韓非の中の子貢
先日買った『ビキナーズ・クラシックス 韓非子』の終わり辺に、子貢が出てくる話があった。
上古の時代には、道徳にかなっているかどうかを競い、中世(韓非の時代から見た中世)の時代には、智慮策謀を競い合った。だが今は、どちらの気力(精神的な力と軍事力)が勝っているかを争っている時代なのだ。
かつて斉が魯を攻撃しようとしていたので、魯は攻撃を止めさせるため、孔子の弟子であり雄弁で名の知れた子貢に、斉を説得させることにした。子貢が斉に赴いて攻撃の非を説くと、斉人はこのように答えて言った。「あなたの言うことは確かに筋が通っている。しかし、我々が欲しいのは魯の領有している土地であって、あなたの筋の通った議論の内容ではないのだ」と。
そして斉はそのまま出兵して、魯を討伐し領土を侵略して、魯の都城の門を去ること十里の地点をもって国境とした。
このことから言えば、そもそも仁義という道徳や能弁で智慮あることなどは、現在(韓非子の時代)においては、国家を維持する方法ではない…。
本当はもっと長い原文なのだが、割愛する。
事実は、子貢の説得が実を結び、斉の攻撃はなかった…と思うのだが?
ところで確かに韓非子の生きていた時代は、戦国時代末期で国と国が争って、道徳だけを言っていられる時代ではなかっただろうが、だからといって、法治主義一点張りでは、ギスギスした世の中になりそうでイヤだなぁ…。
ちなみに、熊吉が韓非子を描く時のモデルにしたのは、『おじゃる丸』に出てくるオバケ退散屋である(笑)。
あくまでも、モデルなので、あしからずご了承下さい😅。
🐻
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