秋風。

肌をなでていく心地よさに、どこか切なさを覚える。

まるで胸の真ん中にトンネルがあるみたいに吹き抜けて、ただ吹き抜けるだけ。

昨日まで見ていた景色とは打って変わって、モノクロのように色がなく、しかも色をつける気にもならない。

その割に、ひとりを嫌がる。自分を嫌がる。

暗い暗いトンネルのなかで、吹きさらされて朽ちてしまいたい。

誰かに求めても、求めても、

求められていないことを知るだけ。


そう思う自分を傍観している。


それはそれでいいと思っている。

そんな自分も認めている。




本当に?



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