協力したいと思わせる人間関係作り:カーネギーを読む①
今更感ありますが、こちらの本を丁寧に読むことにしました。
デール・カーネギー著「人を動かす」
です。
実は一読はしたことがあります(10年前ぐらいかな?)。
その時は「はぁー、なるほど」ぐらいにしか思っていませんでした。
というのも、大して実践してなかったですからね苦笑
自己啓発本の金字塔の一つと言えるでしょう。
自己啓発といえば、こちらが有名かもしれませんね。
アルフレッド・アドラー(アドラー心理学)です。
「嫌われる勇気」はベストセラーで、確か長い間書店のランキングに鎮座し続けていたような気がします(続編の「幸せになる勇気」の方が私は好きです)。アドラー心理学は岸見先生がまとめた一連の著書が有名ですが、プロ向けの人にとって有名なのは野田先生かもしれません(昨年末に亡くなっていたのですね・・・)。
野田先生はいわゆる精神科医としてアドラー心理学を取り入れていたので、自己啓発ではなく治療としてアドラー心理学を取り入れたいという人は野田先生の方がしっくりくるでしょう。
話が逸れました。
アドラー心理学が「どう生きるのか」ということを問うているとすれば、カーネギーは「いかに振舞うべきか」を教えてくれる書です。
ただし、
言うは易く行うは難し、
です。つまりここで書かれていることを誠実に実行できる人は多くないでしょう。
カーネギーが書いていることは、言われてみれば当たりまえなのですが、習慣化して実行に落とし込んでいくのには時間が掛かるでしょう。
そう、大事なのは、習慣化していくことです。
習慣化することに関する本は、こちらがおススメです。
小さなことでも習慣化することで大きな財産になっていく。
そのことを教えてくれる本です。習慣化は一日にしてならず。
途中でやめた習慣も、諦めそうになっている習慣も、諦めるのもバカバカしくなるほど小さなアクションからやってみませんか?
そうしたことを教えてくれる本です。
さて、話が逸れました(いつものことですね笑)。
今回、こちらを読んでいきます。
エッセンシャル版で、ポケットにいれて持ち運びものを選んでみました。「人を動かす」のエッセンシャル版でないものも買っておこうと思います。
さて、早速内容に入っていきます。
2.協力したくなる人間関係を築く
家族や友人や同僚のやる気を起こさせる唯一の方法は、協力したいと思わせることだ。そして、感謝して正当に評価することと、心から励ますことなのである。
カーネギーの本には、感謝、誠実、協力(協調)といったキーワードが多く含まれています。
自分自身を大切にすること。
そのための心構えも書いています。
心から誠実に相手に接することがまず大事である。
自分を正当化することを言動をカーネギーは強く戒めています。
恨み、嫉妬を買うことで生じうるマイナス、そのことを良く知っているからでしょう。
アドラー心理学(個人心理学)が劣等コンプレックス(いわゆる劣等感)から端を発して、その克服のために「課題の分離」「承認欲求を捨てる」「共同体感覚」を柱にした生き方を提示しているのに対して、カーネギーは、自身の言動から変えていくことを求めています。
行動から変えていくことを通じて自分のマインドが変わっていく。
いわゆる行動療法に近い発想といえるかもしれません(勘違いがあるかもしれませんので、この辺りは参考程度に聞いておいてください)。
マインドから変えるか、行動から変えるか。
いずれにせよ、自分自身がよりよい生き方をするためのアプローチです。
協力したくなる。
誤解を生じないようにいうと、あざとい行動を取れ、とカーネギーは言っているわけではないです。
つまり、いつ如何なる時も相手に対して誠実に接することで、結果としてそれが得られる、ということを説いています。
確かに、普段非協力的な人が突然、協力して欲しいと言ってきても、それに応じたくない、というのが人の本音でしょう。
良好な人間関係を日ごろから築いておかなければ、いざというときに協力が得られるわけはありません。
心から誠実に行動するというのはどういう振る舞いでしょう。
思いつくことをあげてみましょう。その具体的な行動指針は書かれていませんでしたので、私なりにあげてみましょう。
・日常的な言動(家庭・職場を含めて)
挨拶を礼儀正しく行う。
相手に対する敬意を常に忘れない(上下関係があってもなくても同じ)。
どんな人に対しても言動を丁寧にしているか?(ぞんざいな言葉遣いになっていないか?)
相手を常に気遣えているか。
何かしてもらった時の御礼はきちんと言っているか?
遠方やご無沙汰している人に対する連絡や挨拶はしているか?
・職場での言動
どんな人(取引先も含めて)にも丁寧に対応して接しているか。
協力が求められたときに丁寧に対応しているか?(たとえ、引き受けられ ない案件だとしても、その理由も含めて丁寧に対応することが重要)
悪口を言っていないか(不平不満があったとしてもその人に対する否定的なことを他の人に言うのはマナーとして良くない)。言われた人も、「ひょっとしてこの人、私の悪口を別の人に言っている?」と思うでしょう。
連絡・相談事をマメに周りにしているか(一人で抱え込んでいると結局、何かあったとに助け(協力)は得られない)。
3.人間力の向上は一日にして成らず
こうしたあげてみると、私もお世話になっている人に対しての連絡がご無沙汰していたりすることはありますね。
メール文化になってしまい、お元気にしていますか?という挨拶がかえってしにくくなっていることにも気づかされます(この点で、年賀状は優れた挨拶のツールだと思います)。
自分の行動を反省して丁寧に人に対して接することを心がけたいです。今近くにいる人も遠く離れている人に対しても。
ついつい見落としがちなのは、職場においては、連絡・相談事をマメにするということですね。
迷惑をかけてしまうから、といって連絡・相談事をしないことも多くあります。ただ、些細なことでも日常的にコミュニケーションを取って、自分が抱えている案件をちゃんと周りに伝えておくと、いざというときに協力を得られやすいと感じています。
これは逆に相手がそうした連絡・相談事があった時に適切に対応しないといけない、ということを意味します。
仕事は一人ではできませんからね。注意が必要です。
出来れば、日常的な言動と、職場での言動を切り分けずに、真摯に丁寧に対応できるようになっていくことが理想的です。
カーネギーの本には、仕事だけではなく、家庭の話も含まれています。妻にたいして感謝の気持ちを言葉や形で表すことの重要性、ですね。
え…職場で気づかいしてヘトヘトにつかれているのに家庭でも同じ対応をしないといけないのか?
と思われる方も多いかもしれません。
おそらく、いきなりそこまでやるのは難しい人がほとんどだと思います。
ただ、ついつい、職場でのストレスを家庭に吐き出してしまい、家庭に迷惑をかけたりということ、誰でも覚えがあるのではないでしょうか?
それは仕方ないことと言えますが、受け止めてくれる場所に対しての感謝の気持ちを表す、ということが大事ということではないかと感じています。
日常を一緒に生きていく家庭に対しては人一倍、気を使った対応を心がけたいですね。
真摯に誠実に対応できる人間力が必要ですね。
これは一日にしてならず、でしょう。
日ごろからコツコツと人間力をあげていく努力を積み重ねていきたいですね。
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