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仕事が増えた

やはり作業が好きだ、と思った。
在庫補充や清掃などの
バタバタしない仕事だけだった売り場に
時々量が溢れる、時間にも追われる、
予測不能の搬入作業が勤務時間帯の仕事に加わった。

ただ、疲れる。
それも慣れで、慣れるまでは数回で程よく諦める。
会計に呼ばれもしながら
奥から詰めるだとか裏返して期限を見比べるとか
ああもう。と思う面倒な作業も
機械的に熟すようになる。

ギリッギリを二列の半重ねで上手く詰めこめて
納まらないと思ったものが収まるとか
客の動線を邪魔せずに
バラつくダンボール類や空ケースを纏めるとか
細々ピタッと来るものが出始める。
週に数箇所を回ってると
それぞれの造りや天候などが干渉してくるため
新たな ああもう。が意外な所から出てくるが。

座り姿勢で身体を固定される仕事は
私には合わない。と10代で気付いてた。
それでも20歳で重度の腰痛になったので
自身にとってはつまらない仕事を転々とした末に
漸くここまで漕ぎ着けられたというべき。

そこがスーパーで
小学生からも軽く扱われるのは面白い。
にこやかに丁寧に、何の嫌味もなくあしらっている。

確かに丁重に扱うべき搬入業者さんに絡んだり
気に入った後輩と他の仲間を引き離そうと
悪口を吹き込もうとしてくるパートさんもいる。

が、何処にでもバランスの偏った変人は存在するし
寧ろこれが健全な状態。
感化されない事が大事なのだ。
仮にこれより雑菌を見かけず
無菌状態の職場環境に紛れ込んだとしたら、
こちらが逃げ出す。漂白されてしまいそうで。
人間て、面白くもつまらないものだと思う。
客でも同僚でも
ただの一個人を過大評価も過小評価もする気は
さらさら無い。
HSP気質を持つためか
他人に程よく無関心な所がある。

目の前の作業に集中し
怪我もなく仕上げる。客の求めに応じ接客熟す。
をクリアすることが目的なので
誰の評価もいらない。気に入られたくはない。
何かは説明できないが
孤高であってこそ成立するものがあると思う。
メリハリはつけるし、仲間と戯れるのも好きだけど
仕事においての馴れ合いは殆ど邪魔にしかならない。
客のあなたへの丁寧な笑顔や対応は、ただただ
自分のためなのだ。プロ意識ゆえでござる。
時折心からの思いやりに接すると
それが解ける。ああやられたと思う。それも楽しい。

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