約束ではない、なにか。
初めて生け花に触れたのは
小学校の高学年のころだった。
その頃から、家の玄関には
綺麗に整えられた花たちが
飾られるようになった。
私は小さな小さな剣山に
一輪の花をさして飾ったのが
初めての作品だった。
それから展覧会に足を運び
池坊、小原流、草月の流派を知り
表現方法の違いが何処からくるのか
そんなことに興味をもっていた。
お花は散ってしまうから悲しいけど
月並みな言葉だけど、だから綺麗だった。
生け花に触れて学んだことが2つある。
1つ目は主役と引き立て役に優劣がないこと。
一輪挿しでは出せない魅力があった。
2つ目はお花のある生活には、心の余裕と
ある程度のお金の余裕が必要ということ。
大人になったいまでも時折
小さい頃の自分の気付きを思い出して
今の自分はどうだろうと問いかける。
あの頃の自分を裏切らないように。
だけど、もしそうなったとしても
あの頃の自分は笑って許してくれるだろう。
そんな声が聞こえてきそうだ。
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