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感想文 イギリス料理本レビュー

閲覧ありがとうございます。浮島夕景です。

今回は、日本国内で私が手に入れたイギリス料理のレシピ本に対して、概要紹介と独断のオススメポイントを述べていきます。
もちろんですが、ここに紹介している以外にもイギリス料理のレシピ本はあります。「こんなのもあるよ!!」などございましたら、ぜひご紹介ください。

イギリス料理のレシピ本……?


どこに売ってるの?そんな声が聞こえてきそうですね。ありますよ。ショッピングモールにあるような大きめの本屋さんであれば、料理のレシピ本コーナーで、だいたい「各国料理」ってインデックスが挟まっているところに行くと遭遇できます。在庫状況によるので、必ずあるとは言い切れませんが……。
もちろん、オンラインサービスで検索すれば一発でわんさか出てきます。私はもっぱら本屋さんに本を探しに行くのが好きなので、あまりネットサービスを利用していないのですが。

注意


・今回は、「イギリス料理メインのレシピ本」に特化した記事としています。したがって、イギリス菓子メインのレシピ本は取り上げません。今後、取り上げるつもりです。
・日本の出版社で出版されているもののみを取り上げます。できるかぎり出版元のホームページURLを載せていますが、ものによってはAmazonのURLを載せています。
・今回は「歴史書」ではなく、あくまで「レシピメインの料理本」を取り上げています。これは個人的に面白いところなんですが、イギリス料理を特集した歴史書って、けっこう多いんですよね。


エリオットゆかり『ホントはおいしいイギリス料理』2012年、主婦の友社。

ホントはおいしい
(URL:https://honto.jp/netstore/pd-book_25197981.html )
イギリス人の旦那様を持つ著者による、イギリス家庭料理のレシピ集。有名であろう「イングリッシュブレックファースト」や「アフタヌーンティー」をはじめ、パイ料理・煮込み料理・主菜・副菜・パン・デザートの作り方が紹介されています。
日本でも材料をそろえられるものでありながら、イギリスっぽさを体感できるレシピがそろっている、という印象です。伝統料理なんかも多く取り上げられているので、勉強になります。

砂古玉緒『イギリスの家庭料理』2015年、世界文化社。

イギリスの家庭料理
(URL:http://www.sekaibunka.com/book/exec/cs/15312.html )
著者は、イギリスで10年間イギリス菓子の研究を行い、現在はカルチャースクール講師やテレビドラマの製作指導などで活躍されている方です。端的にすごい。
本書は、レシピとしてはもちろん、コラムが充実しているのが特徴。イギリスで取り扱われている食材の写真なんかも紹介されているので、タイトル通り「イギリスの家庭」を想像しやすい一冊です。作り方のコツなんかも書かれているので、料理初心者にもやさしい。
余談ですが、砂古先生はこのほかにもイギリス料理やイギリス菓子のレシピ本を多数出版されているので、「砂古先生だわ~!!」と勝手に親近感を覚えています。


アニー・グレイ【著】/上川 典子【訳】/村上 リコ【監修】『公式 ダウントン・アビー クッキングレシピ』2020年、ホビージャパン。

ダウントン・アビー

(AmazonのURL:https://www.amazon.co.jp/dp/4798622257/ref=cm_sw_r_tw_dp_W8V9SAFYKG5T82SPN2KP?_encoding=UTF8&psc=1)
ドラマ『ダウントン・アビー』の食事シーンに登場する食事を再現できる!というすごい本。いや本当にすごい。なにがって、レシピの収録数が。20世紀の英国の上流貴族がいかに豪華な食事をしていたのかわかります。しかも、使用人たちがよく食していた料理についてもレシピが監修されています。手厚い。そして、本は分厚い。料理だけでなく、ドラマの名シーン写真や20世紀イギリスの文化事情についても記述されているので。単なるレシピ本としてだけでなく、歴史書としても読みごたえがある一冊です。写真が美しくおいしそうなものが多いので、パラパラとめくるだけでも楽しいです。ハードカバーでめちゃめちゃ重いですが。


アニー・グレイ、アンドリュー・ハン【著】/村上リコ【訳】『ミセス・クロムコウに学ぶヴィクトリア朝クッキング』2021年、ホビージャパン。

ミセス・クロムコウ

(AmazonのURL:https://www.amazon.co.jp/dp/4798625639/ref=cm_sw_r_tw_dp_JCRD6T3CT14NY20X0RQK)
こちらもヴィクトリア朝のレシピなんですが、1880年代に実在した料理人のレシピを再現したものになっています。先ほどの『ダウントン・アビー~』との決定的な違いは、「当時の作り方や材料をそのまま載せている」というところ。現代ナイズは最小限です。メニューの中には、「鳩のパイ」だとか「にせ海亀のスープ」とか「(羊の)脳のケーキ」とかが紹介されています。水平思考クイズとかSANチェックが始まりそうなメニューですね。特に羊の脳については、日本のどの店になんていえば手に入るのか、私には見当がついていません。
また、先ほどの『ダウントン・アビー~』はドラマのファンブックとしての要素も多いのですが、本書はだいぶ歴史書よりな気がします。これをもとに何かを作る、というよりは、19世紀ヴィクトリア朝の食文化を読んで楽しんだり、創作物の参考資料として利用したり、というほうが多そうな一冊です。


安田真理子『British Savoury Baking イギリスの古くて新しいセイボリーベイキング』2021年、内外出版社。

セイボリー

(URL:https://www.naigai-shop.com/SHOP/732108.html)
セイボリーとは、しょっぱいパンやパイの総称です。日本でいうと、総菜パンくらいの立ち位置でしょうか。おしゃれなピクニックなんかにぴったりな軽食メニューがたっぷり掲載されています。それぞれのメニューのエピソードはもちろんですが、こちらは作り方や写真がメインの一冊、という印象です。
特に、序盤で紹介されているスコーンなんかは、意外に思われる方が多そうな気がします。スコーンってどうしても「甘い食べ物」のイメージが強いと思うんですが、イギリスではチーズなんかを混ぜた「ごはん系」のものもあるようです。
こちらも、写真がたっぷり、それも、きつね色にこんがり焼けたパイがこれでもかと掲載されています。読む時間によってはお腹が減ってしかたなくなります。パイ料理なんかは、休日に気合いを入れて用意してみると、楽しいかもしれませんね。


手元にあるものはこんなところです。案外、イギリス料理のレシピ本って、探せば手に入るものなんですよね。お菓子の本になると、さらに種類も取り上げ方も豊富になっているので、また今度取り上げていきます。

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