雨嘯

見えない四角
残された絵の具で空を描く

存在を潰すように雨は降るけれど
雨音が伝うものに耳を貸さなくていい

美しい言葉に救われないものだけに価値があるんだ
たどたど行こう
哀しみと私を絡ませて

不正解だった街に流れていたのは
いつだってあの音楽で
あなたはまだその歌を
雨の中で嘯いているだろうか
あの日々のように

消えない四角
開け放ち色を得る

あなたのことは知らないけれど
あなたとの思い出は月と引き換えでもいい

優しい言葉に救われないものにだけに価値があるんだ
ただただ行こう
愛しみと私を絡ませて