あなたが死んでも、今日はいい天気。

月一の朝、定例会議の日。
コーヒーを片手に開始を待つ。
毎月のこの時間は憂鬱だ。

まだ議題に入る前の静かな時間
上司が言葉を切り出した。

「訃報があります。」

それから淡々とした、報告が始まった。

誰が、どうやって、いつ亡くなったか。

その報告された「誰が」は
会社で私を可愛がって
くれていた人だった。

一瞬で頭が真っ白になる。
え、訃報って…あの訃報?

***

気がつけば1時間が経って、
いつの間にか、会議は
終わっていた。

席を立ち、コーヒーを入れ直す。
その時、ようやく理解が追いついた。

あの人は、本当に亡くなったんだ。

常に仕事に没頭していたあの人は
果たしてその生き方に後悔は
なかったのだろうか?

もう、その答えを聞くことはできない。

キッチンでコーヒーを淹れている間、
フィルターから落ちる滴を眺めていた。

その瞬間、深い悲しみが襲ってきた。

コーヒーの香りが部屋を満たす
晴れやかな外、春らしくなってきた。

悲しみと、日常の矛盾した
感情がただただ悲しかった。

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