見出し画像

ご老公が言った論語の一節

3/2に(再)放送された「水戸黄門」第40部の、富山でのご落胤騒ぎで、終盤にご老公が、偽の御落胤を担いだ家老を指して一言、「巧言令色鮮(すくな)し仁じゃな」。
『論語』学而篇にある。有名な一節なので、聞かれた方も多いと存ずる。

 たくみなことばやたっぶりした表情の人間には、仁(ほんとうの人の心)はすくないのだ、という意味です。
 ふつうなら「仁鮮矣」(仁はすくない)とするところをひっくり返すのは、ほんとうにすくない、と強調したのです。(中略)
「鮮」はすくないことで、「無」ではありません。孔子は断定するような言い方は好みませんでした。
 注釈家のなかには、「鮮」を絶無に近い表現とするようもいます。孔子門弟のなかに弁舌に巧みな子貢がいますが、孔子はいつもその弁舌を戒めていました。絶無と言おうとして、子貢のことを思い出し、「鮮」と言いかえたのかもしれません。
『論語抄』(陳舜臣)より。

巧言令色でも、有能で、悪い事をしていなければ良いのだが、そういう手合いは、大体悪役なのである(笑)。不思議……。

ちなみに、見出し画像のご老公のバックを梅模様にしたのは、ご老公の号が「梅里」だからである(笑😁)。

                  🐻

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?