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会計学の基礎的なスキルセット:学習曲線を意識しながら我慢強く学ぼう

会計学を学ぶためのスキルセットって何でしょうか?

スキルセットとは、職種や役職に必要なひとまとまりの知識や能力を指します。

今や既存の知識、技能だけで勝負するという時代ではなく、最低限の知識を身に着けた後は、学び方を学ぶ能力を培うことが必要である、と感じています。

VUCA時代ともいわれる現代、既存の知識、技能はすぐに陳腐化します。

*VUCA(ブーカ)とは、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)という4つのキーワードの頭文字から取った言葉。

ではどのような学びが必要なのかといえば、学び方を身に着けていることが大事になってきます。

例えば、皆さんが持っているスキルは何でしょうか?

一番大きいのは「読み書き」ではないでしょうか?

言葉をしゃべることは、比較的自然と身に着けることは出来ます。

ですが、「読み書き」はそうはいきません。

学校の中で意識して勉強させられなければ身に付きません。

漢字の書き取り、読み方・・・

さんざん嫌というほどやらされました。

その結果、ある程度のところまでは意識せずに出来るようになっているのではないでしょうか?

数学もそうでしょう。

高いレベルはさておき、足し算、引き算、分数などの基本は多くの人が出来るはずです。

数の概念もある程度習っているからこそ出来るようにようになったはずです。

つまり、スキルセットとは、その人が意識せずにある程度のことが出来る能力とも言えます。

つまり、意識せずに出来るようになる、ということです。

ある程度の時間を使い、学習を進めていくとある地点から、あれ?楽になってきたな、と言えるポイントがあります。

いわゆる学習曲線効果ですね。

こちらにも書いてありますように、学習には、準備期、発展期、高原期の三つのステージがあります。

①準備期
学習を始める段階であり、比較的簡単なステップになる。進度は進みやすいが、現時点では「成果」と呼べる状態には直結しにくい。
②発展期
準備期に蓄えた力が発揮され、最も効率的に成長へ繋がりやすい期間となる。
③高原期
次の発展期を迎えるために準備となる期間。頭打ちでなかなか伸びを実感しにくくなる。とくに、1stステージでは、発展期への成長に対し最も時間がかかるため、不安になったり、学習をやめたくなったりすることもある。この期間は、次の発展期への準備期でもあり、この時期を乗り越えると、より大きな発展へ繋がりやすい。

ステージが上がることに①⇒②⇒③を繰り返していくことになります。

どの学習も同じですが、継続的に粘り強くやらないと成果が出ない、ということですね。

では、会計学で必要なスキルセットは何でしょうか?

一つは簿記でしょう。

簿記あっての会計です。技術的な記帳の側面では、今でも簿記の仕組みが使われていますので、まずは簿記に慣れていくことが大事になります。

読み書きそろばん、と昔は言ったもんですが、読み書き、簿記といったところでしょうか。

慣れの要素も強い簿記ですが、経済取引を記帳する、記録するための大事な仕組みが内蔵されています

なので、一つ一つの仕訳をイメージしながら解いていくことを通じて感覚的なものが培われていくでしょう。

この学習経験を積み重ねていくことが大事になってきます。

そしてもう一つの要素が会計学です。

簿記の学習では、あまり深く触れられなかった会計学の仕組みの部分について理解を深めていくのが必要になります。

簿記で仕組みを知り、会計学でその意味を知る、といったところでしょうか

会計の仕組みについて理解を深めて、自分がどの程度の知識を持っているかを試してみたい人はビジネス会計検定を受けてみるとよいでしょう。

学習の目的よっては、簿記をスキップして会計学のみを学んでいる人も多くいますし、それもアリです。

ただし、そのやり方ですと、簿記の基本的な構造を理解しないままに学習を進めてしまうことになりますので、どこかで頭打ちになってしまう、もしくは伸び悩んでしまうことが多くあります。

数学ほどではなありませんが体系化された学習プログラムがあるのも簿記・会計学習の特徴です。

会計学の講義では簿記の仕組みについて触れることが少ないかもしれませんが、それでも貸借対照表、損益計算書を読み解く際に、簿記の仕組みが理解できていた方が、読み取れる情報量は多くなります。

つまり、どのような仕訳でこの財務諸表が作成されたのか?

ということが意識しやすくなります。

会計と簿記の学習のバランスも意識しておきたいところですね。

最後にお伝えしたいことは、

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あらゆる学習に言えることですが、学習の成果は停滞期(高原期)が必ずあります。

停滞期から抜け出し、学んでいることが成果として現れてくるまでそれなりの時間が掛かります。

行き詰っている。面白くなくなってきた。何のためにやっているか分からなくなってきた。

そうした人にお伝えしたいことは、ここをブレイクスルーすれば、一気に伸びていきますよ!ということです。

今やめることはこれまでかけたコストが全て埋没費用となってしまうことを意味します。

諦めずに粘り強くやっていきましょう。

その際には、簿記と会計の学習のバランスも忘れずに。

一方だけに偏ると伸び悩みの原因になります。

このバランスを意識して取り組んでいけば必ず光が見えてきます。

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