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家に届く

3回観たパーフェクトデイズのDVDが届きました。
最近時間数を増やし仕事も頑張ったので、という
そんな開き直りです。

映画館で初めて聴いた楽曲も、
既に日常の折々でお馴染みのものとなりました。

案外手元にあると観ないかな?と
必要性を訝しんだのですが
何か悩みがあったとしても、気の迷いだとしても
この面倒くさがりが3回
やや苦手な人混みの先へと足を運んだのです。
スマホかざすスタイルの入場もログイン必要かとか
心理的に億劫だったくらい。

ロードムービー的な空気の一部として
映像と俳優さんたちの映像の中に
曲が流れる作品がやはり観たいと思いました。
今日それで久しぶりに観ることができた。
ホームレスさんが踊ってるのは意味不明なままですし
微妙なモヤモヤも多いけれども
それ自体が自身の日常と似通っていると思えば
そんなものかもしれません。
我が家の傍を通る若者が
大声で熱唱していく通行人だったりも普通にする。
私が改めて好きになったシーンは
写真の現像をしてくれる写真屋さんの主人が
主人公の趣味を知り尽くしてても
素っ気ない挨拶を数回交わすだけの関係性なこと。
逆光を失敗して飛ばしたなとか
手に取るように分かってるのに、触れない。
冷たい、じゃなくて逆に粋なのかなと。
構いたがりの私には、まだ疑問符ですが。



なかなか誰とも打ち解けない雰囲気の主人公が
不器用に老いとも向き合っていく雰囲気と、
嬉しいと動作も若々しくなっちゃう人間くささ。
植物にだけは和む柔和な表情だとか。
何気に子供や若者に慕われてしまう魅力とか
どんなに人間味あっても
歳重ねると周囲の視線は冷たいよねだとか。

で、自身も育児経験とかできなかったので
少し未熟なままの精神力だとか
身につまされるもの、共感してしまうものがあって
一方的に同士だと思ってるのかもしれない。

私自身も恥ずかしがり屋でしたが、
女性という性別もあって年齢を重ねるほどに
誰彼構わず話しかけるお喋りになっていて、
シーンの中には未解明な心情もまだまだ残っており。

で、ラストはやはり泣けました。

半世紀近くを無事生き残って
身体が弱くなってきたとしても、
なにひとつ解らんよね。
でも愛しいものだけは年月をかけて紡いだ分、
言葉を尽くせないほど鮮烈な存在だったりします。

それはもう、あの眼差しでしか
表現できないものなんだと思う。

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