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JR東日本が東京駅でバリスタロボットを公開

東日本旅客鉄道株式会社(以下:JR東日本)がJR東京駅地下の「銀の鈴広場」とJR横浜駅中央北改札内の「横浜駅JRE MALL Cafe」でロボバリスタ「Ella(エラ)」のテストマーケティングを2021年12月8日(水)から2022年2月28日(月)まで開催しています。


ロボバリスタ「Ella」はシンガポールのCrown Technology Holdings(以下:Crown社)が開発し、搭載されたロボットアームでバリスタが行う作業を一連の作業を無人化しているというものです。


「銀の鈴広場」に設置されてるのは完全自動のスタンドアローン型の『Ellea X』、「横浜駅JRE MALL Cafe」に設置されているのはインテグレーション型の『Ella Y』となっていて、今回のテストマーケティングではカフェオペレーションの効率化に関する効果を検証するとしてます。


「Ella」は専用のスマートフォンアプリで使った『モバイルオーダー』もしくは現地のタッチパネルで直接オーダーする『タッチオーダー』となっていて、モバイルオーダーはクレジットカード決済、タッチオーダーは交通系電子マネー決済でキャッシュレスでコーヒーを受け取ることが出来ます。


既に海浜幕張駅にある駅そば店「そばいちペリエ海浜幕張店」では、コネクテッドロボティクス株式会社が開発した「駅そばロボット」が既に導入されています。2本のロボットアームを使って茹でザルへの投入から茹で、洗う、閉めるという一連の調理工程をおこなうことが出来、1時間あたり150色のそばを作ることが出来たりします。


海浜幕張駅の駅そば店に導入された「駅そばロボット」

上記以外にも駅構内にある自社グループの店舗を使ったり、高輪ゲートウェイ駅自体を使って搬送ロボットや追随ロボット、消毒ロボットの実証実験を行っています。


特にJR東日本は駅構内へのロボットやAIを活用したデジタルデバイスの導入や実証実験の場の提供などベンチャーを含めた外部企業とのオープンイノベーション積極的に取り組んでいる企業の一つです。JR東日本はベンチャー企業を支援する「JR東日本スタートアップ株式会社」という子会社もあり、自社の資源とベンチャー企業のアイデアと技術をつなげる取り組みも積極的行っています。


コロナ禍前からJR東日本は実証実験を行っており、その大きな理由は「労働力人口の減少」が挙げられます。


前述した飲食や清掃については現状でも人手不足が言われています。特に機構内(通称:駅ナカ)にある飲食店は朝早くから営業をしている店舗も多く、人手を集めるのは輪をかけて簡単ではありません。


また、JR東日本を含めた鉄道事業者はアフターコロナを見据えた新しい鉄道事業への見直しにも迫られていて、各鉄道事業者にとって頭の痛い問題です。そのため鉄道事業単体ではなく、「駅」という既にある資産を含めて全体的な収益を上げる形にシフトをしていくといわれている中で、駅ナカにおいてロボットやAIを活用した効率化というものが今後より一層求められるており、特にファストフード的な時間がかけられない場面においての導入は急速に広がる可能性を秘めていると見ています。