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「ぴの」が日本に来るまでにこなしたタスク:(後半)

さて、ぴの吉の大冒険のおはなし。前半に続きまして後半、来日までの流れについても書いてみたいと思います。

4. 到着予定の空港に書類を提出

帰国予定日の40日前までに、日本での到着予定の空港付の検疫所に届出書を書きます。例によって、動物検疫所から書式などはダウンロードできますので、それを活用しました。ほどなく、検疫所の方から「ぴのちゃんの輸入について」という件名でお返事をいただきます。んー、ペットの移動でも「輸入」というのか…しかしぴのには「ちゃん」をつけているし…とかなんとか思ったことを記憶しています。さて肝心のメールですが、かなり丁寧に対応してくださいまして、前回の記事で触れた抗体値の結果の証明書のPDF提出やこちらが書いた書類上の不備などがないように、細かく見てフィードバックしてくれました。

また当然のことながら、この時までに航空券の確保が必要になってきます。とりあえず帰国便を確定している方がぜったいにいいでしょう。なぜかというと、帰国日などがずれて書類上の来日時とずれると、ぜんぶ手続きが無効になってしまうリスクがあるからです(変更届を出せばなんとかなりそうでもありますが、帰国前後はそれでなくてもバタバタするもので、個人的にもお勧めしません。さっさと航空券は買って確定させてしまいましょう)。

僕は帰国便、ターキッシュ・エアラインズになりました。他に選択肢は事実上なかったとも言えます。この便に関してはオンラインでではなく、旅行会社を通してペット同伴であることを事前に伝えてもらうようにもしました。これまた、当日いきなり空港に行って「すみませんペットも同伴で…」とはいかないのではないかと思います。何事も先手を打っておくほうがぜったいいいでしょう。

5. 狂犬病ワクチン注射の期限に注意する

この注射は、1度打てばいいというものではないのだそうで、有効期限があります。動物病院にも確認をとりましたら、有効期限は1年間ということで、ぴのが最後に狂犬病ワクチンの注射をしたのが2018年12月20日ということでした。本帰国日は2020年1月15日なので、何もしなければ帰国日にはワクチンの有効期限が切れてしまうわけですね。

ということで、最初にワクチンを打った日のちょうど1年後に動物病院からもお知らせのメールが来たこともあったので、よいタイミングとばかりに追加のワクチン注射を打ってもらいに行きました。当然ながら、ぴのはとてもいやがりました。それはそうですね。注射が好きな生き物は存在しませんから…

ともかく無事に追加のワクチン注射をしてもらったら、最初に提出した届出書の内容に変更があったということで、変更届を別途空港の検疫所にメールで送りました。これで一安心、あとは忘れずに帰国10日前の最終検診に向けて心の準備をしておきます。しもべ自身も、この頃になってくると自分の帰国準備、またお世話になった人たちへの挨拶回りなどがあるので、精神的にはだいぶ追い込まれます。ぴのに最初に埋め込んだマイクロチップがちゃんと読み取れるかどうかも、まめにチェックしていました。

6. 10日前になったら最後の書類の取得に

いよいよ帰国が間近に迫りました。空港検疫所からもアラートのような内容のメールが届きました。動物病院に行って、出国に必要な書類を作ってもらいに行きます。1週間前くらいに動物病院に行きましたら、「トルコでは出国48時間前に行かないと裏書き条項(要するに許可しましたよ、というスタンプ)が無効なのです」と言われたので、本番は帰国の2日前。朝早く動物病院に行って、そこから獣医さんと一緒に関係省庁に向かいました。結局カバンから出されることはありませんでしたが、ぴのも一緒にその関係機関に必要があるということだったので、当日はいやがるぴのをなんとかカバンに押し込んで、動物病院→関係機関→動物病院と移動、移動。なお書類取得には手数料950リラかかりまして、これも現金で用意しておく必要がありました(獣医さんから事前にお知らせは受け取っていた)。うーん高い。が、まあ仕方がありません。なんせぴのは大事な家族の一員なのです。

振り込み自体は獣医さんがやってくれました。裏書きのある書類、抗体値の結果証明書、振り込みましたという領収書(←これが地味に飛行機に乗る前の手続きで必要な書類だから、ぜったいなくしてはいけない!)、全て大事に一つのファイルにまとめて、自分もトルコでお世話になったみんなにあいさつして、少し涙ぐんだりもしつつ、さあ帰国の日です。

7. 帰国当日:感傷にひたるどころではないの巻

あっという間に帰国日を迎えたという感想を持っています。なんせ、最終日は住んでいたアパートの引き払い、家具の搬出などなど(家具は二束三文で売ったので)と、頭がパンクしそうになります。ご近所さんたちにもお別れのご挨拶をしました。みんないい人たちだった、ということがこの日に痛感させられます。きびしい1日です。

事前に旅行会社が、空港までの車を手配してくださっていたので、いよいよ全て片付いたらその車へ。1時間弱で到着しました。

なお、友人(先人)の勧めもあったので、今回はアンカラの空港では初めてラウンジを利用しました。これが大正解。空港で1番心配していたことは、ぴのを暴れさせず、また逃げさせずにどうやってセキュリティチェックを通過するか、ということでしたから。ラウンジは通常のチェックインの場所とは違う敷地なので、比較するとかなりゆったりとセキュリティを通ることができました。バッグからぴのを出す必要があったはずですが、どういうわけだかここでは出さずに通過できました。たぶん何かの手違いだった気もします。とにかく、エクストラでお金を払ってでも安全に通過するに越したことはないということで、納得しています。

数時間の待ち時間の間に、不安そうに鳴いてたまにかばんのなかで暴れるぴのを横目に、こちらはメールなどを送ったり、最後にお礼のメッセージを関係者に書いたり。

そして、アンカラからイスタンブルまでの最初のフライトです。これはまだ大丈夫。1時間少々のフライト、これならさすがのぴのでも耐えられるだろうと思っていました。

8. イスタンブルからの出国便搭乗

さあ、リニューアルした超でかい空港、イスタンブル空港です。ここでの心理的な関門は3つ。(i) 自分の出国手続き、(ii)出国後のセキュリティ通過、そして(iii)飛行機搭乗前の書類のやりとり。

(i)も、地味に気がかりではありました。なぜかというと、帰国の数日前に、勤め先(アンカラ大学)から、身分証明書(労働許可書、および職員証)を返却するように要求されたからです。これは仕方なかったようなので、ちゃんと帰国日までに労働許可があったという書類を出してくださいね、とお願いしておりまして、結果的にはそれを見せて審査官が納得してくれたということに。まずは自分の出国が完了です。さあ次が(ii)。

(ii)も、無事になんとかパスしました。知り合いにいただいていた大きめの洗濯ネットが功を奏しました。おかげで、暴れることなくぴのを抱き抱えてセキュリティを抜けることができました。

係官は笑っていましたが。「そんなネットに入れないといけないもんなの?」とかのんきなことを聞かれたので、「ええそりゃもう」と真顔で返事しました。

彼ら、おそらく犬や猫の挙動にはほとんど関心がないと思うので、いざというときのためにできる準備はぜったいしておいたほうがよさそうです。あの巨大すぎる空港でどこかに逃げられでもしたら、もう絶望しかないですからね…

無事にセキュリティを抜けて、ふたたびぴのをバッグの中に入れた時は、歓喜のあまりその場で「バンザイ」と(いう意味のトルコ語で)叫んでしまいました。ぴの吉にもトルコ語でAferin sana, seni çoooook seviyorum... などと言いながら、超ほめまくりました。

そして成田行きの便。日本人とおぼしき、同胞たちがたくさんいることに少し安堵感なども覚えつつ、「おまえはねこと同伴だな…ちょっとこっちへ」というので、いよいよ最後の関門、(iii)へ。必要な書類などを提示します。トルコ側に提出する書類、それと払込をしているという証書をチェックされました。座席が通路側を希望していたのに、実際は窓側になっていることなどにクレームを入れたのですが、これは規則なので仕方ない、と一蹴されてしまうなどしましたが、ともかく、ここも問題なくパス。無事にぴのも出国、TK52便に乗り込みました。

座席に無事座ったあの時の安堵感、おそらく一生忘れることはないでしょう。

さて、ここから12時間近いフライト、さらに成田空港での検疫、ペットホテルでの宿泊など、まだ今落ち着いている長崎の実家に着くまではいろいろあったのですが、ひとまずはここで一区切りとしましょう。

しかし空港を出るだけで、これだけの文量になりましたね…読者のみなさまにおかれましてはここまでお付き合いいただき、大変感謝いたします。ではまた。Görüşürüz!

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