【実験の記録】オンラインでもリアルと同じように“豊かさ”を感じられるか?
Thought and Trip [Week 7.]
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現在コロナウイルスの影響で、仕事以外では外出しづらい日々が続いております。
僕が住んでいるADDressにもそれは影響していて、多拠点生活はしばらくお休みしようと思います。
ちなみにADDressとは、全国各地の空き家を活用した多拠点ライフプラットフォームです。
先週はそんな状況でも“豊かさ”を感じられるか、ADDress会員同士でとある実験をしてみました。
3月28日(土)22:00
その日の昼、東京に続いて熊本でも外出自粛要請が。
週末は熊本県宇城市にあるADDressの家に引きこもることが決定しました。
「これは、しばらく他の家には行けなくなるな。」
「この状況はいつまで続くのだろうか。」
そんなことを考えながら、世に拡がっている情報を拾ってみました。
「世界が大変なことになっている。」
漠然と感じる非常事態、その空気をネットの記事や投稿を通して伝わってきたというのが感想です。
しかし、その一方で「この状況でも、豊かさを感じる事はできるのか?」という問いも生まれてきました。
僕は“安心感と高揚感が共存する場にこそ豊かな関係性は生まれる”という持論があって、日々その探究をしています。
そしてそれは、ゲストハウスなど、不特定多数の人が集まって一時的に共同生活する場が最も近いと考えています。
しかし、今はそのような場をデザインすることは難しい状況です。
「では、オンラインでデザインしてみるか」
ということで、ADDress会員コミュニティで実験企画を立ち上げました(ADDress会員はFacebookグループを通して全国でつながっています。)
企画の内容は「全国各地のADDress会員同士で、動画を作成してみよう」というもの。
具体的には、
①熊本県の家に住んでる人が、家の中の動画を撮影する。撮影自体は、入り口のドアを開ける所から始まって、終わりは再度ドアまで戻ってドアを閉めるところで終了する。
②続いて千葉県の家に住む人が同じように家の中を撮影する。
③同じような流れで別の地域の人も家の撮影をする。
④それぞれの家で撮影した動画を集めて、ドアの開け閉めでつながっていくように編集する。
この何とも言えない説明画像と共に参加者を募りました。
結果、5ヶ所の方々に参加してもらい企画がスタート。
3月29日(日)9:00
昨夜集まったメンバーでzoomミーティング。
企画の趣旨やイメージを説明後、企画スケジュールを決めました。
昼までに各々撮影して、午後から動画編集を開始、夕方に完成させて夜にはzoomで上映会&オンライン飲み会を行うという流れで決定。
ちなみに動画編集は、たまたま編集スキルを持った方が参加していたのでお願いすることに。作れる人がいない場合は、ど素人の僕が作る予定だったのでひと安心です(笑)
3月29日(日)14:00
僕が住まう宇城の家のメンバーと、どう撮影するか話し合ったりお昼ご飯を食べたりダラダラした後、撮影開始。
ADDress宇城邸は非常に大きい長屋で、なかなかに苦戦しましたが、どうにか撮影完了しました。
そして他の家の撮影も完了後、動画編集へ。
その間のやり取りは、messengerグループで行ないました。
ちなみに今回参加した人々は、初対面というかお互いに会ったこともない方がほとんど。
共通点は同じADDressの会員ということだけなので、普段お互いがどういう生活しているかも謎です。
そのような関係の人達と、動画を通して生活がリンクしていく感覚は、非常に面白かったですね。
そしてなぜか、messengerグループも大盛り上がり。
突然動画のオープニングタイトルを作るメンバーもいたり、同じ絵文字を送り合うという謎の流れもあり、まさに“わきあいあい”としている状況。
そんなこんなで、夜の上映会に向けて制作が進んでいきました。
3月29日(日)19:00
上映会に向けて晩ご飯の準備。
と、同時に動画編集終了。
上映会に関しては、撮影に参加していない他のADDress会員も含めてzoomに招待しました。さらに、Facebookグループでライブ配信も同時に行うという2段構え。
準備が整ったところで上映会スタート。
予想以上に多くの人が集まっていただき、謎に親戚の集まり感がある空気に(笑)
北海道に滞在している人から九州に住んでいる人まで、年齢もバラバラですが、一緒に暮らしたりする仲なので不思議な“安心感”がありますね。
そして、動画の上映スタート。
ちょっとトラブルもありましたが、10分弱のすばらしい動画が流れました。
各々の生活が動画で繋がっていく。そこにナイスな音楽が流れる。
それだけで、何とも形容し難い感動を味わえました。
たぶんこの動画で得られた感動って、この場に参加した人にしか味わえない感覚なんだと思います。それってすごいクリエイティブ。
その後はお酒を飲みながら交流を楽しみました。
そして、企画立案から24時間後の22時頃に、飲み会も終了。
僅か1日の間でしたが、濃密な時間を過ごすことができました。
まさに“一緒に暮らす”がアップデートされた感覚です。
実験は成功だったのか?
結果的にいうと、実験は成功。
それも大成功といえるものだったと思います。
なぜなら、オンライン上でも豊かさを十二分に感じることができたので。
“そこ”には間違いなく、安心感と高揚感が共存していたと感じます。
そして、その環境ではお互いのスキルやアイデアがシェアされていき、作品を通して生活の様子や、時間のシェアも行われました。
“豊かな関係性が存在する場では、自然とシェアが生まれる。”
Sharing Relationsの概念ですが、まさにオンライン上でもシェアが生まれていましたね。
***
現在いわゆるオフラインの場、リアルでの交流が極端に制限される環境です。
その中でも情報感度の高い人は、オンラインでの交流にシフトしていっている印象があります。
おそらくこの期間に多くの実験が行われて、オンライン上でも豊かな交流ができるノウハウが出来上がってくるんだと思います。
僕が今回行った企画もそのノウハウ作りのヒントになるのでは?と思い、このnoteで記録を残させてもらいました。
ちなみに、今回の企画をきっかけにADDressグループでは複数のオンライン企画が生まれていっていて、プチオンラインサロン化しています(笑)
多拠点生活できなくても多拠点生活で得られる感覚を追い求めている人たちなので、みなさんすごいアグレッシブ。圧倒されます。
僕も今後、この状況に負けずにSharing Relations、豊かな関係性を求めて実験していきます。
ちょっとメモ
最後に僕がオンラインで豊かさを感じられる条件3つを紹介します。(これは今後変わるかもしれません)
①企み感がある
②非言語コミュニケーションがある
③オンラインの企画がリアルに影響する
ここら辺を軸に今後は実験していきますねー。
ありがとうございました。
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