HD韓国造船海洋


企業概要

世界最大規模の造船会社。子会社に現代重工業(HHI)、現代三湖(Samho)重工業(HSHI)、現代尾浦(MIPO)造船(HMD)。


決算内容

QoQで売上-7.9%。営利は横ばい(2.9%)。純利益では為替差益もあり黒字確保。
1Qは季節性で稼働日が少なく、売上が出にくい。
個別で見ると、SamhoはQoQで利益率が6.3%→10.9%と上昇。
Mipoは-6.3%→-1.5%と赤字縮小。
2Qは1Qよりも売上が大きくなるので、両社とも次の決算はかなりいい数字を期待できそう。
一方、中核企業の現代重工業の数字はあまりよくない。
オフショアプラント部門が、産業事故の影響もあり大幅な赤字で足を引っ張っている。
現代重工業の造船部門では利益率2.1%→3.7%と利益率改善はしている。
造船部門を細かく見ると軍艦部門の利益率は14.9%とかなり高い一方、
商業船部門は2.7%とまだ低い。
安値受注したという記事も出ていたカタールプロジェクトの影響がどのくらいまであるのかという点までは未調査。
たしか第一次契約の納期は26年までだったはず。
もっとも、現代重工業は決算後、レーティングの引き上げがあり、8.9%の上昇となっている。
韓国造船海洋の過去数年の株価を見ると、下限70000ウォン、上限150000ウォンのボックス相場で推移。
現在の株価は129000ウォン。底値から2倍にもなっていないレベル。
日本の造船銘柄に比べるとまだ利益率も低く、それゆえに株価も上昇していない。
たとえば現代重工業の造船部門の利益率は3.7%だが、名村造船所の直近四半期の利益率は14.09%。

同業他社比較としては利益率上昇がまだな会社もあるので、PERで比較するよりも、PSR(時価総額/売上)で比較するのが妥当だろう。


HD KSOE 0.42倍
ハンファオーシャン(韓国) 1.34倍
CSSC(中国) 1.7倍
名村造船所 1.01倍


となり、KSOEの安さは明らか。
ところでハンファオーシャンはKSOEよりも時価総額で大きいのだが、これはどういう値付けなのだろう?
企業規模が小さく利益率も低い会社のほうが評価されているのはなぜなのか?わからない。
最近の米中対立により、米軍の海軍艦船の造船を韓国、日本に担当させるかもという話が出てきている。
収益化するのはまだ先の話だろうが、こういった点も追い風になるのでは。


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