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逆行

 眠れない日々をここに綴る。入眠するのは早いが、覚醒するのも早く、生き急いでいるのに、できることは何もないから、ただ充血した目で霞空を睨みつけている。ストレッチしてみたり、本を読んでみたり、職場の裏の草を毟って煎じて飲んでみるなどの行動に出るが、そういったことを意に返さない、日々の濁った澱、安静にしようとする自分の身体を、脳ミソが、keep-moving! ぐつぐつと沸騰させていく。

𓋹

 動かない日々をここに綴る。朝起きて、仕事をして、布団にこもる毎日の中を、尊いものと人に説く仕事をする自分のつまらなさに疲れている。慣れるのは遅く、飽きるのは早く、生き急いでいるのに、できないことは何もないから、ただ鬱屈した頭で同じ道を回っている。社交の場に出てみたり、資格のための講義に出たり、引っ越しの準備をするなどの行動に出るが、そういったことを無に返す、過去の腐った根、両足を、fleeze! ひたひたと絡みついていく。

𓋹

 眠れない日々とともに進む。朝起きて、力が入らなくて、布団をはだく毎晩の中を、虚しいものと心を砕く自分の真面目さと戦っている。生き急いでいるのは、まだ終わっていないからだと、できないことをできないままにしないでおく。何もない月夜に泣きたくなったり、夜中のカクテルや交通整理に励まされたり、朝日の眩しさに感謝したりするなどの行動に出るが、そういったことを意に返さない、忙しない日々、don't-forget! もくもくと進んでいく。

𓋹

 動けない時間とともに歩む。逝去するには早いが、絶望するのも早く、死に急いでいるのに、やりたいことばかりだから、ただ牙を向いて現世を儚んでいる。薬を飲んでみたり、家にこもってみたり、延々と人の悪口を言ってみたりするなどの行動をしていながら、何も考えないようでいて、そういったことを飲み込んでいる、安定になろうとする自分の心を、生き血を啜る日々、starting-over! ぼろぼろに壊していく。


 

 

 

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