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看護師国家試験 看護ケア項目2

消化器疾患の看護ケア

1.食道癌の看護ケア

術後は、造影検査で縫合不全がないことが確認されてから経口摂取が開始される。
反回神経麻痺や喉頭挙上不全による誤嚥をはじめとする嚥下障害をきたしやすいので、むせなどの観察や誤嚥予防が必要である。
胃管再建術や結腸再建術の場合、胃の噴門機能が消失するため食物の逆流による誤嚥性肺炎をきたしやすく、就寝時も上体挙上位をとる必要がある。
食事指導では、胃の貯留機能が消失しているため1回の食事摂取量を少なくし、食事回数を1日5‐6回として必要エネルギー量を摂取する。

2.食道静脈瘤の看護ケア

食道静脈瘤では、多くの場合、基礎疾患に肝硬変がある。
未破裂の静脈瘤は無症状であるが、破裂を疑う前駆症状として悪心、胃部不快、胸やけ感などがある。
大量出血時の緊急処置として、ゼングスターケン・ブレークモアチューブS-Bチューブを経鼻的に挿入し、胃・食道バルーンに空気を入れて圧迫止血を試みる。
再破裂の予防にため、食事はやわらかい物とし、刺激物、飲酒は避け、魚の骨などに注意し、排便時の努責は腹圧上昇をまねくため、下剤などで便通をコントロールする。

3.逆流性食道炎の看護ケア

疼痛、胸やけ、呑酸、咽頭の違和感、咳嗽などの有無を観察する。
アルコールやタバコ、カフェイン、香辛料などの刺激物は控え、消化のよい食事にして食べすぎや就寝前の飲食は控えるよう指導する。
食事直後の臥位や前屈位は避け、食後は座位で1-2時間程度の安静を勧める。
腸蠕動を促すように、飲水や適度な運動を勧め、必要な場合には下剤を内服するなど便秘の予防について指導する。

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