「ベットトーク」と「String Bet」

記載開始日:2022/01/10

コロナ禍が海外各地で継続している最中、アメリカ本土では WSOP 2021 が無事完走した一方、
気が付いたら国内アーケードでは「ポーカースタジアム」が2022年2月末をもって閉場。
なかなか重い金銭で成立する世界との連動、21歳未満も裕に出入りする環境では半永続的に稼働させるのが難しかったのかもしれませんね…(遠い目

本音はWSOP 2021 開催中に当ネタは書き切りかかったのですが…
本職がなかなかに重い作業が振られたため、落ち着いて展開する時間が厳しくなり、気が付いたら年を跨ることに。
そこそこに悔しい思いをもしてますが、国内の諸々に呆れ気味な半面
自身のカバー度合いの低下にもゲンナリしてる昨今。

そんな中で朗報だったのは、小メインで 2/3821 まで来た日本人がで出た話ですかね。ソースはこちら。

毎年何かの高額入賞の報が出るのは嬉しい限り、富山在住ということで
何処か機会で鉢合えることを願いますかねぇ…(汗

年明けて初回のネタになりますが、今回は卓上での愉しみである「ベットトーク」を軸に展開してみようかと。
ライブは1ゲーム単位で切り替えることが可能ですが、トーナメントだと長丁場なのでどこかで噛み合わせのズレが発生して、不利な流れを持ち直すのに手間取ると
どんなに上手い手段を持ち合わせていても飛ばされてしまいます。
(噛み合わせのズレを利用して押し切るのも一興かと思います)

とはいえ、ベットアクション以外の言葉を使うのは卓上では厳禁。
それが「String Bet」と言われています(日本語だと「三味線(しゃみせん)」が同義)。
Nuts Hand があるのに「持って無い」と発言したり、無いのに「ある」と発言するのが判りやすい例。
ベットアクション外で行うのは、御法度なんですね。
(金銭が掛かる卓上だと、紛らわしい行動はすぐにクレームが飛んでくる世界で
ピットボスやディレクターを納得させないと勝ち金が貰えなかったり
状況によっては一定時間退去を命じられる場合も。)

また、アクションに不正や(2段ベットなどの)紛らわしさが無かったとしても
ディーラーが腑に落ちないと次のゲームがなかなか始まらなかったりすることがあったりして、
促すにもディレクターの助けが出てきたりすることは…国外だと稀なんですかね、カードディーラーに権限があればの話だと思ってます(汗
(プレイヤー同士で揉めた時に初めてディレクター呼び出しが通例?)

ここでは自身が始めた当初で未だに印象が残っている事案を書いていこうかと思います。
始めた当初は参加者が然程多くなくカード・ディールに徹する担当を別途で依頼することなく、プレイイング・ディーラーが常時存在していました。

Blind Order は自分のプロフィール先頭記事と同様に 200-400 だったでしょうか。
この時は自分が BB で、Hand は 64o 。
2人程後ろのプレイヤーから Minimum Raise(Make 800) が飛んできています。

手前の2人は Fold 済みで、以降は SB 含む4~5人が Fold。
私は総手持ちが 4000 点より若干↑のため、 Blind を守りたいがために Call。

Flop   : Ax 3x 5x(rainbow)

ここで私が取ったアクションは
"Straight 引きに行きたいけど足止めしたい、仮に Raise で全額要求されても行きますよ?"
の意味を込めて Bet 1000 。
イマドキでいうと Donk Bet とも言われますが、意味が通じたのか Call で止まり Turn Card ラウンドに。

Turn : Jx(確か rainbow suite)
決まっていなくても、Fixed Limit なら手前で主張しているのもあり
Bet も充分あるのですが、No-Limit Order なので感づかれないように堂々と「Check」。
相手は相当強かった模様ですが、「Check」で回ります。

River: 7x
待望の River Nuts が到着しましたが、全部入れずにそろっと Bet 1500 。
聞きたいがための Call をしやすそうな額を余計な事言わずに入れ、相手も然程時間かからずに Call。

全てのBet Round が終了して先行で「Show down.」と言われたので
手に関する言葉を発して open 。
「○○さん、nuts ですよ?」
プレイイング・ディーラーは "" の内容を把握していないわけで目が点。
相手も呆れながら開けてきたのは Ax Jx でした。
(Turn でぶち込むことが可能かと思ったので、足止めベットが利いていたのかもしれません。
何かの Trips [33 とか 55] や AQ/AK も考える必要があって River で Jx 辺りが落ちた時に
逆に追い込むことを考えての受けだったかと思われます)
実際、当事者はこの場では窮地に追い込まれて程なく Burst しますが、
後に WSOP の Senior 限定 Tourney で 決勝卓に残ったり AJPC 初期でも名前が上がるほどの実績を残しています。

当時はプレイイング・ディーラーから「なぜ Nuts がある??」というツッコミに対し
長い説明は宜しくないと思い、しれっと「え?いやぁ…あるんだもん(汗」と返していたりします。
相手の手にもかなりビックリしましたが、Turn で残り全額要求されても行く腹積もりが無い限り危険なアクションでもあります。
ここらへんは年間リーグなのでここがダメで飛んでも諦めて次開催に期待することが出来ましたが、後がない状態だとこのアクションを起こすのは難しく。
だからこそ、日ごろに余裕を持たせる(ダメなら諦めて時間を置く)必要があったりします。

ただ持ち点の有利・不利を駆使してのアンマッチ・ハンドでのアクションは
序盤や中盤だと効かないことが多いので、無意味な状況では避けつつ
上記のようなベット・トークを兼ねたセミブラフからの巻き込みを狙って持ち点を積み上げて
入賞間際、賞金アップ間際、ファイナルテーブル間際でのポジション・ベットを有利に持っていくのが
トーナメントの基本線であり醍醐味だったり。

言い合いや罵りあいでの揉め事なく、その場その場で沿った「ベット・トーク」を紡いでいく習練を重ねて技能を固めていければこれ幸い。
合致した時の気持ちよさは何物にも代えがたいですが、
回数を重ねてアクションを少しでも理解を進めさせる作業も必要かと思っている昨今です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?