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【3月号】東ティモールの熱狂

インタビュアー:小岩昌陽
お相手:薮内颯人
編集:田畑快

—まず、現在何をされているのか教えてください
薮内:今は札幌を中心にコーヒーカルチャーを広める活動をしています。
具体的には、場所を借りてカフェを運営したり、コーヒー豆の販売をしてい
ますね。


—「コーヒーカルチャー」とは?
単にコーヒーだけに焦点を当てるのではなく、コーヒーとその周りの空間を含めて楽しむことをそう呼んでいます。まさしくカフェなんかがそうで、カフェってコーヒーの他にも店内の音楽とか、インテリアとかがそれぞれ出す空気感を楽しむものだと思うんです。そういった生活と一体化したコーヒーの楽しみ方を提案しています。


—なるほど、そんなコーヒーとの出会いはいつのことでしたか?
小学校5,6年のときですかね。当時父が家でコーヒーを飲んでいるのをよく見ていて、「大人っぽくてカッコいいなー」と思ってたんです。そしたら父がカフェに連れていってくれて、そこがもう今まで触れたことのない世界だったので、一気に魅力されちゃいました。


—どんな雰囲気のお店だったんですか?
今はもう失くなっちゃったんですけど、薄暗い店内に光がさしてる感じとか、コーヒー豆の香りとか、とにかく新鮮なことだらけでしたね。アイスカフェオレを注文したんですけど、銅のコップで出てきて「銅でできてる!すげぇ!なんだこれ!」
って思いました(笑)。

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—それですっかり虜になってしまったと。
はい。


—では、コーヒーを人の為に入れ始めたのはいつでしたか?
中学生のときにたまたま地元でイベントがあって、それに応募したんです。そこで幸いにも選考に選ばれて、徳光珈琲というお店の社長さんに2日間コーヒーの淹れ方についてレクチャーしていただき、お客さんに提供する機会に巡り合いました。その中でコーヒーを飲んだ友達やお店の方から「美味しい」という言葉をもらって、コーヒーを人に提供することを、楽しむ様になりました。


—そうして今の活動に繋がっていくわけですね。薮内さんは高一の夏に東ティモールへの留学も体験されていますが、どの様な目的で?

目的というか…当時の陸上部の先輩がUKARIのような団体に連れていってくれて、そこで「トビタテ!留学JAPAN」という制度を知りました。そこで「お前、コーヒー好きならトビタテ行ってみれば?」っていうノリになって、じゃあやってみようと。


—割と衝動的に決められたんですね(笑)それにあたって不安になったりは…
あまりしなかったですね、ワクワクが勝っていたというか。その時期って結構暇を感じてたのもあって、「高校生、なんもねぇな…」みたいな。それで自分にも何かできないか、と思って決断しました。

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—全く未知の東ティモールに飛び込んだ訳ですが、どんなことをしてきましたか?
丸々三ヶ月間留学して半分は都心、半分は電気も通らないような田舎で過ごしてました。NPOの人に協力していただいて収穫の現場を見たり、豆の買い付けの様子を見学したり、コーヒー農園を巡ったりして過ごしていましたね。

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—そこで得たもので今に生きていると思うものは?
生産者とか変わったことでコーヒーの見方がまるっきり変わりました。情が芽生えたからかも知れませんが、やはり東ティモールのコーヒーは格別に美味しく感じるようになりましたね。「このコーヒーを作った人と知り合いなんだ」って思えるようになったらとても楽しくなって、現地にも友達ができたのですごく充実していました。友達の写真を見せて「こいつが作ったコーヒーなんだぜ」って言えるって凄いなと。


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—確かに、なかなかあることではないですね。これからはどのように活動される予定ですか?
これからはコーヒーに関する活動を行う団体を作りたいです。団体と言っても3、4人のチームのような、個人名で活動するよりかはそっちの方が良いいと思うので。あと、豆の販売をインターネットを通じて積極的にやっていきたいですね。今、豆を焼く機械をコーヒー屋さんにお借りして活動しているんですが、そこのお店の豆を使ったオリジナルブレンドの販売も考えています。それと、東ティモールで撮りためた写真があるのでそれを使いつつ、札幌のコーヒー事情やデザインについてまとめた雑誌を発行したいですね。他にもコーヒーをテーマ世界一周をしたりとか、やりたいことは尽きないですが…。行く行くはコーヒーの生産について考えて、生産者の人々に楽させてあげたいです。まあ、結局は自分が美味しいコーヒーを飲みたいってだけかも知れませんね(笑)。

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東ティモールの熱狂

小岩:東ティモールに行って気がついたことって何?

薮内:一番思ったのは「発展途上≠不幸」ってこと。

小岩:日本だと未だにそういう認識があるものね。でも実際は違ったと。

薮内:うん。逆にシステマティックじゃない故に生まれるカルチャーがあるなって思った。例えばグラフィティーアートが街中にあったり、露店が並んで盛り上がってたり、あとタクシーが爆音で音楽流しながら走ってた。

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小岩:日本だと大体そういうものは規制されてるからね、そういうカルチャーは生まれない

薮内:逆に「日本冷めてる」とも思った。東ティモールだと夕方に公園で男たちが筋トレしてたり、とにかく若者の熱量が凄い。露店のおかげもあってみんな遅くまで外出してるし、昼もバイクがすごく渋滞してて「青春だなぁ」と思った。道ゆく知らない人が当たり前に挨拶してくれるし。

小岩:人との関わり方が根本から違うんだろうね。日本人がそういう環境に行ったらかなり非日常を感じるだろうし

薮内:NPOの人とか、青年海外協力隊の人とかもすごく楽しそうだった。社畜とかどう見ても辛そうじゃない。楽しいことを仕事にするってやっぱり良いことなんだなと。それを貫くのは大変だろうけど…

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コーヒーとカウンターカルチャー

小岩:コーヒーカルチャーってのは凄く興味深い単語だよね

薮内:コーヒーって元々カウンターカルチャーの側によくあるものだったんだ。歴史を辿ればボストン茶会事件が起きて、茶箱が海にブン投げられて「じゃあ代わりに何飲もう?」ってなってアメリカでコーヒーが広まったのが今のスターバックスに繋がってるわけだし。

小岩:キリスト教では一時悪魔の飲み物なんて呼ばれてた話もあるしね。でも、そうやって禁止されたのにも関わらずここまで広まったのはコーヒーに内在する力が強いからだと思う。いつも不変的に人々の生活のそばにあるような。

薮内:なんていうか、「カルチャーの添え物」だったコーヒーがそのものの魅力が強すぎてメインになり変わってしまったような。コーヒーの力は底知れない。

薮内 ハヤトの無人島のお供


〈音楽〉tofubeats 「FANTASY CLUB」
「[めっちゃ楽しいけど孤独]みたいな曖昧でどっちつかずなところをずっと揺れている感じ。歌詞に自分が読まれてる」

〈本〉エーリヒ・フロム「愛するということ」
「愛とは?を究極に突き詰めた一冊。「相手を愛するのではなく、相手が見ている世界そのものを愛する」言葉がしっかりと心に残っていく。」


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学生団体UKARIは、挑戦者のベースキャンプをコンセプトに、大規模イベントSteppin’Up の開催、高校生の為のコミュニティスペースU-LABOやオンラインサロン UKARI SALONの運営をしています。

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