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もしかしたらバンドマンに理解されにくいDJの面白さについて

幅野です。結膜炎です。

軽い自己紹介。わたくしは20代から色々なバンドでベースを弾いてて、36歳あたりから暇になった時期、たまに飲みに行ってたお店で偶然ロックDJイベントをやってたのを見たことより、「これなら一人でできそう。」という安易な気持ちからDJをはじめました。ちなみにDJネームは”SASUGAの幅野”という変な名前で主にJ-POPやロック、メタル、アニソンをメインにやってます。

同じ店で飲んでる際に、「バンド活動する中で起こりうる腹立つ事あるある」みたいな話題の際に、
「そんな事あったら、さすがの幅野でも怒りますね~~」って発言がなぜかウケた事より、それを聞いた店員さんより、DJネームをそれにしろよっていう経緯から、安易に今の名義で始め今日に至るというわけです。

実はこんなに続けてると正直思わなかった節はあるけど、ほんとに構ってくれる皆様に感謝でありんす。
(ハウス、テクノ、ヒップホップなどの一般的なクラブミュージックには相変わらず疎いけど)


とまあ、頻度的にメインの活動がもっぱらバンドからDJに変わったわけなんだけど、やはりたまにバンド時代の友人に会うと、「なんか最近DJやってるよね」とよく転身ぶりをつつかれたりもする。

そこで話していると、聞かれ方は様々だけど、主旨として
「DJって何が面白いの?」と聞かれる事があったりする。
聞いてる側にはもちろん悪意はないんだけど、確かにやってみないと感じられない事は結構あると思う。

前置きが長くなってしまったかもしれないが、そこで今回は
「これまでクラブに行ったことは無かったし、相変わらずクラブミュージックには疎く、今でもほぼポップスやロックしかやらないDJの幅野」から見た、ややバンドマンに向けたDJイベントやDJ自体の面白いところというのを、書いてみようかと思う。


1.大きな音で友達と好きな音楽を聴きながら酒を飲むのはたのしい。

まあ、基本はこれ。あ別に酒は必須じゃないです。
必ずしも爆音というわけではないけど、酒を飲みながら友達とワイキャイしてる中で、急に好きな曲流れたらテンション上がりそうじゃない?
でもって、他にも反応する人がいたりして、その中で連帯感を感じて新しい友達ができたりしたら楽しそうじゃない?陰にそっと隠れようがいいんじゃない?

アニクラなんかはその着地点の一つに「オタ芸」という文化が広がり、一つの文化にまでなっている。結局あれも上記の延長線上にあり、音楽を楽しむ側の一つの表現でロックのライブでいうモッシュダイブ、ヘッドバンキングと同じのはずである。

つまり好きな音楽を楽しむ場所として、そこになんの違いもないのである。

2.DJが選曲する事で案外たのしさが増してる

じゃあ、別に本家本元のライブ行ったりすればいいじゃん。ってなるかもしれないし、今音楽なんてネット環境があれば格安で聞き放題だし、うち大音量で音楽聞けるし。ホームパーティするし。シャッフル再生したら同じじゃない?蕾のような花だってあんじゃない?ってなったらもうメリットないじゃない。ってなるかもしれない。

大丈夫です。ご安心ください。
DJがいることで実はイベントは楽しい事になってます。

DJ論のつもりはないけど、DJの数あるお仕事の一つに
「普段聞いてる音楽をさらに面白く、聞いてる人が気分よくなるように聞かせる」というのがあると思ってて、これがうまくいくと場はとても盛り上がる。お酒も出たりする。みんなハッピー。その場の空間は一つになる。宇宙の意思と生命体としてのヒトは完全調和をし、人類は補完される。
もちろん、現場で初めて聴いた曲を「かっこいい!なにこれ!」って言ってShazamするのも楽しい。

3.そこに確かに技術やライブ感はある

では「普段聞いてる音楽をさらに面白く、聞いてる人が気分よくなるように聞かせる」ためにはどうしたらいいのか。

具体的な事は他の記事や動画に任せるけど、大事なのは選曲自体のほかに曲間の「つなぎ」と思っていて、楽曲Aから楽曲Bへ移り変わる際に、すごくタイミングがばっちりで変わると、思った以上に聴いてる側は「!」となる。こればかりは体験しないとなんとも言えないけど、オーディエンスとして、好きな曲でばっちりな「つなぎ」で次の曲に移られるとテンションが上がり、「面白い」という感情が生まれ、高揚する事まちがいなしなのである。

とはいえ、これを成就させるにはそれなりにDJが模索する必要があり、
近いテンポだったり、相性の良いキーの曲をそれとなくぶつけるなどの試行錯誤があって、それらを事前に確認する事が、一般的なDJがおうちでやってる事なのではないかと思う(たぶん)。場合によっては楽曲を自分の都合の良いように長さをちょっと編集したりと、まあDJブースに立つ前にそれなりに武器を用意したり、工夫を積み重ねる必要があったりする。

また、それでもいざ出演すると、「あ、これ流したかったな」って曲を前のDJが流しちゃってたり、事前に流そうかなと思ってた曲と、当日の雰囲気がなんか合わないかも・・となったり、イベントによっては曲のリクエストなんかもあったりで、事前準備だけで完結しなくもなってくる。

それでもブースに立つ以上は場を盛り上げるべく、頭を回転させてその場で選曲したり、最低でも違和感ないように、つなぎもやるようにしなければいけないのが、DJのお仕事なのである。(たぶん)
なので、DJのやってる事。そこに確かに「技術」と「ライブ感」は存在しているのである。
ちなみに幅野は事前にDJがセットリストを作る事は全然否定派ではないです。

4.バンドとDJのちがい

で、結局DJをやってみてどうか?となると、とても楽しい。
自分が選曲して曲をつないで、聴いてる人が盛り上がってるのを見るのは、バンドでライブをしている時の光景と比べても遜色は無く、やっててテンションも上がる。なんなら調子に乗って、友達にテキーラショットをねだっても許される雰囲気が構築される。
DJ中に貰うショットはSNSでの「いいね」のようなもので、DJ中のテキーラはおいしい。これは万国共通で全DJが思っている事なのである。異論は認めない。

とはいえ、音楽活動としての、バンドとDJはまったく同じかというとそうではない。画像を作るのがめんどいので、テキストで書くけど、大体こんな感じ。

バンド
・一人じゃ基本的にできない
・エレキ楽器でもそれなりに機材に費用がかかる
・ステージに上がるまで、それ相応の練習が不可欠。
・他人と合わせる必要があるので、練習するのにスケジュール調整も必要
・ノルマとして出演料を払う必要があるケースもままある。
・幅野はライブ終わるまでは酒のめない

DJ
・基本一人で完結する
・最低限で言えば、持ってる音源をUSBメモリに入れればできる
・最低限で言えば、再生ボタン押せれば成立はする。
・他人と合わせる必要が基本ないので、家で本番さながらの練習ができる
・ほぼノルマを要求される事はない
・幅野はDJ中でも酒を飲んでる。

とこんな感じで、DJはバンドに比べて圧倒的に制限や敷居が低めに設定されている。そこは幅野もDJを始めたきっかけの一つでもあるし、DJというシーンをそのようにしてくれたPioneerさんを始めとした業界の努力のたまものでもある。

ただし、だからこそバンドも楽しいと言える面もある。
ライブ当日までの課題曲の練習時間や機材購入費用、スケジュール調整などの様々なコストをかけて臨んだライブで、オーディエンスが爆裂に盛り上がった際に分泌されるアドレナリンはDJ中のそれは超えられてないものがある。根っからの文科系ながら、やっぱりそういった場でかく汗は気持ちがよい。正直その時の幅野は自身をスーパースターだと思っている。昔やりすぎて右足首を骨折してしまい、くるぶしが今でも変形しているがそれもまた思い出である。

終演後に飲むビールは火照った体を覚ましつつ、失われた水分をアルコールとともに補給し、この世のものとは思えない快楽が襲う。
自分で音を出す。という行為はDJでは少し感触も違うし、生きるという意味も差す「ライブ」をしているという実感をもたらしてくれる。
瞬間的な快楽でいえば幅野的にはDJはバンドライブには、まだ勝っていないのである。


5.どっちもたのしいよ

そろそろ結んどかなくてはいけない時間である。
とかく、生粋のバンドマンに対してDJの魅力は伝わりづらいものなのかなとは感じ、その気持ちもわからなくはないと思ったので、文をしたためてみた次第。
やらなきゃわからん事でもあるけど、とりまやってみなさいって話も暴論極まりないので、できるだけ文章にまとめようと努めてみた。

まあ、事実から逆算しても、DJで生活してるプロが世の中にはいて、ポピュラーな存在である以上、そこに深くない「道」が存在しないわけもなく、多くの人が魅了される何かがあるのは間違いない。

もしこれでDJというものに興味を持ち、音楽を楽しむ手段として存在する事を感じてくれたら幸いと思います。
ちなみに幅野はスクラッチとか基本できません。


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投げ銭したい人は購入してくれたら嬉しいです。
(有料区分に内容は一切ないです。)
今後も記事は無料公開しかするつもりないです。
テキーラショットをください。


ありまとー(*‘ω‘ *)

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