【3月号】遊び心と美の再探求について ①

ライター:さく

「書きたい事を書けばいい」という本をちらっと読んだその日の夕方、運よく連載企画の話に混ざって自分も書くことになった。ここでは、毎回ひとつずつ芸術作品を紹介しつつ独自の観察結果について書かせていただく。

初めに取り上げるのは、岡本太郎『明日の神話』だ。

岡本太郎とは、『太陽の塔』などを作った日本の誇る屈指の芸術家である。絵画、立体作品から映画のキャラクターのデザインまで多岐にわたる芸術活動を行い、シュールで独特な作風でその確固たる地位を獲得した。

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基本情報については、公式サイトからのコピペをもって代える。


2003年秋、長らく行方がわからなくなっていた岡本太郎作の巨大壁画『明日の神話』がメキシコシティ郊外で発見されました。
描かれているのは原爆が炸裂する悲劇の瞬間です。
しかしこの作品は単なる被害者の絵ではありません。
人は残酷な惨劇さえも誇らかに乗り越えることができる、そしてその先にこそ『明日の神話』が生まれるのだ、という岡本太郎の強いメッセージが込められているのです。
『太陽の塔』と同時期に制作され、“塔と対をなす”といわれるこの作品は、岡本太郎の最高傑作のひとつであり、岡本芸術の系譜のなかでも欠くべからざる極めて重要な作品です。
しかし、残念なことに、長年にわたって劣悪な環境に放置されていたため、作品は大きなダメージを負っていました。
そこで、当財団は、この作品を日本に移送し、修復した後に広く一般に公開する『明日の神話』再生プロジェクトを立ち上げました。
2006年6月には修復が完了、同年7月に汐留にて初めて行われた一般公開では、50日間という短期間の中で述べ200万人の入場者が集まりました。
後、作品は東京都現代美術館にて2007年4月から2008年6月まで公開され、2008年3月に渋谷に恒久設置することが決定、11月18日より渋谷マークシティー連絡通路内にて公開が始まりました。

さて、ここまで作品や彼自身について知ってもらったが、改めてその作品を見て何を感じるだろうか。

遊び心と美の再探求について ①

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この作品はそのルーツに、ピカソの『ゲルニカ』を持つとか言われており、左資料の左側には逃げる人らしきものが描かれている。そのほかにも探してみると共通点は多く見つかるだろう。彼は原爆の衝撃をこの絵画に押し込めた。そして、ピカソもまた、ドイツ・ゲルニカでの無差別空襲をモチーフに描かれている。

私は、ひときわ存在感を放つ中心の人型に目を奪われた。なぜ彼は首をかしげる必要があったのだろう?

彼は、原爆を受けた人である。その体からは人間的な肉感がすべて失われ、骨が浮かび上がっている。炎はその体を燃やし尽くそうとしている。彼は、顔を傾げることによって対抗した。自分を焼きつくそうとするその悪意に対して、純粋な疑問を投げかけることによって人間の理性へ問いかけた。足元は、片足すこし上げて、踏み出そうとしていると感じた。争う人間の罪を持ちながら、体に憎悪を宿しながらそれでも歩む姿が、これからの人間の成長、リアルタイムで生産される歴史をもって岡本太郎は「神話」と表現した。

モチーフが単純なだけ、メッセージを読み取るのは比較的容易だといえる。(ただしその真偽は疑ってかかるべきである。いくら公式の見解であろうと、本人が伝えようとしたものは作品でしか伝えることはできないのである。)

岡本太郎の才能は、ぎりぎりわかるというところまで事象をシンプルにして表現するところである。ナンセンスまで削らず、写実的な表現を避けたこの手法を「シュールレアリスム」と認識してもらって構わない。彼がここまでこの手法に傾倒したのは、きっとこれがもっともメッセージを伝えやすいと感じたことによる。

美の再探求、


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学生団体UKARIは、挑戦者のベースキャンプをコンセプトに、大規模イベントSteppin’Up の開催、高校生の為のコミュニティスペースU-LABOやオンラインサロン UKARI SALONの運営をしています。

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