組織の情報流通量を増やす

生産性の高い組織、インタラクションが活発である。
メンバー間のやりとり(情報流通量が)が多いほど、組織内のチームごと部署ごとの情報格差は小さくなる。


組織のやりとりを多くするために、もっとも大事なのが安全・安心である。

安全・安心が確保されて、
1人では解決できないような、ある一定以上の難易度の課題がメンバーみんなに与えられている場合に、
組織内のやりとりが活発になり、情報流通量が多くなる。

組織の中の安全・安心を損なうものとして、極度な上下関係というのがある。
これは言っても失礼じゃないだろうか、的外れなことを言っていないだろうか、
と考えてしまえば、発言することに心理的障壁が生じる。
まさに安全・安心が奪われている状況だ。

日本の組織はクビにされる恐れが少ないのはいいことだが、
自分が評価されているという視線が社内に向きすぎている。
上司や先輩に怒られないか、同僚に嫌われないかということが、行動の判断軸になってしまう。
これが、日本の組織が情報共有できない大きな理由の一つだ。



また、難易度の面でも、日本の組織は定型化された仕事が多く、
誰かに助けを求めて協力を得なければならないことは少ない。
また、自分が組織に役に立っている感じも得られない。

その結果、業務をこなすのに最低限必要なだけしか、メンバー間のやりとりは起こらない。


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Slackのすごさは、情報流通量を増やしたところにあると思っている。

Slackは短文でやり取りできるために、まとまってない思考も投げることができる。

メールの場合は、
読んだ人がすぐに理解できるように、厳密に構造化して、整理した文章を投げなければならない。
やりとりの数が少ないから、できる限り一度で伝え切ろうとする。
そのため、それまでの思考の過程や断片は捨象される。
まさに納品物を届けるような感覚だ。

メールを組織のメンバーに送る場合には、
あなた様にお届けしますよ!というメッセージが強すぎるため、発言のハードルが高くなってしまう。

ある意味、安全・安心が低くなってしまっている状態だ。

メールが1対nなのに対して、
Slackはn対nのコミュニケーションであり、
あなた様にお届けします感がないために、
ハードルが低くなっている。

一回一回のコミュニケーションが雑でもいいような気がするUI/UXを設計し、安全・安心を高めた点がSlackのすごさである。

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今回は、組織の情報流通量を増やすためには安全・安心が重要であるという話でした。

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