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【207】もっともっと知られるべき:芥川也寸志さんの「交響三章」「弦楽のための三楽章「トリプティーク」「交響管弦楽のための音楽」特に一度聴いたら忘れられないアンダンテ楽章の比類のない優美さと懐かしさは埋もれさせては惜しすぎる 2024.5.23

0 芥川也寸志さんのこと

 芥川也寸志さんの曲は一時期カセットに入れて家でも車の中でも随分聴きました。
 CD時代になってしばらく離れてしまっていましたが、ユーチューブでふと再会したら、改めて嵌まってしまいました。
 芥川也寸志さんはもっともっと知られて評価されるべき、聴かなければもったいない作曲家だと私は思うのです。

 さて、芥川也寸志さんは1925年(大正14年)7月12日に生まれ、1989年(平成元年)1月31日に63歳で亡くなられてました。
 父は知らぬ者無きあの芥川龍之介で、その三男として生まれていますが、 龍之介は1927年に自殺してしまったので、わずか2歳で父を亡くしたことになります。
 也寸志はその父の遺品であるSPレコードを聴いて育ち、特にストラビンスキーが好きで、幼稚園の頃には「火の鳥」や「ペトルーシュカ」を口ずさむほどになっていたそうです。

芥川也寸志 - Wikipedia

 そんな芥川也寸志さんの曲から三曲紹介します。いずれも、戦後の早い時期に作られたものであり、民謡や童謡、祭り囃子などの和の音楽と西洋からのクラシック音楽との融合に團伊玖磨さん等と共に取り組んでいた当時の在り方がわかるように感じられます。

 どの曲も全曲通して聴いて面白いのですが、特にアンダンテの部分の清新で懐かしい抒情は心に残ります。

1 交響三章 (1948) 芥川也寸志指揮 東京交響楽団 [1963年]

 1948年に作曲されたもので、演奏は芥川也寸志さん本人の指揮による東京都交響楽団の1963年の演奏です。

 私は特に、第2楽章が好きなので、2楽章のみのリンクを一応貼っておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=4ctfVIRnsy4&t=311s  

2 芥川也寸志: 交響管弦楽のための音楽 (1950) 森正指揮 東京交響楽団 [1950年]

 1950年に作曲されたもので、演奏は森正さん指揮の東京交響楽団です。
 森正さんは、芥川也寸志さんと同じ時代の中で一番近くにいた存在だったのではないでしょうか。ユーチューブを見ると他にも多くの演奏がアップされていますが、森さんの演奏が最も安心して聴ける正統的な名演であると思います。
第1楽章の1分50秒からのアンダンテの部分が特に素晴らしいです。

3 弦楽のための三楽章「トリプティーク」 芥川也寸志1953年作曲 森正指揮 東京交響楽団1961年演奏

 1953年に作曲された曲で、演奏は森正さん指揮の都響です。
 紹介した三曲は作曲した年が近いこともあってか、同じテーマの変奏曲であるかのようにも思われます。
 この曲でも、第2楽章の子守歌の美しさは比類ないものです。2楽章だけのリンクを下に貼っておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=_zUevzyVW70&t=219s    

 いかがでしたでしょうか?
 感想などコメントしていただけたら嬉しいです。

 次回は芥川也寸志さんの師匠である伊福部昭さんについて書いてみたいと思っています。




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