「たまこラブストーリー」に学ぶ演出技法 【動かなかったものが動き始める】
京都アニメーション作・TVアニメ「たまこまーけっと」の続編にあたる劇場アニメ作品「たまこラブストーリー」の演出技法を解析していきたいと思います。
TVシリーズであった「たまこまーけっと」ではデラ・モチマッヅィという鳥がストーリーを回す役割をしているように見えて、実際にはキャラクター同士の距離感は変わらないまま物語が終わってしまいます。
その続編である「たまこラブストーリー」では、その変わらなかったもの、動かなかったものが動きはじめ、キャラクター同士の距離感に変化が起こっていきます。
北白川たまこと大路もち蔵の恋、仲良し4人組の卒業後の進路、中学生になる妹あんこ。この映画ではTVシリーズになかった「いつまでも同じではない」ことを突きつけていくエピソードが多いです。
その最たるものがたまこのおじいちゃん、北白川福が倒れたエピソードです。
TVと似たアングルで、いつもどおりの家族の団らんを前半で見せています。
変化しないことを見せる = 変わらないこと、平和
引用元:たまこまーけっと
引用元:たまこラブストーリー
いつもの家族の風景を撮っておき、倒れたあと同じアングルを使うことで変化が起きていることを表現しています。
変化後、事件後を同じアングルで見せる = 変わること、現実
引用元:たまこラブストーリー
TVシリーズでは「いつまでも平和で変わらない」と思われていたこの世界も「普通に変化し事件だって起こる」世界であることを表しています。
まとめ
このように変化のないもの「いつも通り」を見せておいた上で、同じアングルで変化したものを見せることで、人間関係が変化したことや事件がおきたことなどを強調することができるのです。
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