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ソニーが『繊細な人の手を再現する マニピュレーター』を発表

ソニー株式会社が2021年「Sony Technology Day」で『繊細な人の手を再現する
マニピュレーター』を発表しました。

ロボットは、人と異なってどのくらいの力で物を持ったら良いのか加減を瞬時に判断するというのが非常に苦手です。

例えば、「水の入ったコップを握る」と例に取ると、人はその形状を判断してマグカップのような硬く重そうなコップなら強めに握ります。一方で紙コップの場合は力の入れずに持ち上げるということが出来ますよね。これがロボットには苦手でした。
「どの物だったら」「どのくらいの力を」「どうかければよいか」という判断するのは実は大変なんです。

今回『繊細な人の手を再現するマニピュレーター』はセンシング技術でそれを克服する技術を発表しました。「AIなどを使って学習すればいいんじゃない?」という話もありますが、AIは学習の結果を反映するものですので、さすがにありとあらゆる物を学習するのは現実てきではないですし、もの凄く大変です。
そこで、アプローチを変えて握る部分についてるセンサーでそれを実現したというのが非常に素晴らしいのです。

簡単に説明すると、ものを握る時に物体のどの方向に力をかかっているかを分析して、それを瞬時に計算し握る力を調整するというものです。硬いものは反動が強いので力を入れて、逆に柔らかいものは反動が弱いので力を入れずに握る。握ったらどの方向に力がどのくらい力がかかっているかをセンサーで計測して落ちないように調整するということも独自のアルゴリズムで計算するというもの。

掴むだけじゃなく、物体がどの様に置いてあるかもセンサーで計測して、持ちやすい方向からアプローチをすることも出来るので、移動しているロボットが「持ち損ねる」ということも無くせるとしています。

長く書いてきましたが、「SONYってプレステの会社でしょ?」「カメラや音響の会社だよね」と思われる方は多いと思いますが、犬がロボット「aibo」もあるように長い間ロボット技術の研究開発をしています。「SONYのロボット技術は世界でトップクラス」という人もいるくらいにロボットで必要とする技術を持っているのです。

今回のセンサーとは若干異なりますが、スマートフォンのカメラなどに搭載されている「イメージセンサー」の金額ベースのシェアは、2020年度は低下としたとはいえ49%となっています。(今後はスマートフォンだけではなく、自動運転技術の「目」として期待される分野となっている。

目に付きやすいゲームやカメラ、オーディオ・ビジュアルだけはなく、スマートフォンから車までSONYの技術は活きているのですね。

Sony Technolgy Day 公式サイト:


Sony Technology 公式YouTubeチャンネル: