サソリの話
シャワーを浴びようとコックを捻ってからなんとなく視界に違和感を感じた。
コックのあたりに茶色い何かがある。
だが眼鏡を外しているためよく見えない。
顔を近づけて見てみると、そこにはサソリがいるではないか。
これはさすがにびびった。相手はサソリ。一方こちらは全裸。そして極度の近眼。
さっきコックを捻った時ちょっと触れてたかもしれないと思うとぞっとした。
だかとにかくなんとかしなければと一旦タオルを腰に巻き殺虫剤を取りに行った。
殺虫剤を噴射するとヨロヨロを動いてハサミを振りかざしている。シッポと共にハサミを振りかざしている姿はなかなかかっこいい。ペットとして人気があるのも分からないでもない。
が、今はそんな余裕はない。その弱ったサソリをハエたたきに乗せて外の植木にポイっと捨ててやった。
殺虫剤臭漂う浴室でシャワーを浴びた後、植木を見てみたらサソリの命は尽きていたようだった。
あとで調べてみてみるとサソリと言っても人を殺すほどの毒をもっているのはごく一部らしい。
今度出てきたら生きたまま外に逃がしてあげよう。
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