見出し画像

学年や専門に捕われない学び【UGIP体験記】

UGIP地域滞在型アメリカチームに一年生として参加した遠藤(右端)と申します。参加当時は文科三類の一年生でした。
本記事では、まず私の参加したアメリカチームの活動の外観に加え、学年や科類を理由に参加を躊躇している方に向け、実際に一年生として自分と全く関係ない分野の課題に取り組み、感じたことを紹介していきます。

活動概要

前提として、地域滞在型アメリカチームには、私の参加したUS-1チームや、既にnoteで紹介された今泉さんの所属するUS-2といった複数の班が存在します。今回ご紹介するのはUS-1の活動記録になります。

私たちに与えられた課題は「空気質に関するビッグデータを解析し、新しいサービスソリューションを提案する」でした。
どのような課題が与えられるかは事前に選択できず、初めてこれを知ったときには自分が普段受けている講義とのあまりの関係なさに戸惑いを覚えたのを記憶しています。

私たちは主に2カ所で活動しました。まず、最初の1週間はUS-2(別のチーム)と共にシリコンバレーにてアメリカに於ける空調市場の特徴、DAIKINの経営戦略に関しての説明を受けました。この1週間の主目的は、その後行うサービスソリューション提案の為の事前知識獲得です。しかし、それ以外にも実際に社員の方がミーティングを行っている風景や、世界各地の支社を交えて経営会議を行う風景も見せて頂きました。

2週目からはミネアポリスへと移動し、現地の工場にてビッグデータを受け取りました。ここからは1週間後に控えている最終発表に向けて、与えられた部屋で担当のスタッフの方と共にデータの解析とソリューション提案、発表資料作成と怒涛の作業が続きました。

画像1

ミネアポリスにてデータ解析に勤しむ風景

実際の手順として、「空気質のビッグデータの解析し、新しいサービスソリューションを提案する」ため、良質な空気質とはどういったものなのかを話し合い、さらにそれをセンサーから得られるデータで示すにはどうすれば良いか。そうして得られたデータを、顧客への新しいアプローチとして応用させる方法に関して検討しました。

最終的に、3人のメンバーがそれぞれ新しいサービスソリューション案を発表しました。例えば「自動的に体温や二酸化炭素濃度を感知し、睡眠中に最適な空気質を維持するセンサーの作成」「広い食堂を持つレストランに向け、食堂の場所ごとに温度や湿度をコントロールできる空調システム」などを提案しました。

正直なところ、スケジュールの遅れや、主張の根拠となる文献検索で半日消えるなどの困難もありました。発表後には、折角3人で仕事をしているのだから、もっと「良質な空気質」に関する定義づけの話し合いをしたらよかったといった反省点が生じました。

一方で、大学の教室では得られない気付きもありました。
例えば、部屋にこもってデータを扱っていると、実際に顧客が利用する状況を見落としがちになってしまう。研究データを見て捻り出しただけの案は単なる机上の空論にすぎないかもしれない。こうしたことは、先行文献を洗って引用をもとに組み立てる大学の課題では中々得られないものです。

一年生で参加するということ

画像2

最終発表後、お世話になった皆さんと共に

皆さんの中には、一年生の段階でいきなり海外インターンに参加することに、「早すぎる」もっと大学で勉強をしてから参加した方が学ぶものが多いはずだ」と感じる人がいるかもしれません。
確かに、専門を極めてそれを生かしてインターンに参加することで、その分野に関する新たな知見を得ることができるでしょう。

しかし、一年生でこうした海外インターンに挑戦することは、その後の学生生活を充実したものにする上で非常に役立ちます。

例えば、先述した研究データだけを見ていても有効なサービス案を提示することはできないという学びから、今自分が学んでいる学問が実際に社会でどう応用できるかを考えるようになりました。

加えて、インターンは課題だけが学びの場では有りません。

今回私に与えられた課題はデータ解析や空気質の分析など、理系的ないし、やや専門的な要素が強いものでしたが、実際に仕事を行う上で人と人が関わる行為、特に異なる文化圏の人間同士が関わる職場の性質上、文系の要素も含む複合的な活動が求められます。

異なる文化や社会で仕事をしてみると、日本との「仕事」に関する考え方との違いに大いに戸惑うでしょう。例えばアメリカでは、日本より転職が盛んだというのは聞いたことがあると思います。根っからの日本人の私は、せっかく教育して育てたのに会社から出ていくなんて、とネガティブな考えを持っていました。しかし、現地では転職を通して様々な専門的スキルを身に付けた人材が育成され、社会全体として成長するという雰囲気があり、決してネガティブなものではない、むしろ社会に資する制度として受け入れられていたのは新鮮でした。

今回、UGIPに参加し、グローバル企業たるDAIKINの職場を生で見た体験は、大学で勉強を進める上で社会とのつながりを忘れてはいけないことや、話を聞くだけではわからない現地の習慣が持つ社会的意味への着目といったことを教えてくれました。
インターンから一年が経ち、進学選択を終えた今だからこそ、一年生の間にこうした「分野に関わらず、学問をする上で気をつけるべき事柄」を学ぶことの大切さをしみじみと感じます。

一年生で専門が決まってない人、二年生でこれから専門分野に進む人で、学年や知識の不足を理由に躊躇している方がいらっしゃれば、私はお伝えしたい。

「だからこそ、今、UGIPに挑戦してみてください』と


アルムナイ紹介

画像3

遠藤 晃平
1999年生まれ。2019年文科三類に入学→文学部言語学科へ進学予定。
入学後すぐに開かれた海外留学説明会で偶然UGIPに出会い、次の日には参加を決意。
UGIP申し込み時はTOEFL未受講のため、英検の資格で登録。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?