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謎解き日本一決定戦X2023決勝戦にて頭で考えていたことまとめ(後編)

この記事は後編です。
先に前編を見ることを強くオススメします。


また、今回の記事では謎解き日本一決定戦Χ2023決勝戦のネタバレを多分に含みます。まだ見ていない方はTVerで見逃し配信をやっているのでこちらからご覧になってからこの記事をお楽しみください。





それでは後編始まります。

2ndラウンド 呪術廻戦謎解き

後半ステージ
後半は念願の脱出謎解き!去年の番組を見てからずっとやりたいと思っていたのですごく楽しみにしていたと勝ち残った全員が言っていました。

4人しか遊べない特別な脱出ゲームを今か今かと楽しみにしていると、スタッフさんから別室で待機との指示がありました。2人ずつ別室へ案内され、その部屋で去年TVで見たあのアイマスクとイヤホンを装着。(もうこの時点で楽しくなってる)

そしてそのまま手を引かれどこかに連れ去られました。1分ほど歩き、ようやく立ち止まった場所でメモと筆記用具を渡され、ここで五条先生からの指示を待つようにとのこと。

しばらくするとイヤホンから五条先生の声が聞こえて来ました。ルール説明も終わり、指示に従いアイマスクとイヤホンを外すとそこはまるでお化け屋敷の様な奇妙な部屋でした。ちょっと怖かった

☆第1問

このステージのルールは次の通り。
・クリア条件は3つの部屋にいる全ての呪霊を指定されたお札を貼って倒すこと。
・謎を解けば呪霊の倒し方が分かる
・部屋にいる呪霊を倒すと次の部屋に進むことができる。
・間違ったお札を貼ると30秒間お札が使えない。
・倒すべき呪霊は1部屋目の絵に描かれている。

ルールを一通り把握してさぁ解こう!と1つ目の問題を見て一言、
『、、、、難っ!!』

一見よくある法則問題に見えますがまず例示をどうやって盤面に当てはめればいいから考える必要があります。
『文字数と模様の数は一致しているな』
『血の跡の数が文字を入れる順番だな』
これらに気づき文字を入れるもそこからもかなり苦戦。
『タテ5マスから五十音表や「きん」の文字があるから惑星かな、、入らない』

3分ほど経過してから、ようやく
『金曜日!確かに横7マスだから後は曜日で文字を埋めると答えは「渦」のお札だ』
こうして人形にお札を貼り次の部屋へ進みました。

※この問題は僕が 今まで見たリドラの1枚謎の中でもトップ5に入るほど難しく思えました。こんな問題を部屋に閉じ込めた直後に出すなんて、やはりリドラはここまで来た4人を信じてくれているんですね。

※曜日なら横7マスで推測出来ると思ったかもしれませんが、問題が大きすぎて障子にしか見えなかった事、そして今回は1人で閉じ込められているので、自分が気づかないと前に進めないと言うプレッシャーもありかなり視界が狭まってしまいました。

ここまで3分

☆第2問

こんなペースで大丈夫かなと心配になりつつ扉を開けそこに現れた2問目は1枚の絵から同じ言葉を文章に入れる問題。

『これはカタカナかな』
『右下に濁点ぽいのあるな』
『ならうまくひっくり返せばカゲになる!』
とこの問題は割と早々に解決。
『これ、1問目と2問目の難易度逆じゃね?』
と思いながらお札を探すも、
『あれ、「影」がない、、、、』

リドラがそんなに甘いはずもなくここからが2問目の本番でした。
『1部屋目に戻ってお札を探したり、物の影を呪霊にかざすなど色々試してみたけど違う』

2分程考え、やはりお札は必須みたいだからもう一度お札一覧を見ていると、
『見比べると「暗」の日へんと「渦」のさんずいがやけに似ているな』
『そういえば探している「影」の右側にもさんずいみたいな3つの線部分がある、もしかして、、』

「暗」のお札をひっくり返すと何とびっくり、「影」のお札に早変わり!
『そういうことか!いい問題だぁ!』
と感動しつつ急いでお札を骸骨の呪霊に貼って最後の部屋に向かいました。

ここまで6分

☆第3問

最後の部屋にあったのは今にも崩れそうな石の看板に問題が書かれており、赤い呪霊の文字をパンチして別の文章を見つけ出す問題。これも問題自体はそこまで難しくは無かったです。

※TV的にはこの看板を思いっきり壊して欲しかったんだろうと思います。しかし、
『壊していいのかな、復元しないといけなかったらどうしよう』
と思った僕は少し触って落ちてきた破片を直そうとしたり、ビビりながら看板を破壊しようとするも壊れず、もう一回パンチしようとちょっと触った瞬間看板が崩れるという全く見栄えしないことばかりしてました。

何はともあれ壊れた看板の端に「呪霊の体にある文字」という文章が現れ、甲冑には「月」のお札が必要だと分かりました。
最後の呪霊を倒すため甲冑にお札を貼ろうとするもまだ最後に大きな壁、いや格子が立ちはだかりました。

ここまで7分

☆ラス謎

最後は格子を突破してお札を甲冑に貼る方法を考える問題。実は格子を見た時から
『最初の部屋にあった呪霊一覧に格子模様があったな』と考えていました。部屋のルールから格子も甲冑と同じ倒し方が必要そうだったので、格子から漢字を探すも見つからない。

そもそも前提が違う可能性もあったので、一度「間違ったお札を呪霊に貼ると30秒ペナルティ」というルールを生かし格子にお札を貼り、本当にこれが呪霊なのか確かめることに。適当なお札を格子に貼ってみると見事(?)ペナルティをくらい、格子=呪霊に確信を持つことができました。

後はこの呪霊を倒すのみ。しかし上から、下から、部屋の端ギリギリからどこから見ても小さい漢字が見つからない。
『もうクリアしている人もいるのではないか』
そんな思いも浮かび少し焦りが生まれます。
そんな時、ふとある考えに至りました。

『落ち着こう』

脱出ゲームにおいて謎を解く時に一番大事なのは落ち着くこと。一度大きく深呼吸をして少し目を瞑ると別の考えが浮かびあがってきました。

『格子から漢字を探すのではなく違和感を探そう』

すると格子をよく見てみるといくつか切れ目のない場所がありました。しかもそれはかなり連続して広がっていたので、『これこそが手掛かりじゃないか』と右下を辿って見るといわゆる漢字のはねの部分が見えました。さらに上をなぞるとそこには「兄」という文字が。

『「呪術廻戦」の「呪」だ!』
そう気づいた瞬間には一目散に「呪」のお札を取りにダッシュ!そして格子を倒すことに成功し、甲冑にお札を貼ってステージクリア。

こうして無事脱出するもまだ終わりではありません。このラウンドは脱出して即結果発表ではなく、全員終了後一旦解答席に集まり、そこで4人のプレイ映像を同時再生する事で結果が初めて分かる形式でした。さらにその時まで自分の結果や内容などは控室で共有禁止。つまりクリア段階では自分が何位かわからない状態です。

解答席に戻り結果発表がスタート。放送ではあっさりでしたが、実はノーカットで見るとすごくドラマチックな展開が待っていました。

最初にすいとんさんがいきなり1分強で2部屋突破。ここでもう負けたかなと思うも他3人は誰も進む気配なく一安心。
そして3〜4分遅れで僕とちーたーさんが少しずつせまり3つ目の部屋で3人が並ぶ。さらに1部屋目で遅れていた荒本さんも2部屋目を30秒以内に突破というファインプレーで、8分段階で4人全員が並び、誰が1抜けしてもおかしくない状態という超接戦に!

誰が閃くか全員が見守る中、最初に動いたのは、、

右下の紫の服を着た人でした。

『ヨシっ!』

思わずガッツポーズ。(応援席も大盛り上がりだったそうです)その後すいとんさん、ちーたーさんが続いてこのラウンドは終了。この3人が準決勝に勝ち上がりました。

憧れの脱出ステージを1位でクリアしたのは本当に嬉しかったです。同時に呪術高専の非常勤講師の仮採用も決まりましたね。採用の連絡、いつでもお待ちしています!

※裏話その1
結果の確認中、僕が3つ目の部屋に到達し看板を見ている辺りでFUJIWARA藤本さんが「この人達、みんな体細いけど強いパンチ打てるんか?」とコメント。その後僕がビビってパンチをした結果、看板が全く壊れない、という完璧なフリと結果に会場が笑いに包まれるというやり取りがあったのですが、全カットされました。悲しい

※裏話その2
脱出謎解きは2人ずつ2回に分けて行われたのですが、後半の僕と荒本さんはかなり待たされていました。(この原因を詳しく知りたい方はちーたーさんの体験レポートをご覧ください)
その待たされた部屋の内装としてロッカーやモニター、謎の張り紙、動かせそうなバルブやスイッチなどがあり、まさかここでいきなり脱出ゲームが始まるかもしれないなぁと2人で談笑してました。

準決勝 ドラマ謎解き

今回のドラマの舞台はなんと僕達のいた最終予選の会場でした。あの白熱の戦い最中に同じ場所で殺人事件が起きていたなんて思いもしなかったですねー。

☆第1問

1問目は被害者の日記のパスワードをあてる問題。まずは解答中の僕の思考をまとめます。

(ドラマシーン中)
『名前使いそうやからとりあえず出てくる人の名前や職業はメモしておこう』
『パスワードの話が出てきたからこれを解く問題かな』
『毎日パスワードを変えていたということは日付を使いそうだから0〜9を表せる10個のものを探そう。』
『4/25がじかんだから4つ目が「じ」になるもの、、、名前かな?』
(解答開始)
『「碇甚一郎」は読み仮名で9文字だし、なにか違うのかな?』(この時、メモにあった名前は漢字表記のみ)
(しばらくして)
『他に思いつかないから読み仮名をメモに書いて見るか』
『0無ければ被害者の名前で成立するから2/18は「かいろ」だな、送信!』
(ここで42.2秒)

後で見返してみると実はこの思考、ある勘違いをしていました。それは「毎日パスワードを変えていた」ではなく、正しいセリフは「毎日のようにパスワードを変えていた」でした。つまり、全て日付を表す必要はなく問題文の中に出てきた日付だけで考えて良かったということです。いやぁ、思い込みって怖い。

※収録時は10月や10日はどうやって表すんだろうとちょっとモヤモヤしてました

しかし、現実は非情。2人ともこの問題を爆速で答えていたので(ちーたーさん13.8秒、すいとんさんなんと1.6秒!)、結果28秒というとてつもなく大きなビハインドを背負うことになりました。

☆第2問

ドラマシーンが始まる前、あと2問で28秒を取り返すためには1つは爆速、1つは少なくとも1つ前のヒントで答える位は必要だと考え、メモにこう書きました。
「28秒取り返す!」

2問目は被害者の部屋の様子が映った映像の矛盾点を指定された形式で答える問題。指定された形式とは矛盾する場所1つと犯人が細工した物2つを完全解答すること。
これも順に思考をまとめます。

(ドラマシーン中)
『ドラマ中の映像に違和感はなかったな』
(解答開始)
『見取り図がでてきた!これは映像との矛盾を示すのに絶対使う!』
(映像1週目)
『確かに右の部屋に入ったのに窓がある!ということはこの部屋は実は左の部屋か?』
『左に行ったとしたら張り紙の文字正しいの変やな。これが細工したものかな?』
(20秒経過)
『でももし張り紙の文字が鏡文字なら撮影者が違和感を何も感じてないの変だからこの考えは違うのかもしれない、もう一度考え直そう。』
(映像2週目)
『でも窓のある部屋に行くには左に行くしか無いし、それで撮影者の反応に矛盾しない方法はそもそも見取り図が間違っているのか?』
『時間も無いし、窓、見取り図、張り紙で送信!』
(60秒経過)

自信はあまり無いながらも解答を全て埋めたのは僕のみで、しかも60秒経過しているので正解でも0ポイント。
見取り図は犯人が用意した物ではなく、建物と比較すれば間違いないことが判明するので犯人は細工できないということで結果は全員不正解。ほか2人が無解答という大きなチャンスだったにも関わらず、点差を縮めることが出来ませんでした。

解説ではサラッと言っていましたが、まず見取り図と映像の矛盾点に気づき、左の部屋かもしれないという仮定と映像内の張り紙の矛盾に気づき、さらに出廷した撮影者の福田さんが犯人である可能性に思い当たりそれならば映像そのものを犯人が細工できるという事まで気づけば正解できるという、脱出ゲームで言えば中盤、終盤の大謎にあたるくらいの超難問でした。60秒でそこまで考えられるわけないだろ!

☆第3問

ついに後がなくなった僕は何が来ようととにかく最速でLOCKボタンを押すと心に決めました。

3問目は現場から無くなった長方形の物を当てる問題。会場から容疑者以外が持ち去った四角い物と聞いた僕に思い当たる物は1つしかありません。僕の胸元で輝いている決勝進出を示すバッジです。確かにここに血が付いていたら面白いし盛り上がりそうだなと思う中、ある一つの不安がよぎります。

『この問題簡単じゃね?』

ここにいるのは7万人から勝ち上がってきた猛者中の猛者達。その人達がこれに気づかないことなんてあるのだろうか、いや無い。無いけれどそれに賭けるしかない!
解答開始前から「バッヂ」と記入し、始まった瞬間にLOCK!(1.1秒)
これが2つ目の超早押し真相です。

あと僕にできる事はもう祈る事だけ、
『頼む!!!』

...
...

2回鳴り響くLOCKボタンの音、
そこにあったのは数秒余裕を持って押されたポイントの表示と全く同じ3つの解答。

正誤判定を待たずとも僕の準決勝敗退が決定した瞬間でした。

この後、どこからもとなく鑑識が現れバッジを回収され、ブラックライトで照らすと確かに血の跡があり、無事真犯人が拘束されてドラマはハッピーエンド。そしてドラマと共に僕の出番は閉幕を迎えました。

直後、今田さんから敗退時のコメントを求められたのですが悔しすぎて言葉がほとんど出てなかったと思います。そんなシーン使われるわけもなく全カットされました。

準決勝収録後

こうしてセットでの収録が終わり、控室に帰って行く途中もカメラやスタッフの方がついてきてくれたのですが、その内の1人がそっと言っていた「本当に悔しそうですね」その言葉が印象に残ってます。

1月に始まった1次予選から準決勝まで全ての問題を解いてきて全部面白かった、でもそれよりももっと面白い謎をリドラは決勝戦に間違いなく用意してくれると確信していた。
そんな奇跡のような体験できるチャンスを後一歩、ほんのわずかな後一歩で失ってしまった事が僕には耐えられなかった。

そして、TVに放送されたあのシーンです。応援団の2人に暖かく迎えられて最初に出た紛れもない本心

「悔しい、決勝の問題やりたかった」

これで僕の決勝戦体験レポートはおしまいです。

悔しいとは言いつつも最初に決めていた心構えである


「謎が解ける8人のためにリドラが用意した特別な謎解き公演を遊びに行く」

これを貫き通したお陰でめちゃくちゃ面白い体験になったんだと思います。これからもこのスタンスを忘れないようにしたいですね。

そして7万人中3位まで行くことが出来たことは、今までこのような謎解きの大会で結果を残せなかった自分にとって純粋に誇らしくとても嬉しいです!

改めてこのような場を提供していただいたリドラを始めとする主催者の皆さま、共に戦った7人のファイナリストの皆さま、近くでずっと応援してくれた仲間達、TwitterやTVで応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました!

最後に後日談、あまりに悔しかった僕は収録帰りにSCRAP浅草店の成功率6%の高難易度脱出ゲーム「escape from the red room」を即購入し、翌日ご一緒したチームの皆さまとボコボコにしてノーコンテニュークリアして京都へ帰宅しましたとさ。

以上

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