好きな仕事

そろそろ半年通う店が
テナントで入ってるマンションの管理人さんと
挨拶以外のやり取りを初めてした。

住人のゴミを出しモップがけまでしてくれている。
綺麗にする、動作を必要とする作業をされる方は
態度が気持ち良いと感じる。

グネグネとトグロを巻く鬱憤なんて
疲労が勝る作業の中で大方無効化される。
こちらもバタバタと店出し作業を熟す身で
言い表しまではしない労い合いの気持ちがある。

搬入してくれるドライバーさんも
現金回収してくれる警備員さんも
ゴミを回収してくれる業者さんも
その他大勢でなく必ず一人一人顔を見て挨拶する。

こういう作業を受け持ってくれる人々で
世の中は繋がれ回っていて無事に過ごせている。
一度でも欠ければ余分なスペースの無い造りの店は
即、仕事がスムーズに回らなくなる。
相手の仕事を受け止め感謝を伝えなければならない。

自分も台車を扱いダンボールを仕分け、箱を開け
商品を並べる。そして会計も行うので
うっすら黒ずんだ手を咎める視線を受けもする。
食品に触れる前には隙を見て洗浄を心掛けてるが
同時進行の設定では困難になる。
衛生作業を会計待ちの姿勢で待ってくれるのかというとそうは行かず
レジで待たされる方が不満気である事が多い。
セルフレジも受けが悪い。

かといえ自分もプライベートでは
他人に不機嫌にまではならないまでも
人混みと並び待ちが苦手なので否定はしない。

便利が過ぎると
どっちが良いかどうしたいのか
自分で辻褄が合わなくなってる事が多い。
とにかく望みがワガママなのだと自覚したい。

企業は綺麗な理想ばかりで実態は人に冷たい。
自身がしっかりしないとアッサリ梯子を外される。

私はまだエアコンの効いた屋内で作業ができ
肉体的疲労度合いの負担は非常に恵まれている。
商品を綺麗に並べて陳列し売り場を埋める作業と
会計客に対応する作業に徹することができる。

正規雇用でなく年収も低いが
おかげで現場で好きな仕事ができる。
物を動かす、物を並べる、一目瞭然の仕事が好きだ。
小さな商店で昔、祖父母がやって来た仕事でもある。
あの店にあったオロCもカロリーメイトも扱ってる。
あの時のタバコの銘柄もある。

今の店に入る時間帯の
弁当や惣菜、パンなどを陳列するのが何より楽しい。
ずっと作業。行き来する客を避けつつ並べる。
売れる店なのでゴッソリ売れる。
納品物が売り場ギリギリ量なのを何とか収める。
少し自信を持っている。
空のクレートが自分3.5人分積み上がる。
数時間が瞬く間に消滅している。

自分としては人事やら、
人を相手にどこに繋がるやら
賭けみたいな仕事なんて真っ平だと正直思う。

面倒な気性のスタッフからは姿を眩まし
真反対側で商品を相手に前陳を始めるし
被害を被り難い広さが店には十分確保されている。
狭い職場の時は逃げ場がなく
シツコい上司に絡まれたりすると結構参った。
今はアウェイでも構わず驕らず
物を探してそうな客に構っては喋ってる。
他人を機嫌で操作しようとする人には近寄らない。

この仕事だと年を重ねても筋力強い方が多いので
ギリギリまで働いて倒れたいものだなーと願う。