“一种相思,两处闲愁。”
今日の天気予報は雪。
お昼を食べ終わった頃、町ゆく人が傘をさし始めた。はじまったかと、お店を出た後、近くの公園で何かを待つように少し歩いた。雨のままの雨をぼんやり眺めていたら、休憩時間ぎりぎりになったので、仕方なく小走りで仕事に戻った。
パソコンに文字やらを打ち込みながら、視線を何度も窓に向ける。
降るだろうか。
何度目か分からない窓に向けた眼に、白い空には少し灰がかって見えるぽつぽつが映った。
思わずパッと立ち上がり、窓を勢いよく開け、手を外に差し出す。冷たい結晶が手や服の袖に落ち、窓の内側に入り込む。確かめる暇もなく熱で水滴と化し、それでも確かに固体として空を舞っている。口からは白い息がほうと出る。
雪だ。
いつの間にかびしょ濡れになった手を一旦引っ込め、窓を閉める。窓枠に手をつき、雪を見る。
それで、どっと涙が溢れて、止まらなくなってしまった。
夢はここでお仕舞い
失望した人は 此度は目を赤くすることもなく
私たちは海に口を蔽われ
悲しみを享受し
光の筋が入れ乱れる中
目を閉じて見たんだ
まだ君と 宇宙と空について話がしたい
もしくは砂浜の砕石と人生でも構わない
君はまた素直に笑うだろうか 私の荒唐を
私たちは海に口を蔽われ
苦しみを享受し
交錯する明かりの中
目を閉じた
まだ君と 宇宙と空について話がしたいな
もしくは砂浜の砕石と人生でも構わないから
君はまた素直に笑ってくれるだろうか 私の滑稽を
混乱の在り処がなければ
私たちは何処へ
(ホラーゲーム「還願」を以前実況プレイで観て、ゲームの最後に流れる歌を今日偶然SNSで見かけました。ゲーム内容は雪と関係ありませんが、何故か妙に雪を見る心情とマッチしたので、イヤホンでリピートしていました)
(もとの歌詞は繁体字ですが、便宜上簡体字で入力させてもらってます)
雪が視界を覆いつくしていく。
町の端の方が、雪と空気で白く霞んで見えなくなる。傘をさして歩いていく人と、傘をささずに歩いていく人。車の音。低くゆっくりと横切る鳥。涙のわけなんてあるのだろうか。末梢起源説とも少し違うような。今はただただ空を舞う雪が綺麗なだけなんだ。
茫然としていたが、ふと我に返り、携帯で雪を撮って友人に送った。
するとこんなメッセージが返ってきた。
「そっちでも雪が降ったのね」
「一种相思两处闲愁」
そうか、想っているからか。想っているから泣いているのか。同じ思いなのに、打ち明けることもできずに、お互いひとりで雪を眺めているのか。
これは私の涙ではなく、君の涙かもしれない。君の涙ではなく、雪の涙かもしれない。
自然と孤独と会話することとは、そういうことなのだろう。明確な違いも境界線すらもなくて、君が私で、私が君で、君はすべてで、すべてであるからこそ何でもない訳で。
“才下眉头,却上心头”。
2024.2.5 星期一 雪
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