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目がゆるい

 私のSNSのプロフィールになるべく書くようにしている「目がゆるい」。なかなか上手く説明できなくて難儀することが多い。視力が悪いわけではないので「目が悪い」とは書きたくない。一番ニュアンスが近いのは”音痴”だと思う。何の音が鳴っているか認識できないように、自分の目に見えているものが何なのか判別や認識や評価をするのが苦手である。
 日常生活で困ることは基本的になかった。絵とか写真を見せられてどっちが良いかとか聞かれると困ったが、それは「わからない」で済む範囲だし。ライターやSEの真似事をする中で「フォントが指定と違う」とか「半角のところが全角になっている」とか「パディングの幅が違う」とか修正されるようになって気づいた。
 そしてそこから遡って、自分は人の顔を覚えるのが苦手かもしれないと思った。アイドルはみんな同じ顔に見えるし、政治家もみんな同じ顔に見える。相貌失認にならずに済んでいるのは、人の声とか服装はよく覚えるからかもしれない。映画の『SAW4』は洋画というのもあって見慣れない外国人が似たような服装で入り乱れるので、どれが誰だかわからなくなって苦労した。でも声はわりと覚えるからアニメとか字幕映画を見ていてもたまに目を閉じてしまうときがある。目を開け続けるのはわりと大変。
 昔、同級生から「ブス専」と言われたことがある。極めて不名誉だし、私は断固としてそれを認めるわけにはいかない。でも人の顔の形とかどうでもいいとは思っている。視覚情報への興味がそもそも薄いのだ。頭蓋骨に肉が貼り付いている形より、その筋肉がどう動いて、どんな風に笑う人なのかを知るほうが、ずっとエキサイティングだ。

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