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うごめき廻巻 【花残月】

Random thoughts and head trip [203]

暦的現在を綴る。

4月1日(月曜)

分節点的な雰囲気の漂う1日である。春に節目がやってくるのはなぜだろうか。苗床と関係があるのか、桜と関係があるのか。まだ蕾である。

4月3日(水曜)

はじまりの多い1日だ。初めて火葬が行われ、みんなの歌が開始し、
大谷がメジャーで花開く。時節的に新たな動き出しが多いのだろう。
火歌花(かかか)の日だな。火花か花火、花歌か歌花、火歌か歌火。
かっかっか。

4月5日(金曜)

今日は続々とキロクが刻まれる。タモリがギネスにのり、女性最年少の市長が誕生する。茂雄は4打席連続空振三振だ。活動と記録は時間差でやってくる。柱に刻まれた跡はノスタルジックな気分を湧き起こす。

4月15日(月曜)

一歩ずつ変化し形になっていく。その瞬間が楽しい。
パリ万博の開幕は今日か。現代でいうと何にあたるのかな。

4月17日(水曜)

最近体調が悪い気がする。今日は天智天皇が近江宮に遷都し、クイーンが初来日した。5年で廃都したことが要因なのか、フレディ・マーキュリーの短命さが要因なのか。人の想像力の中にリアルは存在する。花見をしている場合ではない。

4月18日(木曜)

今日も不安くんと自由くんが頭の中でうごめいている。2人は同時にやってくる。双子なのだ。杉田玄白と前野吉沢は、死刑囚の解剖を見て何を思ったのか。歴史的な翻訳書はここから生まれる。

4月19日(金曜)

 金曜日は積もり積もった遅れを無理やり調整する日である。そういえば、アルバート・ホフマンがLSDの幻覚作用を発見したらしい。眼前に広がる仕事も幻覚の一種であろう。
 テンションあがってきた!

4月20日(土曜)

 遊9号をサラッと読み耽る。目移りする言葉がおもしろい。
 今日は「修学旅行専用電車」なるものが運行開始したらしい。教育と陸路は人口増と共に整備された。しかし修学旅行の醍醐味は脇見である。隣の未知に、こゝろがざわめくのだ。

4月21日(日曜)

 意志が物質であるとしたら、誰の粉末を飲みたいか?今日はロームルスがローマを建て、利休が切腹し、横井のゲームボーイが発売された。栄枯盛衰は世の習いとはよく言ったもので、最後には粉しか残らない。しかし朝食にはふりかけご飯が一番だ。遅めの朝は、ショーペンハウアーご飯がよく似合う。

4月22日( 月曜)

 最近やたらめまいがする。栄養が足りてないのかもしれない。
 今日はスペースワールドが開園し、サザエさんの連載が始まった。祝祭は向かう場所で、日常はメディアがお届けする。ちゃぶ台は宇宙へ飛びたつ円盤なのだ。ぼやけた意識の中、飯をかき込み蒲団にもぐる。

4月23日(火曜)

バイエルン公国でビール純粋令というものが制定された。最近は朝のコーヒーを除いて水しか飲んでいない。それまでのビールは原料の品質の悪さをアルコールで誤魔化すなど、粗悪品が横行していたためだ。水ばかり飲むと水にも何か違いを感じるようになった。偏りはいずれ純度を求めるようになる。

4月24日(水曜)

 吉田松陰が黒船へ密航し、逮捕される。
 何気なしに発した言葉に後悔することがある。昨日はそんな1日だった。知行合一を加速させた陽明学は、そんな後悔を吹き飛ばす。
 半端な個人主義で育った自分は、つい短期的な見方で足を止めてしまう。松蔭は迷わずこの世を走り抜け、弟子たちが世界を変えた。

4月25日(木曜)

 最近の体調の悪さから一転、今日はすごぶる体調がいい。朝食をバナナにしたからかな。
 今日は大貫久男が図らずも1億円を拾った日である。当時の法律に基づき、彼は全額の所有権を得る。
 人生とは、偶然の連なりを必然にしていく行為だ。明日はどんな変化があるのだろうか。

4月26日(金曜)

 思えば、オズの魔法使いをちゃんと読んだことってないなあ。
 魔法ではないが、太陽の塔の”右目”に籠城した男がいる。通称・アイジャック事件だ。更には、それに触発された「ダダカン」が全裸で会場に現れる。20世紀はオズで幕を開け、ダダカンで舞台を移す。というと、ちと大げさか。

4月27日(土曜)

 寿司屋で買ったキムチが思いのほか美味しかった。
 今日は駅伝大会が初めて開催された日だ。仕掛人は土岐善麿。ローマ字で詠った『NAKIWARAI』が有名な歌人だ。
 意外な組み合わせは、時に新しい波を起こす。そして、波には揺れる切実さが必要だ。
 寿司屋のキムチは、ほんのり甘かった。

4月28日(日曜)

 カタナシ、ヘンボウ。カタチン、ヘンタイ。
 今日は新しい企画を練っている。産声は膜を破り、内と外を互いに変える。講武所の開校、ブラジル移民の始まり、パリ万国博覧会の開幕が象徴する。
 しかし、どう変貌するかは、すぐには分からない。書いては消して、開けては伏せて、コトは進んでいく。

4月29日(月曜)

 昨日は乗り気のしない飲み会だった。しかし無心でテキトーに話しても会話が成り立つから不思議なものだ。
 さて、今日はオランダ船リーフデ号が大分に漂着する。乗員のウィリアムは後に旗本になる。武士になったのだ。
 アイデンティティは他者との関係の中で揺れ動く。本来とは未来にあるものだ。

4月30日(火曜)

 もう梅雨入りしたのかと思うぐらい雨が続いている。
 しかし今日は即位や就任が多い。桓武天皇、ワシントン、黒田清隆にアレクサンダー国王。時期的にそろそろ本気だそう、てことなのかな。
 薄暗い空にやる気を吸われた僕は、ぼんやりスマホを眺めている。そういえば、5月病の季節でもあった。


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