ツアーガイドの思い出 第四話

【問.】
東京ディズニーリゾートにおいて、「楽しみたい!」と思う以下のジャンルを、希望順にお答えください。上位3つを優先してプランを立てます。

・アトラクション(絶叫系からゆっくり楽しめるものまで)
・ショー、パレード(通年プログラムから季節限定のものもあります)
・グリーティング(キャラクターとの触れ合い、写真撮影を楽しめます)
・レストラン(季節限定のメニュー、パーク内及びホテルレストランでグルメ)
・グッズ(季節限定の商品他、アパレル、雑貨、食品等のお買い物)



これは、「ディズニーを満喫したいんですけど、一体どうしたらいいですか!?」というご相談を直接してくださる方に対し、ぼくが必ずと言っていいほど投げかける問いかけである。
(状況によって上位2つに絞っていただく場合もある)
場合によっては「ハッピーエントリー」や「予約宿泊特典」をご案内する必要があるので、「公式ホテルへのご宿泊の有無」や「ご入園日程」なども質問する。


さて、希望順にお答えいただいたら、次は上位に入ったジャンルで更に深掘りをしてゆく。ディズニー公式サイトの各ジャンルの該当ページを共有し、入園するパークの該当するものの中から「絶対に楽しみたい!」と思うものをお選びいただく。
希望第1位ジャンルからは2つ、2位〜3位からは1つずつ。
グッズの場合はご購入希望のお品物を一通り、アトラクションにおいては「酔う、苦手そうなどの理由から乗れないもの」を全て、「アレルギー」はレストランが優先上位2つに入っていなくても必ず聞き取る。

無論、絞ったもの以外を計画に入れない、ということではない。
昨今のパークの状況を加味すると、「100%確実に、絶対に楽しむ」コンテンツは各ジャンルで1つか2つにしておかないと事故が起こる。
予定には余白が必ず必要であり、その余白でのんびり過ごしたり、当日状況を鑑みて優先しているコンテンツの予定を入れてゆく。この方が来園者が思わぬ楽しみを感じられ、喜びも大きくなると考える。
絞ってゆくうちに「やっぱりこっちを楽しみたい」、ということであれば、問いに立ち返って軸を定め直せば目的がブレない。

しかしまぁ、お答えいただく方には大変な労力だと思う。
各ジャンルのコンテンツは非常に多い。慣れていない方からしたら、公式ページを眺めているだけで軽い目眩をおこさずにはいられないはずだ。
なので、必要に応じてこちらが情報を補足しお手伝いをする。「疑問や不安に思うことがあればお知らせください」とお伝えする。

勿論、ぼくが知らないことだってある。全てを把握しているわけではない。
そういう時の「公式サイト」。まずは基本情報を確認、不明な点があれば「FAQ」、該当項目がなければ「問い合わせ」。ぼく自身も学びとなるのでありがたい限りだ。

ディズニーアプリを使ってご自身でいろんな情報を調べていただくことも手の一つだ。ある程度行き慣れているぼくでさえ、意味もなくアプリを開いては待ち時間やフードの販売状況などを見たりする。
アプリのインストールから必要であった社長、


「喫煙場所の位置、調べておきます!!!」


喫煙者の方にはとても大切なことだ。当然ぼくは場所を把握しているわけだが、これはご自身でアプリを触っていただくいい機会だと思い、「お願いします」とお話した。
通話ののち、回答依頼の詳細メールをお送りした。
選定にはもとより、本文をお読みいただくにもお時間がかかると思い、回答期限は1ヶ月後にした。




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最後のご連絡から2週間後、「大丈夫かな?」と思いつつフォローも含めてLINEをしたところ、社長から思わぬご報告を受けた。
それは、なんとも素敵なお話であった。


ーつづくー

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