものが見えました。近づいて見上げてみると、1枚の葉っぱでした。かろうじて枝にぶら下がって、落ちそうで落ちない1枚の葉っぱでした。 その葉っぱは、風が吹くたびに、くるくるくるくるとまわります