2002 笑い飯

 ここから伝説が始まった。ネタ所要時間、4:49、最初のウケ、19.5秒、ツカミ、なし。この時代に5分近いネタを披露するコンビは多くないが(むしろ、ますだおかだは2分台)、やはりそれだけ引き出しの多さを感じさせられる。
 このコンビの特徴は何と言ってもボケとツッコミが交互に代わることである。変化球一筋ではあるが、基礎がしっかりと押さえられている。ボケが前に出てきて後ろからツッコむ時に声を張るが、その声量が計算されており、存在感を出しながらうるさすぎないという絶妙なラインにおさまっている。初登場の若手ながら、貫禄があり、最初の笑いまでじっくりと時間をかけ、しかもそこで大爆笑を誘わず、だんだんと盛り上げる構成がこの段階で為されていることに驚きを隠せない。しかも、各ブロックのボケ数が多すぎず少なすぎず、テンポの良さが心地よい。少しばかりの乱暴さが玉に瑕(きず)ではあるが。
 風貌がネタに合っていることも好印象だ。実際にこの様な高校生がお昼休みにパンやお弁当を食べて過ごしている絵が、制服を着ていないのに伝わってくる若さが素晴らしい。
 特に印象的だったのが、二人同時に『暴れん坊将軍』を叫びまくるシーン。これがもう少し長いとさらに笑いを引き出せる気がしたが、それでもここでリズムが崩されることによる衝撃が、裏切りが、とにかく圧巻である。

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