見出し画像

「自己決定」を大切にする先輩にちょっと質問してみた【インタビュー#2】

こんにちは!UGATSUです。
2回目のインタビューでお話を伺ったのはこの方です!

<プロフィール>
ぴこ
長崎県出身。ダンスインストラクターを4年半務めた後、ピースボートで世界一周を経験した。
帰国後はボーダレスジャパンでエシカルブランドに従事する傍ら、社会起業家養成所のプログラムも受講。
現在はco-ba ebisuとPOOLO4期のコミュニティーマネージャーとして活躍している。



ダンサーからコミュニティマネージャーへ転身する旅

── ぴこさんは多彩なキャリアを歩まれていますよね。それぞれの仕事に就くまでの経緯を教えてください。

長崎県出身で大学も県内で出ているんだけど、親が結構厳しくて。
親から県内での就職を勧められて内定も出たんだけど、本当にやりたいことじゃなかったから内定を蹴って、福岡でダンスのインストラクターを4年半していたんだよね。「会社員には絶対なってやるもんか!」って。
それだけでは食べていけなかったからアパレルと兼業したり、事務職をしたりもしていた。自分の世界が広がるワクワクを感じていたのも事実。

ただ、当時勤めていた会社は残業が多いブラック企業で、ダンスがなかなかできなくなった。時間・体力的にも気を遣ったけど、大きかったのはよくない言葉のシャワーを浴びていたこと。
当時はおかしいと思わなかったけど、ダンスの振り付けが浮かばなくなるとか、精神的にも体力的にも限界が来て、ダンス留学をする名目で退職することを決めた。


ダンサー時代のぴこさん(左)

でも、ダンサーとして尊敬する人はいたけど、ライフスタイル(生き方や働き方)として参考にしたい人が当時は見当たらなかったんだよね。ダンス講師の仕事も楽しかったけれど、やっぱり教えることよりも、自己表現している時が楽しかった。

日本でダンスで食べていく上で選択肢として挙がるのは、バックダンサーやダンススタジオのオーナー、テーマパークダンサーだった。どれも素敵な仕事だけれど、仕事たるもの、どこか依頼元やお客さんの存在ありきのもので、自分が直球でやりたい“自己表現”ができるものとは違っていたんだよね。
ピュアな“好き”をゆがめてまでダンスを仕事にしたいと思えなくなって、ダンスじゃない分野で挑戦しようとていくことを決意したんだ。

そんな時に、学生時代に書いた「世界の行きたいところリスト50」を見つけた。
当時26歳。その行きたいところというところに一つも行けていなかった。当時長く付き合っている彼がいたけど、もしこのまま結婚でもしたら、私の世界は、長崎や福岡の小さなコミュニティの中で終わるのかと思うと、「そんなはずない!」と奮い立ったの。

調べていく中で見つけたピースボートで世界一周して、帰ってきてからはボーダレスジャパン(ソーシャルビジネスを通じて社会問題の解決に取り組む、社会起業家集団)でビジネスレザーファクトリーのお仕事に携わって。
同時にボーダレスアカデミーという社会起業家養成所のプログラムを受けつつ、POOLO1期にも参加した。


ピースボートでギリシャ・サントリーニを訪れた際の写真

起業プランシートを描けば描くほど、自分らしさが消えていくのを感じたの。
プランシートに書いている“描きたい世界”に嘘はないのだけど、それを起業して実践している自分の姿を想像したときに、自分自身が笑っていなかった。“描きたい世界”が本当でも、「自分がどうありたいのか」、「自分がどのポジションでその世界に携わりたいのか」、ここの部分に“Why me”の軸が通っていなかったら、自分自身が幸せに世界を描くことができないのだと思う。

そんなこんなで、好きなことを仕事にしたら、それはそれで苦しくなった経験があるし、起業したとしても未来の自分の幸せが描けない、ということで、POOLOの活動を通して、改めて自分の“ありたい姿”に本気で向き合い直したんだ。
POOLOでのコミュニティ活動や、知人が運営するコミュニティの立ち上げにサポートで入ったりしているうちに、「人を温めるコミュニケーション」がとても素敵だと言って場づくりの仕事に誘ってくれる人が現れて、今では自分自身の個性や強みを存分に発揮しながら、co-ba ebisuとPOOLO4期のコミュニティーマネージャーとして、幸せに働いているよ。


自分の個性を犠牲にせず、社会や組織で輝くための鍵

── これまであらゆる挑戦を決断されていますが、きっかけは何だったのでしょうか?

ずっと自分の中での課題感は変わっていなくて、特にキャリアの転換の時は「自分が自分らしく個性を解き放って生きているか」ということを指針にしてきたんだよね。
ずっと親も厳しくて、進学校に通っていたから担任の先生も味方してくれなくて。小さい頃からダンスが好きだったけど、なかなか周囲の同意を得ることができずに自己決定をできる環境が大学までなかった。

だからこそ「自分自身の個性を出して生きていく人生を自分で選び取るんだ」という想いが、小学校から高校までの間で発酵していったって感じかな。
自己決定をしているかどうかって、私の幸福度に直結しているなあと思っていて。
自分の個性を削って「社会に迎合する」ことへの反発・反骨精神が発酵し続けていた18年間っていう人生だったんだよね。


子ども時代のぴこさん(か、かわいすぎる……!)

── 「社会に迎合する」とはどういうことでしょうか?

私の中では「社会に期待されることや役に立つスキルを優先すること」かな。
ただ「社会に迎合する」ことに悪いイメージは全然持っていなくて、誰かに必要とされるために苦手なことも努力することが必要な場面もあるよね。ストレッチゾーンみたいな。

── ぴこさんの中で「自己決定」と「社会への迎合」はどのように折り合いをつけていますか?

実はまさに今、自分の腹落ちする歩み方で社会に迎合しているフェーズかなって思っているの。
今までスプレッドシートでKPIを管理とか全く興味なかったんだけど、職場の人は仕事の内容を「この指標ってコミュニティに種を蒔いているんだよね。お水をあげているんだよね」って、”ぴこちゃん言葉”に置き換えてくれていて。
だからこそ腹落ちしながら、社会から求められる価値を発揮できるように今はなっているのかなと思う。

── そんな状態になるのって結構難しいと思うのですが、どうやって今の状態を作り上げられたんでしょうか?

いくら好きな会社でもポジションが違えば息を吸っていられないし、好きな仕事をしていても一緒に仕事する人が合わなければ居心地も悪いでしょ?
だからこそほんのちょっとした違和感でも逃がさずに、都度都度どうやったらこの違和感がなくなるのか、向きあって行動に移してきたかな。

”社会に迎合していない自分”を開示した上で、「ぴこちゃんの本当においしいところを活かしたい」と思ってくれた人が「その良さをここでこうやって活かしてみてね」と言ってくれるから、違和感を覚えていないんだと思う。

実際、面接では必ず「できないこと」を明確に伝えるようにしていて、それでも本当の意味で「ぴこちゃんがいい」と言ってくれたところで頑張るようにしているよ。


co-ba ebisuでコミュニティマネージャーとして働くぴこさん(赤いはっぴ)


自己決定は自分を愛する手段

── ぴこさん流の自己決定をするプロセスをぜひ教えてほしいです。

①自己理解
②言語化
③他者に発信

この順番で考えてる!
「自分が踏みたい階段をちゃんと踏んでいるかな?」「心と体のベクトルが合っているかな?」って自分の心の状態をしっかり確認して(自己理解)、自分にとっての幸福がどういう形かを言語化した上で、周囲に発信していくよ。

自己決定は自分を愛すること。つまり自分を幸せにするってことだから、自ずとスキルが身につく。それなら自己決定できた方がいいよね。


「POOLO仲間のおかげで自分らしさ全開に」と話すぴこさん。
弾けた表情が物語っていますね

── 挑戦することへの恐怖ってそもそもありますか?

自己決定をせずに生きる方が怖い!って思うかな。
違和感を放置せずにしっかり向き合って、自分で自分を愛して、自分で人生を選んできたからこそ自分が一番の味方で、自分を信じているからこそ恐怖とかは感じないかも。
「自分を幸せにする自信がある!自分を幸せにするのは自分しかいない!」と思って、その階段を積み重ねていく感じかな!

── 挑戦したらきっと困難もたくさんあったはずです。どう困難を乗り越えてきたのでしょうか?

私は凹凸が大きい分、地道な自己開示を積み重ねて、少しずつ身の回りの人に自分の人生の価値観を理解してもらっていったんだよね。
結構社会に適応するのに苦しんだ期間が長かったけど、地道な自己理解と自己開示を続けたおかげで、自分も周りも、ある種“ぴこの活かし方”や“取扱説明書”が浸透していって、自分自身がフィットする環境や人が集まるようになったんだと思う。
長い間、自己決定がなかなかできない環境に苦しんできたけど、少しずつ応援してくれる人が増えて、私の自己決定を揺らがす人の声が聞こえなくなっていった気がする。

自己理解した上で自分の言葉で発信することは自己決定の追い風になるし、めちゃくちゃ大事だなと思っているよ。
少しずつ自分の在り方や自分の決定したことに自信がついてくるし、“自分が好きな自分”でいる時ってキラキラした目をしているから、不思議と周りも助けてくれたりするんだよね。

屋久島で「わたし、世界一周する!」と心に決めた日


異なるタイプの人と出会うことで考え方が変わる

── これから挑戦しようと思うけど何から始めたらいいかわからない場合、ぴこさんならどうしますか?

たとえ0の状態であっても、やりたい気持ちがあるならとりあえず飛び込んでみるのがいいんじゃないかな!

── 挑戦前にやっておけばよかったことや、これはやっといてよかったということはありますか?

実は、元々は準備して完璧を見せる完璧主義だったんだよね。
ただピースボートに乗っていた時に「完璧に見せることで壁ができて、想いや感情が伝わりにくいもったいない」って言われて壁が壊れた。
ピースボートではそれまで関わることがなかった、もっと言うと関わりたくないと思っていた多様な人たちとも3カ月間、強制的に一緒に船の上で暮らさないといけなかったから、完全に価値観が崩れた時間だったな。

それまでは高いプライドが障壁になっていたんだけど、無防備な自分をさらけ出せる環境を大切にできるようになった。


ピースボートでコロンビア・カルタヘナの避難民のコミュニティを訪れた際の写真

── ピースボートが殻を壊すきっかけになったんですね。ありのままの自分をさらけ出すってなかなか怖いと思うんですが、どうしたら壁を崩せると思いますか?

違う人生を生きている人とお互いの楽しいをシェアして共有してみるとか、全く違うタイプの人に出会ってみるのがいいかも!
あとは、好きな事では負けない、続けられる自信がある、コツコツ努力できる・してきた実績があるからこそ、ありのままの自分にゆるぎない自信があることも大事かなと思った。

── 最後に、これから挑戦する方に対して一言お願いします!

自己理解は、自分を幸せにするスキル!
自己開示は、最強の可愛がられスキル!
自己決定は、自分の人生を愛するスキル!

── ぴこさんへのインタビューはここまでです。ありがとうございました!
次回のインタビュー記事も絶賛準備中!お楽しみに〜!


▼ぴこさんのTwitter


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?