HIROBA FES2022×2023 第3弾 2月15日「KATARI×BA」イベント参加レポート

HIROBA FES2022×2023 第3弾 2月15日「KATARI×BA」イベント参加レポート

(ここでは水野良樹さんのことを水野、橋本愛さんのことを橋本と呼ばせて頂きます。ご了承ください。)

まずは、よっちゃん(水野)が会釈をしながら横を通り座席へ。
「僕、こっちの席の方がいいですか?今日はみなさんよろしくお願いします!」
配信スタートまでの間、「緊張しますね?」と言いながら会場で流れていた「幸せのまま、死んでくれ」に合わせて黒いファイルを鍵盤のように指で5秒ぐらい叩いていた。緊張しているのか、首を何度か振っていた。
スタッフから配信まであと1分となり、しゃきっと背筋を伸ばし、まるで清志まれの小説に登場する桜木雄平(主人公のニュースキャスター)のように「こんばんは、始まりました。HIROBAの水野良樹です。よろしくお願いします。」と配信がスタート。
配信が始まりすぐ「素晴らしいゲストの方にご登場頂きたいと思います!橋本愛さんです!」と言い、拍手とともにゲストの橋本愛さんが登壇。出るタイミングがわからなくて、自分の座席の横の柱から出番を伺っている姿が可愛らしかった。

アルバムHIROBAへの参加のお礼から始まり、水野の「CDTV(ライブ!ライブ!)はいかがでしたか?」「本当に緊張してました?」という問いに対して、「力を抜いて歌えて楽しかった!」と橋本さん。「火が出る演出で熱くて、気合が入っていた!曲の雰囲気を掴んでくれていて、セットで良い雰囲気で歌えた。」と水野。

水野「ファンの方からの反応は?」
橋本「ファンからのコメントは好意的で歌詞や曲想のコメントが多かった。」
水野「製作時は反応が想像つかないリアクションが返ってきたときに、やっと曲が届けることが出来たなと思った。」
会場に向けて、水野「皆さんご覧になってくれましたか?皆さん無言でうんうんと頷いてくれてる(笑)」

視聴者からのコメントを読む。
水野「余韻含めて、すべてが凄かったです。素晴らしい歌唱でした。アルバム買いました。」など。
水野は橋本さんとカメラの前で話すのは初で緊張しているが、スタジオではたくさん話したとのこと。
水野が「若干お見合いのようになっている(笑)」と言うと、会場が笑いに包まれる。

次に「HIROBA」とは何かの紹介。

水野「今回は歌うだけではなく、橋本さんに作詞をしてもらいました。」

今回は言の葉をテーマに、言葉をキーワードにして「ただ いま」について橋本さんとトーク。


水野「今日は観覧のお客様も来てくれてまして、ありがとう御座います!本当に静かに聞いていただいて笑笑」

今回は机の上に用意したワードの紙を引きながら、トーク。

まず最初のテーマは「ただ いま」。
なぜこのタイトルにしたかの説明。空欄が大事とのこと。
橋本「歌詞の中に出てこない言葉をタイトルにしたいというところから出発して、ぱっと『ただ 今』だと思った」と言っていた橋本さんの姿がとても印象に残りました。

橋本「今に立ち戻ることを、すごく大事に抱えて書いていた。ただ、いま、この瞬間を生きることで救われる。」
「ただいまと、ただ今を生きるという言葉がオーバーラップした。」「他に考えられなくなってしまった。」「どうですか?と水野さんのチームに聞いたところ、いいねと言ってもらえた。」

水野「鳥肌が立った」と褒める。このタイトルが出てくるのはすごいと水野含め関心していた。水野「話し合っていたテーマに近いテーマにたどり着いてすごいと思ったし、思い出深い瞬間だった。」

次に「待つ」をテーマにしてトークしようとしたところ、機材トラブルで配信が止まり、その間は水野が「待つを体験してもらってます(笑)」と会場を和ませていた。

配信停止の際、
「CDTV緊張しましたか?」と橋本さんと雑談されていました。

5秒前からカウントされ再開。
「待つを体感してもらいました。」
会場(笑)

そして、「待つ」についてトーク。
「元になったのは僕の小説から」と説明。

水野「今度、三月に刊行されるんですが、今日、最終構成の原稿を朝のバイク便で送りました。」

水野「人が誰かを待ったりとか、待つことによって起こる時間感覚の変化をテーマに書いた小説」

水野「哲学者の鷲田清一さんが書かれた「待つということ」のエッセーも橋本さんに読んでもらって…。ちょっと難しい本ですよね?」

橋本「難しかったんですけど、待つということについて考えたことがほとんどなかった。待つを言語化している感じだった。」

水野「俳優さんって待つ時間が多いですよね?」

橋本「そうですね笑笑」

水野「あれって、三〜四時間待ってて、いきなり、シーンに入れるものなんですか?」

橋本「やっと出来る、やっと来たって感覚。」

水野「僕らは待つことがあまりないので…」

歌詞の話題へ

水野「よう書いたね」

次のお題は「春」

橋本「春といえば開くという感覚があり、桜の木を見ながら、この桜は去年と同じ桜じゃないかと感じたことがあって、桜はここだけずっと繰り返しているのではないか?という感じになった。」
水野「まさにめぐるじゃないですか?」

橋本「桜を漠然と捉えていて…。毎年桜は咲きます。それはループだけど、その桜の花びらは1枚1枚違うものと思い込んでるだけで、実は去年と同じなんじゃないか?と考えたことがあって。」

「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない、人生って進んでいくだけということに恐怖を感じた。」

という話を聞いてこの作詞した事に納得がいきました。

水野「同じじゃないと思うけど、震災の時、桜を見たときに咲いちゃったんだ?と強固な循環を感じた。それは寂しくもあったけど、力強かった。何があっても咲いてしまう、ボジティブに捉えたらもう一度咲ける、ネガティブに捉えたら悲しい出来事が時間の中においていかれる、すごく色々なことを考えた。」

という話が印象に残りました。

次のテーマ「嘘」と「真実」

橋本「一度妄想した事はもう経験になっている。」
水野「話が濃くなりますが、一度想像したことを対象化できるのが人間の凄いところ。悲しいことがあったりしたら、ここで(頭に手を向けて)対象化するのと、今、僕らが話していることに差は対してない。」

橋本「役やお芝居で経験していることは同じ。だから、芝居を楽しめる。」

橋本「役者さんって何も特別な職業でもない、誰でも出来ることをやっている。」

水野「みんな今首振ってますよ。」
会場全員が横に首を振る。

水野「橋本さん、本当に木綿のハンカチーフに僕も感動しました。こういう歌詞好きだなっていうのあります?急に関ジャムみたいに…(と言うと、笑いながら膝を叩く橋本さんが可愛かった)」

橋本「ただ いまの曲を作る時に、物凄く自分の中でリンクする曲があって、大森靖子さんの『青い部屋』という曲なんですけど、『僕の手を取る母親が僕を選ばなかったから僕が僕達を守る、僕だけの明るい部屋』という歌詞を10代の頃聞いて、物凄くぎゅっとなった。曲を通してどっとその気持ちが自分の中に植え付けられた。一度ベースにした。」

水野「読む、聞くとかではなく、(橋本さんは)追体験している。」

橋本「人より入り込んでしまう。友達とホラー映画を見てるとガーガーって言うと友達に羨ましがられる。その時に入り込むタイプだと思った。」

次にMVについてのトーク。

ここで機材トラブルにより2回目の配信停止。

配信停止時のトーク。

橋本「(タブレットのコメントを見ながら)これってこれから私もコメント出来るんですか?」
スタッフ「出来ますよ。」
橋本「でもこれって誰かの名前になっちゃいますよね?」
スタッフ「ログインしてるスタッフのIDになりますよ。」

橋本「ふふふ、コメントしちゃった❤️」(ID読み上げる)
「サカナジュウドウギ?」「魚柔道着ってなに?」
会場爆笑
水野「魚柔道着笑笑」
スタッフB「それ僕ですね?魚と柔道が好きで魚と柔道なんですけど?登録する時、誤字しちゃって。」
橋本爆笑してツボにハマる

会場が笑いに包まれて、ふたたび5秒カウントから配信再開。

橋本「スピード感のある時代の中で時間がゆったりと流れている。」

水野「橋本さんだけじゃなくて、僕もちょっと映ってるんですけど、雄弁に語っているようで、色々な物語を重ねられる、素晴らしいMVになった。」

水野「ここでそのMVをご覧ください。」

MV再生時
橋本「水野さん写ってますよね?」
水野「さっき、うちの吉岡に『あれ後ろリーダーだよね?』って言われました(笑)」

橋本「(僕は僕を一度だけ)ここでもいいかなと思いつつ、(春がくるよ おかえり)ここから、シーンが切り替わるのがいいですよね?」

二人は途中から無言でMVに見入っていた。

再び、ワード「表情」のトーク。

水野「表情って作るんですか?(笑)急に田舎のヤンキーみたい(笑)ご自身の表情で意識されることはありますか?」

橋本「表情を作ることはしない。音に任せる感じにやっている。」

水野「おべっか使ってると思われるかもしれないけど、マジでモニターに映る橋本さん、本番じゃないのに、絵になってない瞬間がなくてため息をついてしまった。これでいいじゃん?」
「前に矢沢永吉さんがフェスに出てた時に、ライブのどのシーンもポスターのような感じで…(マイクを持つ真似をする水野)」

次のテーマは「声」

水野「ご自身の歌声はどんな声だと思いますか?」

橋本「(考え込む)」

水野「曲入れとか見てたけど、めっちゃ上手いんだからね?(真顔)技術の積み重ねがあの歌声に繋がってるんだからね?怒るよ?(笑)誰だよ(笑)自分の声、わかってますよね?」

橋本「ボイストレーナーの先生に助けてもらっていて、自分自身の声は好きではなかったし、苦手な所もある。木綿のハンカチーフを歌った時に儚さと強さを感じてくれた。それによって意識した自分の声は、好きな音色ではない。ふんわり包むような音色が好き。『ただ いま』でも合ってるなと思った」

水野「橋本さんの凄いところは矛盾が成立しているところ。儚いけど強い、歌い出すと自然に歌っている。」

次のテーマ「歌う」「演ずる」

水野「歌うと演ずるに違いはありますか?」

橋本「全然違いますね、歌うほうが楽です。役を生きるより、歌詞の中の登場人物のほうが勝手になれる。音楽の力だと思います。」

橋本「演技は膨大な準備をしないとできない。歌は考えなくても、心情が引き出してくれる。」

今度は「歌詞」「台詞」

水野「違いはありますか?」

橋本「歌詞と台詞は全く違うものですね。今回は曲の中のメロディの立ち位置が限定されていた。取捨選択して歌詞を収めていきました。」

水野「すごいな、すごいな、褒めてばっかりで、俺は褒めたいんだよ!すげーんだから(笑)」

コメントを読む。
水野「『居るだけで物語』キャッチコピーみたい。2分でご飯じゃないんだから(笑)」

水野「今回はいくらのマイクだったんですか?」
橋本「どういう意味ですか?」
水野「大塚さんの時に使ったマイクが車が買える値段で」
橋本「ひえぇ(顔を押さえながら)今回はいくらですか?」
水野「車は買えないけど、中古の軽自動車なら買える」
橋本「お手頃、うそうそ、違う違う(笑)」

続いて、メッセージが届いてます。

水野「林監督、鈴木さんからのメッセージが届いてます!」

水野「林監督と話していて、スピード感を求められる時代だから逆らっていこうと話をした。」

水野「歌詞について、鈴木さんから
『センスを感じた。もっと橋本さんの音楽を聞いてみたい、きっと水野さんが手伝ってくれると思います』と。」

橋本「やったー♡ありがとう御座います!」

褒められるたび、嬉しそうに「ありがとう御座います」という橋本さんが可愛らしく印象的でした。

水野「コメント読みたいと思います。好きなお味噌汁の具は何ですか?」
橋本「豚汁!!」
会場笑い。

水野「インドネシアから見てくれてる方がいます」
橋本「本当かな?(笑)」

水野「また鈴木さんから水野さんにコメントがある?」

スタッフが水野に手渡す。

水野「ダメ出しですか(笑)コメント全部に突っ込む(笑)今回の作品は最後の最後までチームで粘って作成しました。」

水野「続いて、時間オーバーしてますが、視聴者の皆さん言の葉で遊べたらと思いこんな企画を用意しました。言の葉オノマトペ遊び〜。今回の曲をもっとリアルに想像するために、一緒に考えてみよう。」

水野「待つという表現に対して、オノマトペ」

書き出す水野「字が下手なのがバレる(笑)みなさんもぜひ送ってください。」

橋本「めちゃくちゃ難しい。」

水野「僕から行きます。しんしんと待つ。」

橋本「素敵。しんしん大好き、私。」

橋本「私は『さわさわ』待つ。そわそわでもなく、さわさわするのが背中に衣擦れるこの感じ。」

水野「チクタクチクタク、それ時計だろ(笑)」

水野「言葉って面白いですね。」

水野「橋本さんこれからも歌詞書いてくださいね?次の曲はいつリリースされるんですか?(笑)」

橋本「そういう準備はないけど、また出来たらいいなと楽しみにしています。」

水野「また何かあれば、一緒にやらせてください。」

橋本「こちらこそ、是非よろしくお願いします。」

水野「今回の楽曲はアルバムHIROBAに入っております。」
「HIROBA FES が3月18日にあります。是非ですね、是非会場に足を運んでください。」

「ただ いまの元になった小説が今朝書き終わりました。明日か明後日までに印刷所に入れないと間に合わないところでした。約一年ほどかけて書いた作品になります。小説を読んでもらって『ただ いま』を聞くと、そういうことかってなると思います!」

水野「約一時間の配信ありがとう御座いました!ゲストは橋本愛さんでした!以上で配信終わりです!ばいばい!アルバム買ってね。ライブ来てね。」

橋本「ライブ来てね!アルバム聞いてね!」

配信終了後はメディアの撮影で、観客は途中退出となり終了。

久しぶりのトークイベントで、よっちゃんのトーク力が物凄く上がっているのを感じた!今までは「難しいな」と答えに悩んだりしていたが、頭の中の引き出しから適切な言葉を引き出せているように感じられた。
難しい内容の話もわかりやすい言葉を選んで伝えてくれているように感じられた。

橋本さんは木綿のハンカチーフのイメージしかなく、どんな方かあまり知らない状態でトークイベントに望みましたが、終始、笑顔で、とても眩しい存在で、これが橋本愛か!とよっちゃんのように感じました!
話を聞くうちに、この歌詞が書けた理由にとても納得がいきました。同世代とは思えないほど、きっちりと考えを持っている方だなと強く感じました。終始、可愛いらしい笑い声で場を和ませてくれたように感じられました。
また音楽活動をしてくれるなら、聞いてみたいと強く思いました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?