木のラケット

日中は全窓全開だが夜はいちおう網戸を閉めるので、涼風を通すために網戸の目地もマメに掃く。ので腕がムキムキ。
ホウキの掃き方がどことなくテニスっぽいフォームで、テニスがこんなところで役立つとは思わなかった。

テニス時代、ラケットは完全ウッド派だった。カーボン素材のほうが湿度に影響されずよく飛ぶため人気だったが、なんとなく木のほうが打ち応えが好きで、ずっと木だった。しかもボロボロで、ちょっと割れてたりしていて、「いい加減ラケット替えたら?」といつも仲間たちに笑われていた。

しかもみんなごついラケットケースに入れているのに、私だけ入れず、遠征に行くときも電車に乗るときもガットむき出しで歩いており「プロゴルファー猿」と呼ばれ乙女心が傷ついた。
出し入れが面倒くさいという理由もあったけど、なんとなくラケットを閉じ込めると息苦しいと感じてたから、完全にラケットと同化してたんだと思う。私にとって「道具を大事にする」とはそういうことだから。網戸の目地とだって同化するんだから!

おかげで負け知らずのプロゴルファー猿として、県チャンピオンはあたりまえの東日本代表としてボロボロのラケットと共に大活躍であったが、あの時もしも「私も強豪たちみたいにカーボンにして、ケースに入れたらもっと強くなれるだろうか?」とうっすらでも考えていたら、テニスは勝てたとしても何のために生きてるかわからなくなってたと思う。