ふと気づくこと

今まで経験したからこそ気づくことがある。

それは、意図してそうあるのではなくて、本当に偶然に、不意にやってくる。


例えば、小さい頃からピアノを弾いていて、道半ばで諦めることになった。

そうして手に入れた演奏技術は、どこかで発揮されるものではなくて、日常に埋もれてしまう程度の、プロから言わせれば遊びのようなもの。

でも、求められるわけでもなく、それを表現する瞬間はやってくる。

ピアノの演奏という形をとらないだけで。


積み重ねた想いや、痛みを伴う良い出会い、分かち合えない苦しみが、その人の仕草や言葉遣いとなって、結晶の煌めきのように表出する。

そういう表出を受け取るのは、他人だけではなくて、自分自身も同じ。


何かがきっかけで心の内に潜む結晶が輝き、それそのものを感じとる。

すると、「ふと気づいたのだが、」ということになる。


何かに気づくというのは、何かが輝いているということ。

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