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2021年 GENからJINOWAへ 神恩感謝のGEN Japan5期目

今年もあと数日となりました。2020年の2月以来、イタリア🇮🇹から一歩も出ることなく、GENの活動も私たち家族の行動も制限されましたが、繋がりは国境を越え、こんな時代だからこそ深まり広がった関係もあって、本当に感謝が尽きません。

今年の振り返りをしつつ、改めてこの場をおかりして一年の「ありがとうございます」の気持ちと私たちの活動をお伝え出来ればと思います。

🎍2021年1月 生ハムの欧州調査や生産者国際交流
長期熟成の添加物なしのホンモノの生ハムづくりを目指す国内生産者による「国産生ハム普及協会」の調査研究事業から2021年は幕開けしました。

イタリア、スペインを中心に小規模生産者でのインタビューを行い、日本で目指すべき製造基準や、原材料となる豚の生育環境や国際経済に影響される飼料の課題などを洗い出しました。100ページを越える調査結果は、今後一般公開もされる予定です。

また10月には生ハムフェスティバルが山形県鶴岡市で開催されました。オンラインでパルマの生ハム生産者と繋ぐ実験的な試みが行われました。本フェスティバルは国際生ハム普及協会をリードする野崎会長と山形県鶴岡市の東北ハム代表の帯谷社長が中心となり、UNESCO食文化創造都市として認定される鶴岡市、イタリアのパルマ市やアルバ市との新規食産業振興としても大きな意義あるプロジェクトで、携わらせて頂き本当に光栄です。

現在も調査事業が継続中で、来年と再来年さらにエコロジカルで高品質な生ハム生産者の国際的な発展を目指して様々な活動が計画されています。

パルマで数少ない放牧の黒豚生産者
オンラインで🇮🇹🇯🇵の生ハム生産者が交流

🌱5月 国際コンソーシアムJINOWA始動

今年最大のチャレンジはJINOWAの設立でした。衣食住、あらゆる領域の事業者と「土」の再生に繋がる商品や仕組みのデザインを行う団体です。
この構想から三重県の偉大なる堆肥専門家の橋本先生や土壌微生物専門家の横山先生に繋がることが出来たことは何よりの素晴らしい学びでした。

毎月開催しているオンラインウェビナーJINOWA Talkも12月で5回目を無事に終えました。衣食住全ての分野から世界的イノベーターを迎えて3ヶ国語でお送りしています。司会のイタリア人発酵家カルロネスラー氏は朝日新聞など日本でも紹介され話題となっています。2022年のJINOWA Talkは1月後半に開催予定です。ぜひアーカイブをオンラインでご覧下さい。

法政大学の湯澤先生、オーストラリアのタスマニアで発酵都市プロジェクトを進めるカリーナさんが登壇  【日本語/JAPANESE】JINOWA Live Talk Vol.4 Noriko Yuzawa / Karina Dambergs

JINOWA LIVE TALK Vol.1【日本語吹替版】
ゼロウェイストレストランのコンサルなどで知られる科学者、英国のジョニードレイン博士が第一回登場

♻️循環建築プロジェクト JINEN ~再生の森~

5月から11月までの半年間、土の再生プロジェクト第一弾として展開されたヴェネツィアにおける建築展「JINEN」を土の建築家、遠野未来さんと共に発表しました。JINENは日本のグリーンインフラと地域コミュニティをアートで繋ぐ事業を推進する東邦レオ社をはじめ沢山の企業の協賛を頂き本当にありがとうございました。

このプロジェクトを通して、ミラノでスローグリーンを提唱するGreen Wise Italyヴェネツィアのカフォスカリ大学の環境学部の御協力を得てヴェネツィア潟の植物再生プロジェクトも実施出来ました。

そして、このJINENプロジェクトは2022年もヴェネツィアで継続して発展させていくことが決まりました✨

全ての建材は丁寧に解体され再利用の上で新たなロケーションに生まれ変わります。新しい場所は同じくヴェネツィアのジュデッカ島になります。


ジュデッカでは海藻など捨てられている海の資源を土に還す日本の伝統知を伝え、地域コミュニティと資源循環の仕組みを建築を通して取り組んでいきたいと思います。

生命と再生のシンボルツリーをJINENに
日本の左官技術を蒼築舎の松木氏から学んだアントニオ氏による土壁の建築
5月に行われた、ヴェネツィアで世界初のオンライン上棟式
出羽三山の羽黒神社の禰宜と山伏のティムさん
日本の神聖な儀式の様子がヴェネツィアに伝わってきました。
世界中の人が感じた「土」に包まれる心地よさ

🇯🇵日本文化のストーリーテラーとしての活動

日本との行き来ができない中でも消えることのなかった思いは日本各地の素晴らしい文化と地域の方々の取り組みを世界へ伝えたいという気持ちでした。
そしてこんな時代だからこそ、他者と交わらなければ日本の地方に新しいものは生まれないという信念も揺るぎないものとなりました。
地域を訪れ、本物の文化を五感で感じることを大事にしていたGENのプログラムを、オンラインでそのまま展開することは不可能です。それを理解した上で何が出来るのか、試行錯誤を重ねた年でもありました。

苦しく、暗中模索がつづく昨年に声をかけて下さり大きなチャンスをくださったのは四国経済産局の石山さんです。そして同じく栗原さん、徳島の素晴らしい食の取り組みを進める佐那河内村や三好市の方々には「希望」を頂きました。私たちを信じて下さり、きっかけをくださったことががGENの今年一年の自信になりました。改めて本当にありがとうございました。

イタリアではOWAYの宮坂さんやイタリアスクエアチャンネルのKenta氏など、通訳、映像、クリエイティブなどあらゆる手段で情熱を持って日本とイタリアを繋げる文化ストーリーテラーを心から尊敬しています。

こういう思いある方々の活動や声を、届けるぞという不屈の精神が沸々と湧いてきます。

四国とボローニャを繋いだライブセミナー
8月末にヴェネツィアで開催した日本酒や伊勢神宮の文化のプレゼンは日本政府観光局ローマ事務所のお力添えを頂きました
マルコさんは日本酒を伝える日本酒造組合中央会イタリア代表
アルバ市の白トリュフのイベントでは鶴岡市の食文化を紹介
東北出身のトスカーナ在住シェフのお二人がアルバで白トリュフの茶碗蒸しを披露
Zoomでも心は通じ合った、広島や神戸など新しい出逢いに感謝
白トリュフの香りは国境を越えました!鶴岡市あつみ温泉たちばなや齋藤料理長の若手調理人育成をサポート
11月にトリノで開催されたテニス大会ではVIPルームのサービスやサステナビリティ向上について担当しました

環境教育の取り組みと石坂産業

今年もっとも深く語り合い、繋がりあえたのは石坂産業の石坂典子代表と靖子さんでした。
きっかけは2023年に石坂産業があらたに展開するレストランの案件でした。そこから「土」への思い、教育への思いを共有し様々な挑戦が始まりました。

今年は石坂産業が環境省と取り組むグリーンブルーエデュケーションフォームではGENはイタリア開催の事務局をつとめました。

石坂産業とのパートナーシップはgreenzの対談記事をぜひご覧いただければと思います。

このパートナーシップは来年、再来年に向け、世界的な資源循環推進企業として石坂産業がさらに飛躍し、ゴミを創造的に活かすアート、食、環境の取り組みとして発展させていきます

環境について子供たちがビデオでメッセージするコンクール
12月の国連土壌デーには「泥だんご」と土の多様性について学ぶワークショップをイタリアで開催

長々とした振り返りになってしまいましたが、ここに掲載しきれないこともまだあり本当に感謝尽きません。

世界はまだまだ激動の最中にありますが、こうして平和な気持ちで一年を振り返ることが出来るのは皆様のおかげです。特に今年は身近な大事な方が何名か旅立ちました。時間は有限で、毎日本当に健康で家族と過ごせることが当たり前ではないという気持ちでいます。

来年もGENはJINOWAという新しいフィールドに踏み込みイタリアで出来る挑戦を模索していきたいと思います。大好きな日本の文化や地域の皆様へ、どうやったら未来の豊かさを共につくるパートナーとしてお役に立てるか、全身全霊で考え続けて繋がり続けていきたいです。

今年出会えたこと、全てに感謝🙏🙏🙏🙏
どうぞ皆様にとって素晴らしい2022年となりますように。

良いお年をお迎えください✨
Buon anno🙏

2021年末日

齋藤由佳子
株式会社GEN Japan ♻️ JINOWA
GENUINE EDUCATION NETWORK

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