心の世界
テオドーロの心の世界⑶
飛行機は夜の便にした。一人だから。また、始まったな、旅が。
とりあえずパリだ。
今、もう会えない時間がどれくらいになるか分からないあなたに、置き手紙をしてる。
大好きなあなたへ
今日は何をしていましたか?
あなたはコーヒー好きな僕と違って 紅茶を入れて、好きなCDを聴きながらくつろいでいると思います。
とても 会いたいです。
少し旅に出ます。友達が来てもいいと言ってくれたので、頭と体を休めに…。
なんだろう、書きたい事が沢山あったはずなのに 何も浮かばなくなった。
僕はやっぱり はあなたの前では 無力な人間でしかありません。あなたは 強くて、立派で、それでいて優しい。頭も良くて、なんでも知ってる。僕自身 本当はなんの力にもなれないなんて、もっと早く気づけば良かったのにね。
そしてきっと、あなたに必要のない人間だった事、僕が一方的に好きになってしまった事を、それがいつか、あなたを困らせていた。心から謝りたい、ごめんなさい。
少しの間、あなたを忘れる事にします。出会いは二月でしたよ。数年前の。そして今日、二月の最後。毎年二月は思い出がいっぱいだった。
明日からは三月が始まる。僕も、三月を始める。パリで。
また 会う日まで。本当に さようなら。
テオドーロ
2024/02/29 ニュルンベルクにて
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