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第2章 人体の働きと医薬品

消化器系


 ▢ 1.歯の構造
歯は、歯周組織によって上下の顎の骨に固定されており、歯根と歯冠に分けられています。
しそう骨の中に埋没している歯の部分を歯根、口腔内に露出する部分を歯冠といいます。歯冠の表面はエナメル質で覆われ、体で最も硬い部分となっています。
 
▢ 2.唾液のはたらき
唾液腺から分泌される唾液には、リゾチーム等の殺菌・抗菌物質が含まれている。
唾液は、リゾチーム等の殺菌・抗菌物質を含んでおり、ロ腔粘膜の保護・洗浄、殺菌等の作用もあります。
 
▢ 3.胃の構造と働き
胃粘膜からは、塩酸である胃酸のほか、ペプシノーゲン等が分泌されています。
胃粘膜の表面には無数の微細な孔があり、胃腺につながって胃酸やペプシノーゲン等を分泌しています。ペプシノーゲンは胃酸によって蛋白質を消化するペプシンとなります。
 
▢ 4.胃内の内容物
食道から送られてきた内容物は、胃の運動によって胃液と混和され、かゆ状となります。
かゆ状となった内容物は、小腸に送り出されるまでの数時間、胃内に滞留する。滞留時間は、炭水化物主体の食品では比較的短く、脂質分の多い食品では比較的長い。
 
▢ 5.小腸の構造と働き
小腸は全長6~ 7mの管状の臓器で、十二指腸、空腸、回腸の3部分に分かれます。
胃から送られてきた内容物は、小腸の運動によって、消化液の膵液、胆汁、腸液と混和されながら大腸へ送られ、その間に消化と栄養分の吸収が行われます。
 
▢ 6.小腸の構造
小腸の内壁には輪状のひだがあり、その粘膜表面は絨毛に覆われています。
十二指腸の上部を除く小腸の内壁には輪状のひだがあり、その粘膜表面は絨毛に覆われてビロード状になっています。
 
▢ 7.膵臓の働き
膵臓は、炭水化物、蛋白質、脂質を消化するすべての酵素の供給を担っています。
膵臓は胃の後下部にある細長い臓器で、膵液を十二指腸ヘ分泌します。膵液は多くの消化酵素を含み、炭水化物、蛋白質、脂質を消化するすべての酵素の供給を担っています。
 
▢ 8.胆のうの働き
胆のうは、肝臓で産生された胆汁を濃縮して蓄える器官で、腸管内に胆汁を送り込みます。
胆のうは、胆汁を濃縮して蓄える器官で、十二指腸に内容物が入ってくると、収縮して腸管内に胆汁を送り込みます。
 
▢ 9.胆汁の働き
胆汁に含まれる胆汁酸塩は、脂質の消化を容易にし、脂溶性ビタミンの吸収を助けます。
腸内に放出された胆汁酸塩の大部分は、小腸で再吸収されて肝臓に戻される(腸肝循環)。また、胆汁には古くなった赤血球や過剰のコレステロールを排出する働きもあります。
 
▢ 10.肝臓の働き
肝臓では、胆汁を産生するほかに、栄養分の代謝や貯蔵が行われます。
小腸で吸収されたブドウ糖は、血液によって肝臓に運ばれてグリコーゲンとして蓄えられる。皮下組織に蓄えられた脂質も、一度肝臓に運ばれてから代謝されます。
 
▢ 11.肝臓の働き
肝臓では、生体に貯留すると有害な物質の無毒化、代謝が行われます。
肝臓は、生体に有害な物質を、肝細胞内の酵素系の働きで代謝して無毒化し、または体外に排出されやすい形にします。
 
▢ 12.大腸の働き
大腸は、盲腸、虫垂、結腸、直腸からなる管状の臓器で、内壁粘膜に絨毛はありません。
大腸は、盲腸、虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸からなる管状の臓器で、内壁粘膜に絨毛がない点で小腸と区別されます。大腸では消化はほとんど行われません。
 

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