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4月はじめのハーブたち(後編)

4月のはじめに撮影したハーブたちも、ゆっくりご紹介しているうちに、4月も後半に突入してしまいました。
この時期はハーブたちの1日の成長も旺盛で、畑のハーブたちも、写真におさめた時とはずいぶん違った様子になってしまいましたが、あくまでも記録として「4月はじめのハーブたち」を今回もお届けします。


ナスタチウム(金蓮花/キンレンカ)


「エキナセア」のプランツマーカーが目立ちますが、ナスタチウムはその奥。
蓮の葉のような丸い形の葉っぱがかわいらしい。

葉っぱもお花も、タネとなってついたばかりの緑色の若いサヤも、全部食べることができるナスタチウム。
全草にピリッとした辛味があります。
この辛味がアクセントになるので、葉っぱをサラダやサンドイッチに加えたり、鮮やかな色のお花をエディブルフラワーとして食べたりしても、とてもおいしいハーブです。
また、緑色をした若いサヤは、塩漬けにするとケイパーの代わりになるとも言われています。ピクルスにしてもおいしそうですね。

寒さ、暑さに弱いナスタチウムは、露地栽培のうかspice+では、冬の寒さ、夏の暑さが乗り越えられずに枯れてしまいますが、「ハーブ栽培教室」に通ってくださっている方々のなかには、プランターなどで上手に育てて冬越し、夏越しをしている方もいらっしゃいます。

いずれにしても、ナスタチウムは一年草なので、毎年タネをとって、春と秋との2回、種まきをしています。

オレンジ色や黄色の鮮やかなお花が、畑を元気に彩ってくれます。


アップルミント(丸葉薄荷/マルバハッカ)


冬の間は地上部をすべて枯らし、
春になると地際から一斉に新芽を芽吹かせるミント類。
和名の丸葉薄荷の名前どおり、
丸っこい葉っぱがかわいらしい。

ミント類は地植えにすると、本当に大変。
どこまでも地下茎を伸ばして生育範囲を広げていきます。

リンゴの香りのアップルミントも、他のミント同様、畑の中でグングン広がっています。かわいそうではありますが、他のハーブたちの場所まで侵食したら、取り除いてしまいます。

アップルミントは活用の用途が少ないハーブではありますが、緑色をした葉のハーブが多いなかで、アップルミントのこの明るい緑色はとても映える存在。
ハーブブーケを作る際、グリーン系の差し色として加えると、全体に色のバリエーションが出てまとまりがよくなるので重宝しています。

日本ハッカ


ほんのり紫がかった緑色の新芽が日本ハッカ。
若葉のころは丸い形をしていますが、
成長すると披針形へと変化します。

うかspice+では今のところ、ミント系ハーブは4種類を育てています。
アップルミント、スペアミント、イエルバブエナ(モヒートミント)、そして、日本ハッカ。
日本ハッカにもいくつか種類があり、うかspice+で育てているのは北斗(ほくと)という品種。
スーッとしたハッカ独特の刺激に、ほんのり甘さを感じる香りがします。

昨年秋の「ハーブ栽培教室」で蒸留のワークショップをした際、この日本ハッカの蒸留をしたところ、蒸留器がものすごいハッカ臭になってしまい…。何度洗っても取り去ることができませんでした。
ハッカを蒸留する場合は、ハッカ専用の蒸留器を1つ用意するほうが良さそうです。

ネトル(西洋刺草/セイヨウイラクサ)


「ミネラルの宝庫」と呼ばれるほど、
ビタミンやミネラルなどの栄養素を豊富に含むハーブ。
香りはほとんどなく、主に薬効重視で利用される。

とにかく栄養豊富なネトル。
血液浄化作用で、花粉症などのアレルギーのほか、関節炎、前立腺肥大など、さまざまな不調に効果があるとされて、古くから使われてきた歴史があります。

香りは特になく、味もクセがないので、ハーブティーにしても飲みやすいですね。

また、西洋では生の状態でスープにしたりパスタ生地に練り込んだりしてお料理に使うことも多いようです。

いろいろな特性があるネトルですが、一番の特徴は、全草にある小さなトゲ。触れるととてつもなく痛いです。
薔薇のトゲのように刺さる痛みではなく、小さなトゲの中に充填されている植物化学成分の一つの「蟻酸(ぎさん)」が皮膚に触れて、火傷をしたような痛みが2〜3日続くのです。
軍手や園芸用グローブではトゲが貫通してしまうので、作業の際は、厚手のゴム手袋必須です。

そんな大変な思いをしてもなお余るネトルの魅力。
今年は大幅に増殖予定です。


エキナセア(紫馬簾菊/ムラサキバレンギク)


中央から左寄りに出ている深い緑色の新芽がエキナセアの若葉。
葉脈が縦に走っているのが特徴です。

「アメリカ先住民がもっとも大切にしているハーブ」などと言われるエキナセア。免疫力アップで知られるハーブです。

エキナセアはキク科の多年草で、冬になると地上部は枯れますが、地下ではしっかり成長していて、春になると写真のように元気な新芽を伸ばしてきます。
写真では、他にたくさんの草もはえてきているのでわかりづらいでしょうか。
エキナセアの葉と同じようなサイズ感で、とても似た姿のセイタカアワダチソウも芽生えてきているので、余計にわかりづらいかもしれませんね。

エキナセアは薬効の強いメディカルハーブとして、葉はもとより、茎、花、根まで全草を使うことができます。(根だけは少し薬理成分が違います)
うかspice+では、大輪のピンク色のお花と一部の葉のみを乾燥させて、シングルやブレンドティーとして商品化していますが、なかなかに人気のある商品です。


タンジー(蝦夷蓬菊/エゾヨモギギク)


こぼれだねでどんどん増えているタンジー。
毒性があるのと、大株になるのとで、
あまり増え過ぎないでほしいところ。

黄色の小さな花をたくさん付ける、タンジー。
あまり聞きなれないハーブだと思います。

葉が、虫除けのあのショウノウに似た香りで、やはり虫除け効果があります。
また、防腐効果もあるようです。

それほど強い殺菌防虫効果があるせいか、人間にとっても毒性があるので、食用で用いることはありません。

自分でも、なぜタンジーを植えたのかわかりません。笑

きっと、防虫剤にしようと思ったのだと思いますが…。

せっかくなので今年は、薬効が高まるお花の咲く頃に収穫をして、防虫剤として洋服のそばに吊るしてみようかなと思います。


ローズゼラニウム(匂天竺葵/ニオイテンジクアオイ)


冬の寒さで地上部が枯れたローズゼラニウム。
枯れちゃった!?と思ってしまういで立ちですが、ご安心を。
春になると根もとからちゃんと新芽が出てきます。
(4月17日現在、かわいらしい新芽がたくさん出てきているのを確認しました)
昨年秋に挿し木をして増やしていたゼラニウムの苗。
屋外で冬の寒さを乗り越えた子たちを
今月、植え付けました。

バラの香りのするゼラニウム。
ハーブティーや食用などで使うことはほとんどないため、うかspice+では商品としての用途はないのですが、今のところは、個人的に使う「芳香蒸留水」や「精油」のために育てています。
ローズゼラニウムの蒸留水は化粧水やボディー用に。精油に至っては、ルームフレグランスやマッサージオイルへのブレンドなどなどで、鎮静作用を発揮してもらいます。
精油の中でも、1〜2を争う、使用頻度の高いオイルです。

栽培も、土質が合えばそれほど難しくはないと思います。
土質についてはいろいろ実験中ですので、何かわかり次第、またご紹介させていただきますね。


ホワイトセージ


吸い込まれそうな美しさのホワイトセージ。
乾燥させた葉に火をつけ、
煙で空間や物を浄化します。
冬の寒さの名残で葉が黄色くなっている部分がありますね。

食用で使うコモンセージとは違うホワイトセージ。
食用で使われることはあまりなく、主な使い方は、乾燥させた葉に火をつけて、その煙で空間や物、人を浄化させるという方法。
日本でいうお香のような使い方をします。

自家用としても、個人セッションの前後に炊くなどしてよく使っています。

うかspice+としては昨年、枝ごと乾燥させたクラスタータイプを商品化しましたが、今年は枝を数本束ねて乾燥させたワンド(バンドル)も仲間入りさせたいなと思っています。


さてさて。4月の頭に撮影したハーブたち。
前編、中編、後編とご紹介してきましたが、実はまだまだ残っているのです。
最後は完結編として、どどっとご紹介する予定でしたが、この分だときっと5月に入ってしまうでしょう。
そうしたら、無理せず、まとめてご紹介していくことにしますね。



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