忘れ得ぬギャグ・その1 「ポンチョスの定理」
特に時系列にこだわらず、思い付いたものから、つらつら書き留めて行きたいと思います。
今回ご紹介させて頂くのは、2004年12月号「flowers」掲載の読み切り作品
「PEN-PEN」 浦本直見
わずか6ページの短編だし、どうやらこのマンガ家さんは引退し、現在はイラストを教えるお仕事をなさっているようだし、確認したところ、単行本も1冊を上梓されたのみなので、この作品をご存知の方もそう多くは無いのではないだろうか?
タイトルを含む冒頭1ページから、忘れ得ぬギャグに繋がります。
少し上体を傾け、上目遣いにおすましの表情、七三分け、右手に携えた辞書、「ポンチョスの定理」とつぶやく事で精一杯のインテリジェンスをアピール。
前のコマのセリフを受けて、間髪を容れずのこの切り返しは見事としか言いようがない。「ポンチョス」の語感もいいし、頭の良さをアピールするのに「定理」を持ち出すのもいいし、ただポツンと題目を唱えるだけというのもまたいい。キャラクターの頭の悪さを表現する方法は色々考えられるだろうが、それには作者のインテリジェンスの高さが反映される、本作はその好例と言えよう。
我が家では夫婦間でこの単語がブームになった。そして掲載から18年経った今でも「ポンチョスの定理」という単語を覚えているという事実から、恐るべき破壊力を持ったギャグと言えはすまいか?我が家だけ?
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