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シェアの本質は関係性にある。[シェアリングエコノミーの再定義]

2015年ぐらいから急激に世の中で浸透していった言葉、「シェアリングエコノミー」略してシェアエコ。シェアエコの定義とは?

シェアリングエコノミーとは、インターネット上のプラットフォームを介して個人間でシェア(賃借や売買や提供)をしていく新しい経済の動きです。シェアリングエコノミーは、おもに、場所・乗り物・モノ・人・スキル・お金の5つに分類されます。[一般社団法人シェアリングエコノミー協会ホームページより引用]

しかし、さまざまなサービスが存在する現代では、どこからどこまでがシェアエコで、どれはシェアエコではないのか?という議論がおきているのをよく見ます。

実際、国際標準規格をつくる会議でも、シェアエコの範囲について議論されているようです。

シェアリングエコノミーの国際標準化の最新動向にて、ISO/TC324総会での議論内容の一部が紹介されています。

・Platform, Provider, Userのモデル(三角形のモデル)をもつビジネ スモデルであることが大前提
・ 米,カナダからは,大手ECサイト,大手ホテル予約サイトもシェアリングエコノミーの一部
・ 中国からは定義が広すぎるとの指摘あり,”Share”の要素を含めるべ きではないか“とのコメント


世界的にみても、シェアエコの範囲って定義しにくいのが分かりますね。


そこで、私は誠に勝手ながら、シェアリングエコノミーという産業の再定義をしようと考えています。


「シェア」の本質は「関係性」

私は、シェアの本質は関係性にあると考えています。(ビジネスの本質とも言えるかもしれませんが、どうなのかな)

シェアリングエコノミーの話をすると、「それって昔は当たり前にあったよね。」「私も友達と持ち寄り会したりするけど、それもシェア?」

と、言われることがあるのですが、まさにその通り。


ご近所さんに野菜や料理のおすそ分けをしたり、隣の家のお手伝いをしたりする、昔ながらの光景。

ママ友と料理を持ち寄って食事会を開いたり、友達と車で好きなミュージシャンのライブに行く、現代の風景。


すべてシェアだと思います。


これはすべて、ご近所さんや友達や家族などの「関係性」から生まれるもの。

ベースには「関係性」があり、そこに自分の余剰をのっけると「シェア」になるのです。

言い換えると、元々ある関係性からシェアする関係性を生み出しているとも言えます。


AirBnbやメルカリなどのオープンプラットフォームは、世界中の知らない人とシェアする関係性を生み出しています

そして、その関係性はGive&Take(決済)をすることで、毎回解消されていきます。

また、最近注目の集まっている6curry KitchenやADDress、こちらも特定の人の中だけで関係性を築き、料理や空間や体験をシェアしています。

こちらはシェアする関係性を生み出し、深めて、流動的に持続させています。


どちらも、「関係性を生む」という共通点があります。

なので、Sharing Economy(共有経済)とは呼ばず、Sharing  Relationship Industry(共有関係産業=シェアする関係を生む産業)と定義した方がイメージしやすいのかも。 


シェアで築く関係性

わたしはオープンなプラットフォームも、クローズなプラットフォームも、シェアリングレーションだと思います。


そして重要なのは、何をシェアするかではなく、シェアを通してどのような関係性を築くか、だと思います。

シェアするものは記号なので、ここに意味を持たせすぎると、関係性で支えられなくなってきます。


では理想的な関係性とは?

それは、「他者貢献の喜び・希望・信頼関係が存在する関係性」だと思います。


他者への貢献(Give)でつながる関係性。

自分の力で社会を変えられるという希望のある関係性。

何かをシェアできる程の信頼関係。


関係性の対象は、人以外にも、企業や国などの社会も含まれます。

これが、最も価値を生み出すシェアリングリレーションのあり方。


そこに対の関係にあるのが、自己貢献の喜び・中央集権・信用スコアとかなのかな、と思います。

ちなみに、他者貢献・自己貢献の概念は「nukumo」を運営するおぐらさんの言葉から頂きました。ありがとうございます。


シェアリングリレーションの文脈で考えると、シェアの範囲というかシェアのあるべき姿が見えてきますね。

シェアを通してどのような関係性を築くか?

そして、その関係性を築くにはどのようなシェアが良いのか?

ここらへんを今後実験していきます。



ちなみに、この文脈で現在私が運営している、シェアリングコミュニティ「ごはんシェアLab」の資料(作りかけ)も載っけときます。



このsharing Relationship Industry 、シェアリレかShaRI(シャリ)とか言って浸透しないかな(笑)


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