成長

娘の部活引退コンサート。横浜みなとみらいまで演奏を聴きに行く。
娘が小学生のころ、「この子、中学はさすがにむりなんじゃ…」と思った。まず勉強がむりだし、汗をかくのが嫌いだし、いたくない場所にいるとすぐ貧血で倒れるし、好きになる男の子はみんな動物の毛並みに近いというだけの理由で金髪少年だし、小6まで誕生日におねだりしてくるのはメルちゃん人形ばかりだし、増え続けるメルちゃん集団に肉を食わせてるし、ヒロくんという名のメル男をひとり加えてすごい恋愛の争奪戦やアレンジをきかせてるし。

だからこれは無理があると察したらいつでもやめさせて、生涯めんどうをみようという覚悟さえしていた。
そんな娘が、吹奏楽部に入ると言いだしたときも、続かないだろうと正直思った。続いたとしても、朝練はぜったい無理だろうと。
しかしほぼ休みもせず、毎朝すごいクオリティのお弁当を自発的に作って、最後のコンサートは堂々と、すごいリズム感とスピードでドラムを叩きまくっていたのだった。
おつかれ〜とお花をプレゼントしたら、生まれたての時とおんなじ顔でふにゃっと笑う娘。背丈は私を越えたけど、爪や指の形はそのまんま。

ひとりで電車も乗れないし、暇さえあればさこちゃんにしがみついてるし、まだまだ心配なことはあるけれど、私くらいは受験生とだけは呼ばずに、娘の勘をよくよく観察して、ぎりぎりのところまで見守っていよう、この子はなんだかんだだいじょうぶ、守られてるし、受けとってる、と根拠なく思えるまでの信頼を重ねてきたんだということがうれしい。
娘も成長したし、私も成長したし、いっしょに成長してるってこと。