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AI投資のススメ第4回 AI投資・サービスの実例

0.前書き

今回はAIヘッジファンドの手法や証券会社が提供するAIサービスについて紹介します。


1.AIヘッジファンドの実例

1.1.ツーシグマ・インベストメンツ

・ツーシグマはその成長速度の早さで注目を集めているヘッジファンドであり、運用資産は2017年夏の時点で450億ドルにものぼる。共同創業者のシーゲル氏とオーバーデック氏は2016年のヘッジファンド高額報酬ランキングでそれぞれ3位と4位にランクインした。

・ツーシグマの投資戦略は様々であるが、その特徴は扱うデータがとにかく膨大であることと、機械学習を含めて多岐に渡る分析手法を組み合わせることが挙げられる。そのデータソースは1万種類を越えると言われている。

・その中でも特筆すべきものが、「アルファキャプチャ」と呼ばれる、特定の企業や産業に関する情報である。情報元となる媒体は多岐に渡り、それらをデータとして活用するために機械学習が使われる。


1.2.セレベラム・キャピタル

・セレベラム・キャピタルは米サンフランシスコに拠点を置くAIヘッジファンドであり、アンドレ氏とテラー氏によって2009年に創設された。テラー氏はGoogle XのCEOも兼任している。セレベラムのバックにGoogleがどれだけ入り込んでいるかは不明。

・セレベラムの手法の特徴は多数の戦略(システム)を生成することであり、各々のシステムの生成は機械学習を用いて完全に自動化されている。システムの生成には進化的手法が用いられている。

・つまりこれは「高度な全数検索」であり、データ・スヌーピング・バイアスの罠が付きまとう。これに対して「Sieve(ふるい)」と呼ばれる学習関数によってシステムの選別を行っている。

セレベラムのアプローチは「世界の変化を注視しながら次々と新しい戦略を考案し試行錯誤を繰り返す」というプロセスを人間とシステムで分担する新しい手法だと考えられる。


1.3.Numerai

・Numeraiとはクラウドソーシングで予測モデルを集め、個々のモデルからアンサンブル学習を行うヘッジファンドであり、2016年に運用が開始された。毎週、予測モデルの上位者が暗号通貨で報酬を受け取るようになっている。

・通常、アンサンブル学習の各モデルは決定木などの分析テンプレートに当てはめて作成しているのが実状である。Numeraiはこの各モデルの構築をクラウドソーシングの力で人間に実行させるという、AIの一部をマンパワーで置き換えた、逆発想の画期的な試みだと考えている。

・参加者は予測結果のみを提出すればよく、予測モデルを提出する必要がないため知的財産は全て保護される。それらが保護されているがゆえにNumeraiも大量のデータを集めることが可能となっている。

・Numeraiはルネッサンス・テクノロジーをはじめ様々な企業から出資を受けており、今後の動向に注目される。


1.4.リベリオン・リサーチ

・リベリオン・リサーチは世界初のAIヘッジファンドと言われており、2005年に創業された。2007年の1月に資産運用の人工知能「スター」が稼働開始し、2010年までにS&P500を10%以上アウトパフォームするという快進撃を見せた。

・「スター」の特徴として予測期間が長いことが挙げられる。機械学習にはベイズ学習が用いられ、投資対象の全ての銘柄に対して予測リターンの確率分布を算出する。過学習やスヌーピングバイアスへの配慮もなされている。

・スターはそのマーケットインサイトをもとにリセッション~景気回復のサイクルでS&P500を大きくアウトパフォームした。このマーケットインサイトには金利系マクロ指標が判断材料として使われている可能性がある。今後の景気転換時の挙動に注目される。


2.AIを使った投資関連サービスの実例

2.1.AIによる取引執行支援

・2017年6月25日にNHK総合にて「人工知能 天使か悪魔か 2017」が放送された。人工知能の金融(特に投資)分野への応用には、(1)投資判断支援、(2)取引執行支援、(3)投資指標抽出、(4)投資銘柄選定があり、(2)の分野である野村證券の事例が紹介された。

・野村證券は機関投資家の取引執行に人工知能サービスを導入。東証500銘柄のTickデータから値動きの法則性を見つけて5分後の株価を予測し、大口の執行をプログラムで処理する。

・AIによる取引執行支援は執行タイミング調整によるコスト削減が目的であり、いわば過去の訓練データを使ったVWAP等の最適化である。データの扱いは大容量化・高速化が必要で、インフラの規模は大きくなる。

・これらのAIによる取引は、一日の取引量や中長期的な価格形成に影響を与えるものではないが、一日の中では価格形成の効率化や逆に歪みを促す要因となりうる。


2.2.一般投資家向けサービス

・一般投資家向けのAI投資サービスに本腰を入れているのはカブドットコム証券であると考えている。カブドットコム証券は、多角的なAIサービスを様々なベンチャーと協業して提供している。

・提供しているAIサービスは大きく4つある。(1)Alpaca Search for kabu.com、(2)xenoFlash for kabu.com、(3)ソーシャルモメンタム
、(4)リアルタイム消費財トレンド

・これらのサービスが利益にどれだけ結び付くか未知数であるが、個人投資家はこのような時世の流れを受けて自身の投資手法を変革していく必要がある。


3.おわりに

既存の記事のパッケージングは今回で最後となります。
今後も本マガジンでは、AI投資に関する検証結果や知見、またAI投資の時事に対する所見などを不定期にお届けします。

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【UKI】株式・暗号通過システムトレーダー/元祖ドテン君作者/2018年3月~4月で純益8000万、月利400%達成